久木野聡☆Cookies16☆コミュの【7/15ナビスコvs甲府レポ】

すっかり今さらですが，オフ期間中ということでのんびり書いてみます。


台風が逸れたものの，小雨と風が舞う国立。
予想通りクッキーもスタメン。
だが，この日は初の左サイド，しかもまたもやおかしなフォーメーションだ。

　　　ジュニ　　テセ
久木野　　谷口
　　　　原田　落合
伊藤　寺田　　箕輪　森
　　　　　　相澤

４−２−２−２？４−２−１−３？いや，どちらでもない。
４−２−１−２の左サイドに仲間はずれのようにポツンと立っている。
左右非対称なのだ。

関さん・・・な，なんて微妙な。。。

自らバランスを崩したような妖しげなフォーメーションを見て，嫌な予感がスタジアム全体を覆うかのように襲ってくる。

まあ，狙いは分からないでもない。関さんの判断は「オープンスペース」がキーワードということか。
味噌ッカスのようにゲームに一切関わっていないような雰囲気。だがそんなフリをして，オープンスペースから個人で一気に仕掛ける。

早速そんなシーンが訪れる。プレー全体を右サイドに引っ張りながらフリーの久木野へ大きくサイドチェンジ。そのままドリブルで仕掛ける。そしてクロス。ゴールにこそならないものの，効果的に裏を取った攻撃が続く。
これは，初ゴールいけるか？？？そんな期待が高まるが，懸念材料も少なくない。

全体が右に寄せていることでユースケの攻撃力を完全に殺し，そして何よりもパサーの不在，中盤の薄さで支配しきれない。

そんな間にまたもや須藤に絶対に奪われてはいけなかった先制点を奪われる。相澤，普通のＧＫなら取れてるぞ。。。再三に渡る相澤の珍プレーにはがっかりだ。前戦に引き続きＧＫの差が露骨に出た。

トップ下として機能していないながらも谷口が同点ゴールを決めるが，雰囲気は良くない。不安定な状態は続く。

後半に入ると完全に甲府ペース。
運良くセットプレーから谷口が体ごと押し込みリードを奪うも，ペースは変わらず須藤に２戦で５点という記録的なゴールを決めれられる。

前戦後の監督のコメントでは須藤対策が一番に挙げられていたが，一発目が事故だったにしても，これだけフリーではどんな対策をしたのか全く持って不明だ。

ちぐはぐな時間が流れる。時に落合と原田が同時に攻撃参加するなど，あり得ない状況が多々起こる。おいおい，これがプロのプレーか？

左サイドに張っていた久木野も，ディフェンスに引っ張られる。
まだ９０分走りきる力のない彼は，振り回されてピッチ上の迷子。自分のポジションを見失い，もはや戦力ではなくなっていた。
もう見ていられない，早く黒津に替えて欲しい。

大橋が入って，きっかけらしきものが見え始めた。
谷口はやはりボランチの位置にいるべき。

そして，井川がフロンタに来て最高のプレーと言われた右サイド突破を経てテセがやっと結果を出す。諦めかけていたサポも盛り返す。辛うじて，延長への道を開いた。

その延長は一進一退。
だが，パサーの大橋が入ったことで，不用意に奪われてのカウンターは減った。
甲府はランニングサッカーのチーム，延長に入れば疲労も限界に近づく，すなわちチャンスはきっと訪れる。

そしてその時が来た。完全に余裕を持って受けた大橋がノールックから黒津へ。落ち着いて流し込みついにリードする。

３ボランチに変更し，ようやく中盤を支配。完全にフロンタペースとなった。

だから言ったでしょ？最初から３ボランチで行けって

そして歓喜の時。スタンドも大騒ぎだ。

だが，私にはこのとき別の感情があった。
それは，210分全力で走り抜いた甲府の素晴らしいサッカーへの賞賛。

あと一歩及ばなかったが，魅力ある全員サッカーだった。
延長のラストの決定的なシーン，抜け出たジュニを倒し退場となった杉山のタックル。決してフェアなプレーではないが，あの瞬間の彼の心の声が聞こえた気がした。

「あとは頼みます！」

これで勝っても準決勝は出れない。最後の可能性に賭けて願いを仲間に託す，フォア・ザ・チームの精神。運動量の落ちない藤田・石原の中盤，５ゴールと気を吐いた須藤，攻めのサッカーを貫いた大木監督。
フロンタの歌が響く中，独り甲府の選手とサポーターに心から拍手を贈った。


にしても，これで良く勝ったものだ
これでケンゴとエイジが帰ってくる。ダメなりに勝ち抜いたことは評価したい。


さてさて，だいぶ苦しい経験をしたクッキー。
だが，必要な経験はたっぷり積めたはずだ。

いよいよＪ後半戦が始まる。
ケガから戻ってくるであろうマギヌンと，ここに合わせてきたフランシスマールが合流してもメンバーに残れるだろうか？
8/11AWAY千葉戦，そのベンチ入りメンバーが発表された時，監督のここまでの彼への評価が示されるだろう。