星野×うさぎ同盟コミュの星うさ小説「夕焼けに染まる歌①」

またまた投稿&トピ立てすみません(T ^ T)
スターズ終了から星うさがくっつくまでの捏造ストーリーです。
しかも長編すみません（ｉ _ ｉ）
星うさ熱が全然冷めない私の完全な妄想です。
切ない本来の星うさファンのみなさますみません。私は何とかして星野君が幸せになる未来を作ります。

夕焼けに染まる歌①

～プロローグ～

う)「えぇ～、、、っと、、、。これは要るでしょお。これは要らないっと、
、、、。はぁー。しんど。こうお腹が大きいときちんと片付けも出来やしないわょ」

六月下旬。うさぎの出産予定日もあと一ヶ月を迎えていた。

現在はちまたで噂の

”広い庭のある、真っ白な三角屋根の大きなお家”

で、夫の星野と新婚生活＆妊婦生活を送っているうさぎだが、今日は実家の自分の部屋の荷物の整理をしている。

進)「なーにがきちんと片付けも出来やしないだよ。普段片付けなんかしない癖に」

う)「ちょ！？進吾！！部屋入る時はノックしてっていっつも言ってるでしょ！？」

進)「あのね、ここはもううさぎの部屋じゃないの。なのにいつまでたっても片付けに来ないから結局もうすぐ7月になっちまうし、、、」

う)「たとえ家を出たとしてもここはあたしの部屋なのー！！わかったら早く出て行きなさいよー！！」

進)「あっそ。お袋からうさぎを手伝えって言われて来たんだけど。重い荷物運べないだろ」

う)「え？そうなの？もぅ！！それを早く言いなさいよ！！、、、えとねぇ、、そのダンボール運んでくれるー？」

うさぎは大きなお腹を抱えてよっこらしょと立ち上がり、部屋の隅に置かれた重そうなダンボールを指差した。

進吾はよっと段ボールを持ち上げようとするが、重くて持ち上がらない。

進)「、、、何だよこれ、、。こんなの重くて運べないだろ、、、。」

進吾が、ダンボールに目をやると”本・雑誌”とマジックで書いてある。

進)「、、、どーせ漫画ばっかなんだろうけど、、、、、、。おい、うさぎ！漫画とか雑誌は目一杯入れたら重くて運べないから半分位で止めるのが常識だろ！？、、、ったく。」

進吾はダンボールに貼ってあったガムテープをベリベリと剥がす。

う)「ちょ！？何するのょ！！勝手に開けないでよー！！」

うさぎが進吾を止めようとするが、一足遅く、ダンボールは開かれてしまった。

進)「、、、、、、おぃ。何だよこれは、、、、、、」

ダンボールに入ってたのは、、、大量のテストの答案用紙。

進)「、、、15点。20点。、、、、、、おい！5点てなんだ！？てかこの中身全部赤点のテストじゃねーか！？」

う)「いやぁぁぁぁぁ！！開けないでって言ったのにぃぃぃ！！」

進)「一体何年分貯めたんだよ、、、。てかこんなの新居に持ってく気だったのかよ！？」

う)「だってぇ、、、ごみ箱捨てたらママに見つかっちゃうしぃ、、、。とりあえず新しいお家に持って行って、、そこで捨てようかと、、、」

うさぎはウニョウニョして俯いてしまう。

進吾はいくつになっても成長していない姉を目のあたりにし、ガックリと頭を下げる。

”こいつ、、、これで本当に母親になれんのかよ、、、”

進)「、、、。おい。うさぎ。荷物に割れ物とか壊れやすい物あるか？」

う)「へ？、、、んーと、、、CDとかDVDとか、、、」

進)「、、、じゃ、それらをこの答案用紙で包めば？新聞紙とか雑誌この前捨てたから家にあんまないし。丁度良いんじゃないの？そしたら向こうで捨てれば良いし。」

う)「進吾あったまイイ～！！★」

進)「、、、じゃあうさぎはさっさと包んでダンボールに詰めろよ。俺は運べそうな荷物から運ぶから。」

う)「ラジャー★★」

進吾ははぁーー、、、とため息をついて作業に入った。

あっという間に数時間が過ぎ、うさぎの部屋はベッドと勉強机以外の物がほとんどなくなり、こざっぱりとなった。

窓からは夕日がキラキラと差し込み始めている。

う)「うわー！さっぱりしたねぇ！」

進)「何とか今日中には終わったな、、、」

う)「なーんか体力使ったらお腹減っちゃったぁ！」

進)「お前は、、、！！俺がほとんど一人で運んだんだろ！？、、、、、、ん？」

進吾はベッドの下に落ちている何かに気が付き、身をかがめてそれを取る。

進)「うさぎ。まだ何かあんぞ。よっと。、、、、、、なんだこれ。ノート？」

ベッドの下に落ちていたのは、何処にでも売っている大学ノート。
進吾はペラペラっとノートをめくった。
そこには、数式や応用の解き方、または文章問題のコツなどが事細かに書かれた数学のノートだった。

おそらくうさぎが書いた物ではない、頭の良い誰かが書いたノートに違いないであろうと、、、進吾は察した。

ノートの表紙は綺麗な字で”数学Iと書いてある。

進吾が何気無く裏表紙を見るとそこには

1-B 星野光

と書かれていた。

進)「、、、、、うさぎ。これ、、、」

進吾はうさぎにそのノートを手渡すと、うさぎは一瞬切なそうな、、、少し憂いを帯びた顔をした。

しかし、それはほんの一瞬で、すぐに明るい可愛らしい笑顔を見せる。

う)「うわぁ！懐かしい～！何処にあったのコレ！」

進)「、、、ベッドの下」

う)「そっかぁ、、、。ずっと探してたんだけど、なかなか見つからないからそのうち忘れちゃったんだよね、、
、、、」

進)「それ、星野さんのだよな。うさぎ借りパクしたのかよ？」

う)「借りパクって人聞きの悪い、、、
。、、、まー、結果そうなったんだけど、、、」

”しょーがねーから俺様のノートを貸してやるよ。その変わり、おだんご、今からデートしようぜ！”

うさぎの中で、まだ幼い少年が蘇った。

夕焼けの中を二人で喧嘩をしながら歩いた帰り道。

辛い、悲しい事が多すぎたあの頃、、
少年がいつも自分に寄り添い、支えてくれていた。

居心地が良く、自分も少年と過ごす時間が唯一の拠り所だった。

少年と自分の気持ちに気づいていなかったわけではないが、気づかないフリをしなければならない事情があの頃の自分にはあった。

そして

”私たち、ずっと友達だよ、、、！”

別れの時も、二人は夕焼けの中に居た。

少年は少女の姿をしていたのが救いだったが、それでも思ってた以上に胸が苦しく、心が泣いた、、、。

隣に、ずっと会いたくて仕方なかった本当の恋人が居たのに、、、だ。

自分に嘘をついた別れ、、、、、、

恋人にも嘘をついていた一年半、、、

捨てられなかったノート、、、。

そして再会、、、、、、。

色々な人を傷つけ、涙して。それでも全てを投げ捨てても構わないと思いながら、握りあった手。

夕焼けの中で交わしたあの約束。

こざっぱりとなった自分の部屋から指す夕日と、突然出てきた懐かしいノートが、うさぎをあの頃へといざなって行く、、、、、、。

～夕焼けに染まる歌～

”私たち、ずっと友達だよぉ！！”

今も夢に出てくる、夕焼けに染まる貴方の切ない微笑みが、、、どうしてか、今も私の胸を締め付ける、、、。

ル)「、、、ちゃん！うさぎちゃん！起きて！朝よ！」

うさぎの部屋のカーテンがシャアアと開けられた。
うさぎがパチリと目を覚ますと、窓からは眩しい位の朝の光が差し込んだ。

うさぎは布団をバフっと被ってしまう。

う)「眩しいぃ！！ちょっとルナぁ！カーテンもう一回閉めてよぉ！」

ル)「何言ってるのうさぎちゃん！もう起きないと朝ごはん食べられないわよ！」

う)「、、、、、、ふわぁぁい。」

うさぎはモソモソと起き出して、ノロノロと高校の制服に着替え出す。

ル)「、、、珍しいわね。うさぎちゃん。最近は寝坊なんてしなかったのに、、、」

う)「んー、、、ちょっと夢を見てね、
、、、」

ル)「夢？」

う)「、、、、、、もう忘れちゃった！さぁて！今日の朝ごはんは何かなぁ★」

うさぎは元気よくパタパタと階段をおりて行ってしまった。

”うさぎちゃん、、、。最近は寝坊もしないし、あまり泣かなくなった、、。もちろん、大人になったから、、、っていうのもあるんだろうけど、、、。

世界は平和になった。
うさぎの恋人の衛は相変わらず留学中だが、それでも何ヶ月に一回は帰国してうさぎとも会っているし、何より月に二、三度は手紙が届いていた。

それなのに、、、、、、。

以前のうさぎだったら、衛と会える前日なんてはしゃぎまくり、あーでもないこーでもないと何時間もかけて服を選んでいたのが、最近はめっぽう大人しい。

衛がアメリカに戻る際も、泣いて困らせる事もなく、大人びた表情で微笑み、”手紙書くね”と見送るのだ。

そしてなにより

ルナは、うさぎが時々窓から夜空を見上げている時の、悲しい、、、切ない顔が気になった。

心の奥の奥が泣いているような、、、そんな気がしてならなかった。

”うさぎちゃん、、、貴女は何を見つめているの、、、、、、？”

ルナは、自分は何か大きなボタンの掛け違いをしているのではないのか、、
、、、。そんな気がしてならなかった。

美)「うさぎちゃんおはよー！！」

美奈子が元気よくうさぎに飛びついてきた。
美奈子を後を亜美とまことが追いかけるように歩いてくる。

う)「おはよー★美奈ちゃん亜美ちゃんまこちゃん！」

美)「ねーねーうさぎちゃん！今日放課後にレイちゃんも誘って駅前に出来た新しいケーキ屋さん行かない？なんでもレモンクリームタルトが絶品なんですってぇ！」

う)「あー、、、ごめんね。今日は駄目なんだぁ。、、、まもちゃんと会う約束してるの。」

うさぎ以外の三人はえ？っと顔を見合わせる。

ま)「、、、衛さん、帰ってきてるのかい？」

う)「あ、うん。一週間前にね。でも大学の先生に会ったりレポート書かなきゃいけなかったりで結構忙しいみたいでさぁ。今回も会うの二回目なんだけど、また来週に向こう行っちゃうの」

うさぎが少し切なくえへへ、、、と笑う。

亜)「、、そう、、、。淋しいわね、、、」

う)「んー、、でも仕方ない、、、かな。応援してあげたいし、、、。ごめんね。また誘って★あ、あたし今日は日直だから行くねー！」

うさぎはニコッと笑って一人パタパタとかけていってしまった。

三人はそんなうさぎを心配そうな目で見つめる。

ま)「、、、前のうさぎちゃんだったら、とっくに話してるよね。”もうすぐまもちゃん帰ってくるんだぁ★”とかって、、、」

まことがフゥと溜息をついて話す。

亜)「そうね、、、。あと、、、何だがうさぎちゃん、、、変わったみたい、
、、、大人びたって言うか、、、」

美)「、、、前にもあったじゃない。」

突然美奈子がピシャリと言い放ち、亜美とまことはビックリする。

美)「二人も覚えているでしょう？前にもあったわ、、、。そう。衛さんが音信不通だった時、、、」

頭の片隅にあった、でもなるべく考えないようにしていた、まさかという想いを突つかれ、まことと亜美は思わずギョッとした顔をし、俯いてしまう。

そんな想いを振り払うかのように、まことが思い切って口を開く。

ま)「で、でも！確かに遠距離には変わらないけど、前とは違うじゃないか！月に二、三度は手紙も来てるみたいだし、第一、衛さんも半年に一度は帰って来てるじゃないか！それに、、前は一人の時は随分泣いたりしてたみたいだったけど、あたしらの前では明るい無邪気なうさぎちゃんで、、、、、、っ！」

言いかけてた言葉を最後まで言う前で、まことは思わず口を右手で押さえ、黙ってしまう、、、。

亜)「そう、、、、。前は私達の前ではいつもの変わらないうさぎちゃんだったわね。だから私達は見過ごしちゃったんですもの、、、」

美)「、、、でも今は、あたし達の前でさえも隠せてないって事よね。」

まことは口を押さえたまま何かを深く考えているようで動かない。

美)「では問題でーす！」

そんなまことを真っ直ぐ見据えて、美奈子は少しイタズラっぽい口調で喋り出す。

ピンっと人差し指を立てながら。

美)「前の方が条件が最悪だったのに、うさぎちゃんが普段は明るく振る舞えてたのは何故でしょーか！」

ま)「、、、美奈ちゃん」

美)「、、、、、、あの時あのうさぎちゃんにいつも寄り添って、うさぎちゃんを支えてたのは誰だったで、、、っ」

ま)「美奈ちゃん！！」

　

美奈子の言葉をさえぎり、まことは思わず大きな声をだしてしまう。

ま)「、、、ごめん。でも、、、美奈ちゃん、、、それは、、、」

亜)「、、、一年半。」

ま)「え、、、？」

亜)「うさぎちゃん、一年半前から変わったのよ。、、、補習とかで帰るのが遅くなった日は必ず屋上に行くようになった。」

ま)「、、、亜美ちゃんまで、、、、何を、、、っ」

美)「、、、今日の放課後は予定通りケーキ屋さんに集まりましょ。レイちゃんに連絡しておくわ。、、、皆で話さなくちゃね」

それまでの真剣な眼差しとは打って変わり、美奈子は茶目っ気たっぷりにウインクした。

ちょうどその時に予鈴が鳴った。三人は急いでそれぞれの教室へと向かった。

放課後、、、、、、。

美奈子、亜美、まことは駅前に新しく出来たケーキ屋さんに来ていた。
さすがOpenから間もない話題の店、、、店内はカップルや女子高生、女子大生でごった返していた。

美)「あ！いたいた！レイちゃーん！」

先に到着していたレイは四人分の席を確保し、既にコーヒーをすすっていた。

レ)「遅ーい。呼び出しておいて席取りさせたんだから、三人でレモンクリームタルトおごってよね！」

美)「もちろんOK！すいませーん！レモンクリームタルト四つー！」

美奈子は大きな声で注文した。

それぞれ飲み物も頼み、四人はレモンクリームタルトをつついた。

噂通りの絶品で、あまりの美味しさにまことが店員にレシピを聞いたほどである。

タルトもなくなりテーブルには四人の飲み物だけになった。

コーヒーをすすり、フゥっと一息ついたレイはが口を開く。

レ)「そろそろ本題に入りましょ。メール見たわ。、、、で？ようするにうさぎが星野君を好きで、彼を忘れないって？」

まことはブーッ！っと飲んでいたローズヒップティーを吹いてしまい、向かいに座っていた亜美にかかってしまう。

亜)「まこちゃんヒドイわ、、、っ」

ま)「ご、ごめんっ、、、！！当たり前に言っちゃったからビックリして、、
、、、っ！」

まことはハンカチを出して亜美にかかったお茶を拭く。

美)「そうっぽいのよねー。衛さんが帰って来てるらしいんだけど全然嬉しそうじゃないってゆーか、、、。亜美ちゃんが言うには時間があると今でも屋上でボーっとしてるみたいだし」

まことの反応を他所に、美奈子はグレープフルーツジュースをストローですすりながら答える。

美)「、、、前はさー、衛さんと音信不通で、もちろん不安とか寂しさとか隠してたんだけど、、。ってか気づかなかったあたしらが駄目なんだけどさ、そんなうさぎちゃんに星野君だけが気づいたじゃない？うさぎちゃんを星野君がずっと影に日向に支えてたワケじゃない？、、、うさぎちゃんだってぶっちゃけ惹かれてたじゃん実際。」

美奈子は言いながらグラスの中の氷をツンツンしする。

レ)「、、、まぁ、薄々思ってはいたけど、、、。普段はヘタレの癖にこーゆー時は頑固なんだから。」

ま)「、、、うさぎちゃん、優しいからな。自分の気持ちとかよりも、、、この星の事とか、、、重く考えちゃってるんだろうな、、、」

レ)「、、、だからヘタレだって言ってるのよ」

レイは珍しく行儀悪く、カップをガチャンと置いた。

レ)「じゃあ何？うさぎは好きな人を諦めて決まった人と結ばれなきゃいけないの？この星のために？それが宿命だって言うの？、、、馬鹿馬鹿しいったらありゃしないわよ」

ま)「レイちゃん、、、」

亜)「、、、私もそう思う」

亜美ちゃんニコッと笑って答え、他の三人はビックリする。

亜)「、、、確かに、この星を見守り、幻の銀水晶を守る事がうさぎちゃんの宿命だわ、、、。でも、だからって全てを犠牲にするのなんておかしいわ。
それに、、、どんな宿命があったって、うさぎちゃんは一人の女の子でしょう？」

レ)「、、、私さ。」

突然レイが空気を変えるような声を発した。

レ)「、、、星野君と一緒に居る時のうさぎ結構好きだったのよね。」

ま)「、、、、うん。楽しそうだった。なんか、、、普通の、、、恋人同士みたいで、、、」

言いながら、まことは泣きたい気持ちになった。

ま)「、、、あの時、、、うさぎちゃん、、、どんな気持ちだったのかな、、、。」

思い出されるのは、あの別れの時の夕焼け、、、、、、。
茜色で隠された、、、二人の切ない表情を、、、まことは考えずにはいられなかった、、。

美)「、、、どっちにしろ、、、どうにかしてキンモク星にコンタクト取らないと始まらないのよね、、、。ルナに相談してみましょ。」

少女達の決意は一つだった。

大切な、、、自分達の親友を助けたい。

思いはそのただ一つだった