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超初心者のための司法試験の会コミュの非典型担保

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概観
譲渡担保
売渡担保
仮登記担保
所有権留保
代理受領

コメント(15)

民法上の法定担保物権、約定担保物権だけでは、取引社会の要請に十分応えることはできない。たとえば、動産を設定者の下にとどめながら金融を得る方法は、抵当権が動産に設定できないこと、質権が占有を質権者に移転しなければならないことから、民法の規定では対応できないため、非典型担保として認める要請がある。

<非典型担保の3タイプ>

1.予め目的物の所有権を移転しておくタイプ(広義の譲渡担保)

消費貸借上の債権が存続:譲渡担保(狭義の譲渡担保・主に動産)

消費貸借上の債権が存続しない:売渡担保(買戻し、再売買の予約)

2.弁済のない場合に、所有権が移転するタイプ

仮登記担保

3.所有権を売主に留保しておくタイプ

所有権留保
<譲渡担保>

・動産につき、抵当権と同じような担保を設定すること(動産抵当を実現する)。

・法形式上所有権を移転することによって担保とし、信用授受を債権債務の形で残しておく。

・不動産についても、抵当権の複雑な手続を回避するために、譲渡担保を設定することがある。

<従来の問題点>

・譲渡担保は売買の形をとっているが、真の売買目的ではなく、担保目的に過ぎないため、虚偽表示になるのではないか。

・占有改定で質権を設定しているようなものではないか(質権の要物性の脱法行為になるのではないか)。

・明文のない物権を認めることは、物権法定主義(175条)に反するのではないか。

現在は、経済社会における現実的必要性から、慣習上の物権として認められることに異論はない。
<譲渡担保の法的性質>

担保的構成(抵当権説)

所有権は設定者に残存し、債権者は担保権を有するにすぎない。

理由:
担保としての実質を反映させるべきである。

批判:
あまりに外形とずれ、担保権としての公示に欠けるので、対外的関係でもこの構成を貫きうるか疑問。

cf.所有権的構成(判例・かつての通説)

第三者に対する関係では、目的物の所有権は、債権者に移転する。
しかし、当事者間の内部的関係は、以下の2種に分けられる。

1.外部的に飲み所有権が移転する(弱い譲渡担保)
2.内外ともに所有権が移転する(強い譲渡担保)

理由:
債権者に所有権が移転するという形式に注目しつつ、債務者にも何らかの権能が残っていることを、法的構成に反映させることができる。

批判:
弱い譲渡担保と強い譲渡担保は、内部的所有権の所在についての区別であるが、内部関係は基本的に当事者間の合意によって決まることであり、しかも、譲渡担保である限り、いずれも完全な所有権者ではありえない。したがって、所有権がいずれかに帰属するという形で処理しようとする構成に無理がある。

cf.折衷的構成(二段階物権変動説)

目的物の所有権は、一応債権者に移るが、設定者のもとには、「所有権マイナス担保権」という物権的権利(設定者留保権)が残っており、いわば所有権が両者に分属する。

理由:
所有権移転の形式を尊重しつつ、担保としての実質を考慮する。

批判:
動産譲渡担保の場合は、設定者のもとに占有が残るので、留保が認識しやすいが、不動産譲渡担保の場合は、設定者流保険が公示されず、動産の場合に比して不均衡である。
<譲渡担保の成立>

約定担保物権であるから、契約によって成立する。

<対抗要件>

動産:引渡(占有改定も含む。)
不動産:登記

* 動産の対抗要件、引渡には占有改定も含まれるが、公示性が弱いことから、さまざまな問題が生じる。

他人物について譲渡担保を設定した場合、債権者は即時取得の要件を満たせば、即時取得できる。
ただし、通常は占有が設定者のところに残ったままであるから、占有改定による即時取得を否定する説からは、即時取得はできないことになる。
<譲渡担保の対内的効力・譲渡担保権者と設定者の関係>

・設定者は、抵当権同様、使用・収益を続けられる。特に、動産において、メリットがある。

・被担保債権の範囲は、設定契約で決まる。

・目的物の範囲は、付加物、従物、従たる権利、それぞれ抵当権と同様の議論が妥当する。

・物上代位の規定(304条)の趣旨が及ぶことも、肯定されている。

・譲渡担保権者は、債務者の破産宣告後も、物上代位権を行使できる。
<清算の方法>

譲渡担保は担保権の一種であるから、優先権が認められるが、優先弁済を受けるには、2つの方法がある。

1.処分清算型

債務不履行が生じたときに、目的物を売却して、その売却代金から優先弁済を受けるという方法をとらなければいけないパターン。

2.帰属清算型

債務不履行が生じたときに、担保目的物を直接、譲渡担保権者が自己の所有物にして、優先弁済を受けたことにするパターン。

・清算義務

いずれの方法であっても、譲渡担保権者には清算義務があるため(判例)、目的物と被担保債権の差額は、清算金として設定者に支払わなければならない。

被担保債権が80万円のときに100万円の機械について譲渡担保権を設定した場合、80万円の被担保債権の弁済がなされないからといって、100万円の機械を譲渡担保権者が取得してしまうことは許されず、差額の20万円の清算金を支払わなければ目的物を引き渡してもらえない。

(清算金の支払と、目的物の引渡は、同時履行の関係(引換給付の関係)に立つ。判例)

譲渡担保権者は、設定者から上記引渡ないし明渡の債務の履行の提供を受けるまでは、自己の清算金支払債務の「全額」について、履行遅滞による責任を負わない。
<受戻権>

債務者が、弁済期が到来しても借金が返せない時、譲渡担保権が実行されてしまうが、その実行前に、被担保債権の全額を支払うことにより、目的物を取り戻すことができる。これを、受戻権という。

1.処分清算型の場合

債権者が目的物を第三者に処分するまでの間は、受け戻すことができる。

2.帰属清算型の場合

債権者が債務者に対して清算金の支払or提供をするまでの間は、受け戻すことができる。

* 受戻権は、処分清算型か帰属清算型かを問わず、債権者が目的物を第三者に処分してしまうと、当然に消滅する。
第三者が、たとえ背信的悪意者であっても、受戻権は消滅する(判例)。
<譲渡担保の対外的効力・譲渡担保の当事者と第三者の関係>

・譲渡担保の設定者が、目的物を第三者に譲渡した場合。

所有権的構成:

目的物の所有権は譲渡担保権者に移転しているので、設定者が処分した場合は、「他人物売買」となる。
したがって、譲受人は、即時取得によって保護されない限り、所有権を取得できない。

担保的構成:

設定者の下には、譲渡担保の負担付の所有権が残っているため、第三者は、「譲渡担保の負担付の所有権」を譲り受けることになる。
第三者が譲渡担保の負担付であることについて善意無過失であった場合には、即時取得(原始取得)の規定によって、譲渡担保の負担のない権利を取得することができる。

・債務者の一般債権者が、譲渡担保の目的物を差押えてきた場合。

所有権的構成:

譲渡担保権者は、自らの所有権に基づいて、「第三者異議の訴え」(民執38条)を主張することができる。
第三者異議の訴えとは、強制執行がなされた場合、それは債務者の所有物ではなく、自己の所有物であるから、強制執行をやめてくれと異議を申し立てる制度。
すなわち、所有者が主張することのできる権利である。

担保的構成:

譲渡担保権者は、担保権しか有していないので、本来、第三者異議の訴えは提起できないはずであるが、現行法上の規定がないため、便宜上、第三者異議の訴えを使うしかない。

・譲渡担保権者が、目的物を処分してしまった場合。

所有権的構成:

完全に有効な売買となる。

担保的構成:

他人物売買となり、譲り受け人は、192条、94条2項類推適用などによって保護されるのみ。

・譲渡担保権者が、弁済期到来後に、目的物を第三者に譲渡した場合。

処分清算型:

第三者への処分となり、受戻権は消滅する。

帰属清算型:

第三者への処分によって、当然に受戻権は消滅する。

・譲渡担保権者が、弁済後に、目的物を第三者に譲渡した場合。

所有権的構成:

被担保債権を債務者が弁済したのであるから、本来、目的物は設定者のもとに戻されるはずであるが、譲渡担保権者がそれを第三者に譲渡下のであるから、譲渡担保権者を起点とした、債務者への復帰と、第三者への譲渡の、二重譲渡の関係になる。
第三者が背信的悪意者でない限り、設定者は所有権を第三者に対抗できない。

担保的構成:

譲渡担保権者は所有権を有しないから、譲り受け人は、192条、94条2項類推適用などによらない限り、所有権を取得しえない。
<集合的譲渡担保>

・譲渡担保権も物権であるため、目的物は特定していなければならないが、流動動産は、目的物が変化するため、特定されないのではないかが問題となる。

「種類、所在場所、および量的範囲を指定するなど、何らかの方法で、目的物の範囲が特定される場合」には、1個の集合物として、譲渡担保の目的物となりうる。

<集合的譲渡担保と、動産売買先取特権との優先関係>

有力説

譲渡担保権は、質権と同様の優先権をもつ担保物権であるが、動産売買の先取特権と質権の優先関係は、質権が優先する(334条・330条)。
動産売買の先取特権は、消滅するのではなく、質権と同視されるところの譲渡担保権に劣後するだけである。

cf.判例

動産売買の先取特権について333条を適用し、譲渡担保権を設定するということは、第三者への引渡しにあたるから、先取特権の追及効が消滅し、譲渡担保権のみが効力を有する。
すなわち、所有権的構成をとり、占有改定による引渡しがあれば、333条の引渡の要件が満たされる。

批判:
動産売買の先取特権が消滅してしまうのは、先取特権者にとって酷である。

* 有力説によると、目的物を売却して、譲渡担保権者が被担保債権の弁済を受け、なお余剰が出た場合に、先取特権者の弁済にも充てられるが、判例によると、333条によって先取特権は消滅してしまうので、譲渡担保権者が優先弁済を受けた後に余剰が出ても、先取特権者の救済には充てられなくなってしまう。
<集合債権譲渡担保>

現在の債権および将来発生する債権群を、一括して譲渡担保の目的とするもの。

債権譲渡の方式による。

目的債権の内容、金額等が定まらず変動的であるため、集合物譲渡担保と同様、範囲の特定という問題がある。

「他の債権から識別できる程度に特定されていれば」、特定されていると言える。

識別は、「債権者・債務者の特定」、「発生原因を特定の商品についての売買取引とすること」によって可能。

譲渡目的債権の確定時点は、「債権譲渡の予約完結の意思表示がなされた時点」で、確定されていれば足り、予約締結時に必ずしも確定している必要はない。

集合債権譲渡担保の設定通知には、467条2項の方法による第三者対抗要件としての効力が認められる。
<売渡担保>

買戻し:

ひとたび行った「売買契約を解除」することによって、目的物を取り戻すこと(579条以下)。

再売買の一方の予約:

「2度目の売買」の予約をすること。

* 譲渡担保との違いは、これらには債権債務関係が残らない(被担保債権が存続しない)こと。
<仮登記担保>

担保のために、仮登記を利用して行う、「代物弁済予約」と「売買予約」を総称したもの。

代物弁済予約:

債務者が債務の履行ができなくなったとき、その本来の給付に代えて、他の給付をすることを、あらかじめ約しておくこと。

停止条件付代物弁済予約:

債務者が期限までに元利金を弁済しなければ、当然に、債務者所有の不動産を債権者に移転するという契約。

売買予約:

債務者が債権者から金員を借りる際、債務者所有の不動産を債権者に売るという予約をし、その代金は借金相当額と約しておく。
債務者が借金を返済できない場合には、売買予約の完成により、債権者は目的物の所有権を取得し、債権者の債務者に対する貸金債権でもって、債務者の債権者に対する代金債権と相殺する。
<譲渡担保と仮登記担保の異同>

所有権を移転するという形式において共通する。

譲渡担保:

設定契約に際して、所有権移転の本登記も済ませ、債務不履行の場合には、目的物を換価して弁済に充て、任意に弁済された場合には、目的物を返還する。

仮登記担保:

債務者or物上保証人(仮登記担保権設定者)に所有権を留保したまま、債務不履行を要件とする予約完結権の行使、あるいは、債務不履行と言う条件成就により、所有権などを債権者(仮登記担保権者)に移転させる。
<所有権留保>

売主が目的物の引渡しを終えたにも関わらず、代金を完済するまでは、目的物の所有権を売主に留保しておく制度。

典型例)自動車を割賦販売で購入する場合。

・法的性質

所有権的構成(譲渡担保との違いに注意)

売主は目的物の所有権を留保しているため、当該目的物が転売された場合でも、所有権に基づいて、第三者から目的物を取り戻すことができる。

第三者は、目的物を即時取得しない限り、保護されない。

cf.担保的構成

・ディーラーDが、所有権留保の基づいて自動車をサブディーラーSに倍角氏、Sが消費者Uに自動車を販売し、代金も支払われたが、Sが倒産した場合、DはSから売買代金を回収できなくなるが、留保した所有権に基づいて、DはUから自動車を取り戻すことができるか。

原則できるが、Sの倒産の危険をUに転嫁するのは公平でないという価値判断から、例外的に、Dの所有権に基づく返還請求が、権利濫用(1条3項)であると判断される場合には、DはUに返還請求できない。
<代理受領>

BがAから融資を受ける際、BがCに対して有する債権の取り立てないし弁済の受領を、Aに委任する方法。

AB間の委任契約だけでは、Bが勝手にCから取り立てたり、Cが自発的にBに弁済することを阻止できない。

そこで、Aのみが取り立てないし弁済の受領をする(代理受領権原を有する)ことについて、Cの承諾を必要とする。

・CがBに弁済した場合

Cが承諾することは、正当な理由なくAの利益を侵害しない趣旨を含むので、CのBへの弁済によって、Cに不法行為責任が発生する。
(Cの担保関係に対する義務違反として、債務不履行責任が発生するとする立場もある。)

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