moving （movies and musicals）コミュのハミングバード

HUMMINGBIRD
スティーヴン・ナイト

ジェイソン・ステイサム/ ジョゼフ・スミス／ジョーイ・ジョーンズ
アガタ・ブゼク/ シスター・クリスティナ
ヴィッキー・マクルア/ ドーン
ベネディクト・ウォン/ ミスター・チョイ
ジャー・ライアン
ヴィクトリア・ビューイック

　「堕天使のパスポート」「イースタン・プロミス」の脚本家スティーヴン・ナイトが主演に
ジェイソン・ステイサムを迎え、記念すべき監督デビューを飾ったクライム・アクション。英国の
裏社会を舞台に、どん底の生活を送る男が、一人の少女の仇をとるべく復讐の鬼と化すさまを描く。
（by allcinema）

ネタバレです。

HUMMINGBIRDってハチドリだっけ？
ちっちゃくて、凄くスピード感のある羽の動かしかたで、
ぶぶぶぶぶぶと耳障りのする羽音なイメージの鳥。

ハチドリの羽音は、耳から離れない戦場の音にもつながるんだろうな。
一度、幻覚に出てきたしね。

でも、この作品のタイトルの意味は『無人偵察機』らしいです。
全てを冷酷に見張っている存在、というイメージかな。


でー。

これ、個人的には傑作の部類かと。

善悪が混沌としている中で、ただ、想いだけは
純粋な美しさを保っていて、透明に輝いている。

仲間への想いから、戦地で地元民を無差別に5人射殺した主人公。
その後の浮浪者生活で仲間だった少女、イザベルを殺した金融マンを
階上から地面に突き落として復讐を果たす大馬鹿者。

明らかな、犯罪者。

それでも彼の気持ちに共感してしまうのは、
これが『ファンタジー』だから、なのかな。

ラストでは、法の網という現実が彼に追いつこうとしてたけど、
そのまま逃げても、逃げなくても、夢は終わりを告げていたんだな。

つまの間、主人公と夢を共有していたのが、シスター・クリスティナ。
街での奉仕活動でが主人公との出会いのきっかけ。

彼女はバレリーナになりたかったけど、父親の意向で体操選手に。
しかもコーチのセクハラに何度も遭い、18回目にして反撃。
首を切りつけて、･･･殺害だか重傷だか分からないけど。

で、修道女に。

2人とも世に見せているのは表向きの姿で、
内には人には知られたくない過去を抱えている。

彼女に真紅のドレスを贈る主人公に、着てくる彼女。
しかも、空きっ腹に飲み過ぎで、酔っ払いモードの場面。

修道服とは全然違う雰囲気がいいねぇ。
それを見守る主人公もいいねぇー。

10月1日までの限定の夢。

その日は、主人公が勝手に間借りしていた部屋の持ち主の帰国日。
この頃は、浮浪者生活から抜け出して中国マフィアの用心棒として
活躍してたっけね。

あと、シスターの生涯唯一の贅沢、500ドルのボックス席の購入可能日。
もうその１席しか残っていないプレミア引退公演。

＊＊＊

っと、当日はここまで書いて力が尽きてしまったらしい（苦笑）。

感動をなんとか文字にしておきたかったけど、
もう逃げてしまった感、満載。

ストーリーの善悪の曖昧さが一番のウリで、そのことについてうだうだと
書きたかったけど、もう無理だわ…。

この作品のもうー1つのウリは、ジェイソン・ステイサムの役者としての魅力が
満載だってこと。

まず、コスプレだけでとっても豪華。
最初は、スキンヘッドで軍服姿。
次に、ボロぼろの服装に、ヘロヘロの長髪で、
無精髭もあったっけな浮浪者姿。

ね、長髪ですよ。
なかなか見られないコスプレっぷり。
（彼に関しては、コスプレですよ、ね？）

そして、無断侵入した部屋の主が半年ちょっと出張という
ことが判明して、彼に家を借りてるゲイのモデルになりすます。
ここで、茶色いロングコートなんか着こなしてたっけ。

あと、スウェットっぽい姿もあった気が。

ここで髪の毛を剃っただけっで格好良さが5倍増しになるんだ。
そうなるのは彼くらいだろうよー。

で。

ここで、中国マフィアの目に止まって、バイトでやってた
シェフの姿から、黒スーツのマフィア仕様に。

も、ここからは問答無用に素敵♪

あ、偶然すれ違ったゲイの隣人に「ゲイなの？」とー聞かれて、
「最近は興味があるんだ、…修道女に」な会話も最高。

あと、離婚した妻と暮らしている娘に贈る為の写真に残った
屈託のない笑顔。これもポイント高いよー。

あー、もう１回観たかったなー。
ステイサムの魅力だけじゃないのよ、この作品は。