moving （movies and musicals）コミュのオン・ザ・ミルキー・ロード

On the Milky Road

エミール・クストリッツァ

* エミール・クストリッツァ/コスタ
* モニカ・ベルッチ/花嫁
* プレグラグ・ミキ・マノジョロビッチ/ザガ
* スロボダ・ミチャロビッチ/ミレナ

「アンダーグラウンド」の名匠エミール・クストリッツアが9年ぶりにメガホンをとり、「007 スペクター」のモニカ・ベルッチをヒロインに迎えて描いた人間ドラマ。クストリッツァ自らが主演を務め、戦争の混乱の中で運命に翻弄される男の波乱万丈な人生を描く。
（by eiga.com）

＜オン・ザ・ミルキー・ロード＞
『どこが３つの事実？』ってくらい妄想爆発な（いつものノリの）作品。
動物が大活躍。
最初のアヒルの水浴びならず･･･の行動からびっくり。
音楽好きなハヤブサににっこり。
ミルク好きの蛇にオレンジ好きの熊も登場。

＊＊＊＊＊

恵比寿ＧＣでのクストリッツァ監督作品特集のアフタートークイベントで、
『監督は今、地元で映画村を作って映画を撮ってる』という情報を聞いてましたが、
出来上がったんですね、その映画。

ということで、早速鑑賞。
音楽がたくさん！

最初に『３つの事実とたくさんのファンタジーを織り交ぜて作りました』
という感じの字幕が出てたけど、どこが事実だったんでしょう？ってくらい
ファンタジック（＝妄想爆発）な作品。

アヒルが、屠殺された豚の血液が入ったバスタブに入って、血生臭い匂いを振りまいて
寄ってくるハエを美味しく頂くのは事実の１つなのでしょうか。

主役のコスタを演じるのが、監督本人。イメージより若々しい（ちなみに、63歳）。
コスタは、動物との交流が多くてムツゴロウさんみたいでした。
動物がＣＧではなく本物らしいのですが、
ちょいっと爪で引っ掻かれたら人間の肉はもげそうなデカい熊と
オレンジを分け合って食べたり、
ハヤブサがペットだったり、ロバと仲良しだったり。

村が焼き払われた場面で仲良しのロバも殺されてめっちゃ悲しかった。
この時、村の人たちは皆殺しの目に遭ったんですね。
丸焼けの死体がたくさんあったけどー。
戦争は終わったのに、黒づくめ３人が村を焼き払うとか、めっちゃ皮肉。

丸焼けと言えば、草原で地雷原に踏み込んだ羊が丸焼けになるのは、
哀しみよりシュールさを感じてしまいました。

蛇がミルクとか。宗教的な意味があるのだろうな。
他にも、色々な物事が何かを暗示しているんだろうなーという印象。

コスタが15年かけて白い石を敷き詰めているのも深い意味があるのだろう。

時計で怪我をするという笑いも、何かを暗示しているような気がするー。