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バトル仮面舞踏会コミュのウスギカノジョ 【渉】

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夏の大学のキャンパスは眩しい。
女の子のヒラヒラな鮮やかな服で。
昼休み。
食堂には赤、ピンク、青、黄色、緑と、さまざまな色合いで着飾った女の子と、それに魅せられた野郎どもとが会話に花を咲かせていた。
「ねぇねぇ、ケンイチ〜今度のサークルの合宿どうする?どこいく?」
麻里はあまい、あまい、とろけるような声で健一に話かけた。
麻里は最近の女の子の流行だというひらひらした薄着に、短いパンツにミュールという、肌の露出が高めの格好で正直、俺は目のやり場に困っていた。
「うーん、そうだなぁ」
じっと見つめてくる彼女の視線に健一の瞳は落ち着きのない動きを見せた。
ああ、分かる。分かるわ、その気持ち。
だって麻里は本当にかわいい顔して、そのくせ女性らしいラインを描いた体が薄着を通して見て取れるほどスタイルがいい。
じっとみられりゃクールぶってるお前も動揺するよな。けどその目線が華やかな服の奥、つまり胸の谷間に目線がいくのを俺は見逃さなかった。てめえ意外とむっつりだな。いや、そういう俺も、机の下から見える麻里のすらりとした足から、なかなか目が離せないんだけどさ。
「もお〜煮え切らないんだから!ねえ陽介はどこいきたい?夏休み」
「・・・海かねぇ。どうせ、合宿っていってもあいつら遊びたいだけだし」
「えー海だったらアタシやせなきゃ。このアイスでしばらくおやつはお預けしなきゃ」
食堂のテーブルの上に置かれた、白いバニラのアイスを見つめて、麻里は少し涙目になった。
やべえ、涙目も可愛いなあ。
「誰も見てねえよ、お前の水着なんか」冷たく言い放つ健一に俺は思わず、薄目でにらんでしまった。谷間見てたくせに。や、けど麻里の水着が見たくて、海がいいといった俺も人のこと言えんか。
「ケンイチのばかぁ」
そういって麻里はケンイチにげんこつで軽く殴り始めるんだけど、その顔が健一に触れられて、はしゃげる喜びで満ちてるようで・・・。正直、せつねぇなぁ。健一も麻里の攻撃に応戦するかのように、彼女の頭をぽんっと殴り返していた。けど、その表情は俺には見せたこと無い柔らかな表情を浮かべていて。くそっ。
どうして、おまえらは、好きな人にそんな気軽に触れるんだろう。
俺なんて触りたくても触れない。触ったら壊れてしまうから。
この居心地のいい関係が。くだらないけど、お前達と過ごす時間がたまらなく、大事だから。俺は気づかれないように、そっと彼女の柔らかな花びらのような服の生地の端をそっとつかんだ。
健一にも、麻里にも気づかれないように。
彼にも、彼女にも気づかれないように。そっとそっと。
うすい、薄い、彼女の服に。

きっと彼女と、彼女の心に「触れること」はできないから。

そっと彼女の薄着に触れた。
ほんの、いっしゅん。


残ったのはやわらかな、布の感触だけ。

コメント(9)

投稿者・匿名

・・・主人公の切なさがとてもよく伝わってきた作品。
文章に引っかかるところがいくつかありましたが、全体的には読みやすい語り口で良かったと思います。
ただ外見の描写がほとんどなのと、触ったら壊れてしまうから以降のセンチメンタルすぎるところは難点。
彼女の描写に外見以上の魅力が感じられればラストも盛り上がれたのだと思いますが。
 要するに、健一のドキドキ感に共感できれば面白いし、そうでなければ「そうかいそうかい」で済んでしまうという。
 ものすごーく読者の幅が狭い話であります。

 まぁ、健一の視点だけだからそうなるんだけれども、麻里が健一をどう思っているか、実は本音が別のところにあるのが仕草からうかがえるんだけど、健一は馬鹿だから気がつかないとか、そういうすれ違いがないと、話としては盛り上がっちゃこないわよね。

 おたがいに相思相愛でお幸せなら、あとは健一個人のおセンチだ。おセンチならば、読者に見せるものが無いわいな。
投稿者・匿名

 主人公に共感できなかったし、彼の行動がなんだか気持ち悪いように感じたのは読者である私のただの好みの問題だと思う。文章自体は読み易かったので良かった。
投稿者・元祖ヨコスカ

うひゃひゃ。なんだかこそばゆいようなお話ですなあ。もう汚れちまったあたくしにはヨクワカンナイようでいてなんかそんな時代もあったような
ちょっとひやりといたしました。
何がいいってタイトルがいい!
いっそウスギノアイツとかでもいいかも!
ただ、視点が女性的だ。
それと、最後、あたふたしながら強引に話をまとめようとしたように見えるのだがどうか。
キャラ自体は実に立っているし、麻里のちょっとお馬鹿だけど計算高くて裏表がある感じ(勝手に想像)もいいんだが、惜しい。
投稿者・八丁堀ぷろめてうす

 語り手の陽介君は誠に度胸の在る漢である。発見されれば痴漢行為との謗りも免れぬ。冗談に紛らせて彼女に拳骨を見舞う方が如何程気楽であろうか。斯様に純真に恋しい相手を求める気持ちを失いつつ在る吾輩としては、実際行為に奔るかは兎も角、せめて彼の心意気を汲み、物語の中なりと見習わねばならぬと思った。
投票者・太郎丸

友人の恋人を好きになってしまうという主人公(陽介)というのは、あり得る設定だと思うのだが、友人の彼女の服に触れるという程度であれ、掴んでしまうというのは、今までの流れからは少し強引の様に感じた。これが妄想の中の話ならば、許せるのだが…。
投稿者・雨夜

 想像しやすい夏のカラフルな光景……なのですけど、主人公の気持ちがどうも、「おや?」と首を傾げてしまいます。
 これが中高生だと「甘酸っぱいなあ」と素直に受け止められるのですけど、大学生だと「え、ストーカー?」になってしまう不思議。
 たぶん、『きっと彼女と、彼女の心に「触れること」はできないから』等のリリカルな考え方が非常に思いっきり、中学生っぽく見えてしまうんですね。
投稿者・匿名

もうちょっと登場人物の内面が出てほしかったかしら。
俺の麻里への気持ちとそれを表現するために使われた小道具=ウスギの服ってのは秀逸でした。

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