moving （movies and musicals）コミュのメアリーの総て

Mary Shelley
ハイファ・アル＝マンスール

エル・ファニング／ メアリー・シェリー
ダグラス・ブース／ パーシー・シェリー
スティーヴン・ディレイン／ ウィリアム・ゴドウィン
ジョアンヌ・フロガット
ベン・ハーディ
メイジー・ウィリアムズ
ベル・パウリー／ クレア・クレアモント
トム・スターリッジ／ バイロン卿

ゴシック小説の古典的名作「フランケンシュタイン」を生み出したイギリスの女性作家メアリー・シェリーの波乱に満ちた半生を、エル・ファニング主演で映画化。19世紀のイギリスで小説家を夢見る少女メアリーは妻子ある詩人パーシー・シェリーと出会う。2人は互いの才能に惹かれあい、情熱に身を任せて駆け落ちするが、メアリーは数々の悲劇に見舞われてしまう。失意の中にあったメアリーは詩人バイロン卿の別荘で「みんなで1つずつ怪奇談を書いて披露しよう」と持ちかけられ……。
(by eiga.com)

メアリーの総て　
♡「フランケンシュタイン」の作者メアリー・シェリー（エル・ファニング）と、
彼女の人生に関わった芸術家達が登場する"死の匂いがする"作品。
メアリーと同じく、ポリドリ（ベン・ハーディ）の作品に対する出版社の対応に…

メアリーの総て（2）　
♡寒々しいゴシック風味の映像が美しい。
"自分の言葉"を持つメアリーのことを、バイロンは女性として、ポリドリは同志として、
パーシーは物書きとして、それぞれ対等な存在として認めている。
そんな"幸福な"作品。

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ねたばれ

原題は、メアリーのフルネーム、メアリー・シェリー（Mary Shelley）。
このタイトルだから、メアリーはパーシー・シェリー氏と結婚するのね？

…と思ってたら、シェリー氏は既婚者でした。
妻がテムズ川に身を投げて自殺した後にメアリーと結婚するのかな？
それまでは、不倫の関係とも言える。

その上、パーシーは自由恋愛を理想としていて、
メアリーに自由を与えるフリして、自分はやりたい放題？
メアリーの義妹との関係も怪しい気が。

そうそう、メアリーと義妹クレアの関係が面白かったな。
駆け落ちに連れて行くとか、三角関係になりかけを黙認するとか、
ライバル関係にはならず面倒をみるとか。

バイロンの子を妊娠した時、
思わず、「誰の子？」って聞いてたよね？
パーシーとも怪しかったもの。

それでも、２人で助け合って生きていく感じが美しい。

史実では、シェリーは29歳で事故で亡くなるとか？
そしてメアリーは56歳？まで生きるとか？
子供は4人中3人は死んでしまったとか。
なんだかんだ、波瀾万丈の人生。

そして、ベン・ハーディ演じる医者ポリドリも、
吸血鬼の小説を書いたのに、作者はバイロンとして世に出され、
失意で鬱で自殺したとかー。

無名のボリドリより、名のあるバイロンを作者にして売り出す出版社。
商業とアートの今でも変わらない問題。
売れなきゃ何をやっても許される風潮、変わらないね。

ボリドリは、この作品の登場人物では一番まともな人物だったのに。
まともな神経じゃ、やっていけない世界だったのかも？

バイロン卿を演じたのはトム・スターリッジ。
退廃的で美しくて冷血で、最高でした。

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2回目。
シネスイッチ3階にて鑑賞。
（端席でも、それほど見にくくないかも。
　Ｈ列より後ろの方が良かったかな。）

今回は、幸福な作品という印象。
周りの人たちがメアリーをきちんと認めてくれているという意味で。

バイロンは、一人の人間として、
ポリドリ は、同志として、
シェリーは、物書きとして、
それそれ、自分と対等な立場の存在としてメアリーを認めてました。

メアリーの核になるのは、父親の『自分の言葉を見つけなさい』という
アドバイスだったな。

一番辛い場面は、メアリーとポリドリの再会の場面。

この後、メアリーは、2版で自分の名前を作品に掲載されるようになり、
59歳?まで生き延びるけれども、
ボリテリは29歳で、借金と鬱でこの世からさよならしたとかー。
そういう未来が透けて見える、2人の逢瀬でした。

この作品のグレーな人間関係ってのも、実は面白い。

自分の勝手な想像だけど、
シェリーとクレアの関係は、実はそうなん?とか。
ボリテリとバイロンは、友人以上？とか、
バイロンとシェリーってどうなん?とか、
あと、ボリテリとメアリーってどうなの？とか。

…どれも、なんでもない関係の可能性もありますけど。