moving （movies and musicals）コミュの二都物語【1】2013/7/19 18:00-

A Tale of Two Cities 2013/7/19 18:00- 帝国劇場

チャールズ・ディケンズ

ジル・サントリエロ

鵜山仁

前田文子

西野淳

シドーニー・カートン/井上芳雄
チャールズ・ダーニー/浦井健治
ルーシー・マネット/すみれ
マダム・ドファルジュ/濱田めぐみ
ドファルジュ/橋本さとし
ドクター・マネット/今井清隆
バーサット/福井貴一
ジュリー・クランチャー/宮川浩
サン・デヴレモンド公爵/岡幸二郎
ストライバー、ダーニーの父親/原慎一郎
ジャービス・ロリー/原康義
ミス・プロス/塩田朋子
安部誠司（クランチャーの相棒）
奥山寛
さけもとあきら（クランチャーの相棒）
管谷孝介
武内耕（ロンドンの主任検事）
谷口浩久（ガスパール）
寺元健一郎（死んだ女性の弟）
松澤重雄（ガベル）
溝渕俊介
森山純
山名孝幸（ダーニーの独房の看守）
横沢健司
石原絵理
岩﨑亜希子（大道芸人（マリー役））
樺島麻美
河合篤子
木村帆香
保泉沙耶（お針子クローダン）
真記子
三木麻衣子
やまぐちあきこ

チャールズ・ディケンズの名作『二都物語』。
フランス革命期の動乱に翻弄される3人の男女の人生と愛を壮大に描き、
全世界での発行部数は2億冊を超える。
この偉大なる小説がアメリカでミュージカル化されたのは2007年。
翌年にはブロードウェイに進出、そしていよいよ、満を持しての日本公演が実現！

公演回数では3回目。
自分としての初日。

１階S席真ん中程の列で観たら、『この演出だったらクリエで観たいよね』と
思ってしまいました。
舞台セットがシンプルだから、中途半端に前の席だと、目の前に壁と人が
いるだけって構図になってしまい、なんて空間を無駄遣いしてるんだ！と
思ってしまったのです。

この数日前までクリエで舞台を観ていたから自然と視界が狭くなっていた
というのもあるのかもしれないけど。

それでも、さすが帝劇ならではの空間使いに感心したのがラストシーン。
階段を上へ登っていくシドニーに星が降り注いでいるだけでなく、自分の席まで
星の光が降り注いでいるような感覚を味わえたのは、この回のみ。
これは凄かった…。

あと、不満だったのは、繊細な表情の演技をじっくりと楽しみたい場面が多いのに、
役者は広い舞台の奥の方にいるということ。
ま、これは２回目からオペラグラスを使いこなすことで解決しました。

あと、役者のバランスが悪いかな、とも感じたな。
ヒロインの存在が希薄で、革命家のおかみさん（マダム・ドファルジュ）が強過ぎ。
個々で観るとそれぞれ良いんだけど、全体のバランスがちょっと問題あり？
（これも、そのうち慣れてしまいましたが。）

良かったのはアンサンブルかな。
最初の場面と回想場面に出てくる姉を殺された少年（寺元健一郎さん）とか、
お針子さん（保泉沙耶さん）とか。
２幕冒頭のピエロの格好の踊り子達も、印象に残ったし。

脇を固める人達もそれぞれ個性的で存在感あり。

フランス革命の時代でのパリも舞台の１つだから、結構血みどろな展開。
･･･ってのもちょっと疲れた。

シドニーを巡る繊細な人間関係と荒々しい革命行動が作品の双璧だけれども、
このバランスの悪さを感じたのがこの日。

ルーシーを巡るシドニーとダーニーの繊細なやりとりで心をふわっとさせてると
革命場面でぐさぐさと心臓をえぐられる感じ。
彼らから見れば『敵』である民衆たちの苦難や行動もしっかりと描かれるだけに
どちらにも心を寄せたい部分と受け入れられない部分があり、どっちつかずの気持ちに。

パリとロンドンの空気感の違いも初回では分かりにくかったなぁ。
舞台の多きな壁が赤だったらフランスで白だったらいぎりすというのが基本コンセプトと
分かったのは、２回目からだったかと。
（こういうのも中途半端な前方席だと分かりにくい･･･。）

初回は、「あと何回か観るんだよな･･･」という気分で終了しました。
つまらない訳では決してないけど、面白味にも欠けるなって感じでした。