moving （movies and musicals）コミュのルドルフザ・ラスト・キス

ルドルフザ・ラスト・キス　2012/7/23　帝国劇場

デヴィッド・ルヴォー

フランク・ワイルドホーン

ルドルフ/井上芳雄
マリー・ヴェッツェラ/和音美桜
ステファニー/吉沢梨絵
ターフェ/坂元健児
ラリッシュ/一路真輝
フランツ・ヨーゼフ/村井國夫

＜男性アンサンブル＞青山航士／島田邦人／杉山有大／照井裕隆／中島康宏／
原慎一郎／ひのあらた／松澤重雄／港幸樹／村瀬美音／山名孝幸
＜女性アンサンブル＞岩﨑亜希子／大月さゆ／樺島麻美／後藤藍／鈴木結加里／
保泉沙耶／舞城のどか／美鳳あや／望月理世／柳本奈都子／やまぐちあきこ

観たのは７月か。かなり昔だな（苦笑）。

トークショー付きの公演のチケットが残っていたので、
その回に行きました。

全体的な感想。

ストーリーはどうしようもなく単純だなと。
だから、その細部を楽しむ作品なんだろうな、と。

ルドルフは適度に薄汚れて、良い感じ。
まぁ、あまり好みではないのは確かだが。

マリーは天使とも悪魔とも、軍神マルスとも思えたり。
歌がさすがの響きっぷり。Ｂ席なら見た目も申し分ない。
（Ｓ席では観てないので、判断不能）

ラリッシュは立ち姿自体に華があるなと。
ご本人はトークショーで全否定していましたが、
やっぱりお母様（シシィ）に見えてしまう。

ターフェは、初演とは全く違ったキャラになってて
面白かった。キャストが交代しからなー。
今回は地味な大臣で、実務型な印象。
抜け目がなくて、押さえるべきところを分かっていて、
味方につけると頼もしいけど、敵には回したくないタイプ。
トークショーで言っていた通り、悪人ではないというのには納得。
自分の職務を忠実に果たす役割。
ある意味、時代劇にもでてきそうな感じで。

ルドルフに対して少しの温情も示さないのは、
それなりに彼の実力を認めていたのか、
それとも性格が合わなかったのか。
（･･･後者の気がするがｗ）

ルドルフは酒とタバコに溺れている割にスマートなのが解せない。
もっと不摂生が体型に現れても良さそうな。
でも、一応プリンスだしね。
主人公としての魅力はほしいしね。
でも、タバコ吸いながら歌って･･･どうなのよ。

衣装や舞台は初演よりシンプルになって
統一感が取れていて素敵だったかなと。

赤が前時代・青が次世代を象徴する色
そして白は当然敗北の色ってところかな。
で、敗北＝不幸ではないところ。

ルドルフは時代を読み間違えていたのかな？
そういうことはないんだよね。
でも、時流をつかみ取ることには失敗したのかと。

理想だけでは、物事は動かない。
ルドルフがマリーとの結婚計画に失敗してからの
（ローマ教皇にお手紙～のとこ）堕落っぷりを観て、
本人に国を背負う者としての器がなかったのだとも。

この前映画で観たハワイの最後の王女と正反対だったな。
彼女は、それはもう、きっぱりと、男よりも国を選んだというのに。
彼女も時代の流れに逆らった王族のひとりではあるけれど、
地元民の選挙権を勝ち得て、民衆のために希望を残せたのに。

ステファニーは例えるなら源氏物語の葵の上。
彼女なりに愛してたんだろうけど
その愛情はきちんと伝わらずって感じで。

でも、彼女がどーしてあんな男を好きだったのか、
ちょいと疑問だったり。
マリーがルドルフを好きになるのは分かるけど、
ステファニーにとっては、ルドルフのどこが魅力的だったのだろう？
もう答えは闇の中だけれど。

アンサンブルさん達もお馴染みさんがちらほら。
きっちりそれぞれの立場をこなしていたなぁと。
一番目立ったのが青山さんかな。

音楽はギターの音が印象的だったな。
ヘビーメタルのような不協和音、主張ぷり。

トークショーの話。

司会者は素人さんだったけど、村井さんが盛り上げてくれて、
楽しい時間になりました。
両側の席の方に駄目出ししていましたねー。
「（他の役なら）ターフェをやりたい」と言った後に、
「こいつはまだまだ」と言ってたので、
「1800人の前でダメダシですかーっ!?」としょげる坂元さん。

その坂元さんは、前日の飲み会で披露した宴会芸を再現。
ライオン・キングのシンバが帝劇の舞台に登場しました。
ターフェ様の衣装のまま側転してみせた気概に惚れました。
「心配ないさ～」のが美声も。なかなか出来るものじゃないよねぇ。