NY株式市場コミュの商業用不動産融資焦げ付き問題への懸念深刻

2009年10月15日(木)
アメリカ景気、世界景気の次の爆弾材料を確認しておきましょう。
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米金融監督当局者の商業用不動産融資焦げ付き問題への懸念深刻、
議会公聴会で対応主張　（ロイター）

米連邦準備理事会（ＦＲＢ）や米金融監督当局の高官が１４日、上院銀行委員会の小委
員会が開いた公聴会に出席し、銀行に商業用不動産ローンの再編を求めた。

出席したのは、連邦準備理事会（ＦＲＢ）のタルーロ理事、連邦預金保険公社（ＦＤＩＣ）のベアー総裁、通貨監督庁（ＯＣＣ）のデューガン長官など。米当局が現在、銀行が抱える商業用不動産融資の含み損の会計処理に関する指針がまとまりつつあると証言した。　タルーロＦＲＢ理事は「最近ある程度前向きな兆しがみられる一方、金融システムは依然として脆弱（ぜいじゃく）だ。商業用不動産など、問題を抱える主要部門は依然として存在する」と指摘。他の出席者も同様な懸念を表明、デューガンＯＣＣ長官は、銀行が直面している「最大の試練」は商業用不動産と指摘、ベアーＦＤＩＣ総裁は、商業用不動産が向こう数四半期にわたり銀行にとって最も顕著なリスク要因との認識を示した。

　＜商業用不動産融資の焦げ付き急増＞

　ベアーＦＤＩＣ総裁によると、６月時点で商業用不動産融資残高は１兆ドルを超え、銀行業界全体の融資・リースの１４．２％を占めるという。　タルーロＦＲＢ理事は商業用不動産ローンをめぐるさえない状況を背景に銀行システムが直面する損失の可能性に言及し、一部の機関は同セクターの低迷を認識しようとさえしていないと指摘。　商業用不動産価格は２００７年のピークから３５─４０％下落しており、今後さらに下落する見通しで、失業者の増加や高い空室率も需要減退に働いていると述べた。　商業用不動産融資の延滞率は、第２・四半期末時点で約９％。前年同時期のほぼ倍となっている。　デューガンＯＣＣ長官は、ほぼすべての規模の銀行でほぼすべての資産の信用の質が悪化し続けている、と表明。潜在的な損失に備えて銀行は資本を準備しておく必要があると指摘した。　ベアーＦＤＩＣ総裁は、「問題を抱えた銀行」や破たん銀行の数は今後数四半期にわたって高止まりする見通しを示した。今年に入ってすでに９８行が破たん。２００７年の３行、０８年の２５行から急増している。　ベアー総裁は、銀行が抱える最も顕著なリスクは商業不動産へのエクスポージャーだとし、借り手および銀行にとって最善の利益になる商業不動産ローンの整理について、銀行監督当局が近く指針を示すことを明らかにした。　総裁は「商業不動産ローンポートフォリオに絡む最終的な損失の規模は米経済や金融市場の回復のペースに大きく左右される」と指摘。銀行システムの回復は景気全体の回復に後れを取る見通しも示した。

　＜景気回復は緩慢に＞
　出席者は、米景気の回復ぶりについても慎重な姿勢をみせた。　タルーロＦＲＢ理事は、景気はプラス成長に転じたように見受けられるとしながらも、深刻な金融危機から立ち直るには時間がかかるとし、雇用についても「失業率は当面、大きく改善される可能性は低い」との見通しを示した。　ベアー総裁も家計資産の喪失が歴史的に見て極めて大きく、幅広かったことから、経済全体の回復にも時間が掛かる可能性があるとし、「景気回復の始まりを示す最近の兆候は心強いが、成長のペースは歴史的な標準を下回る可能性がある」と述べた。