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洋楽名盤・新譜 レビューコミュのマシュー・スウィート「オルタード・ビースト」

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Matthew Sweet「Altered Beast」1993US
マシュー・スウィート「オルタード・ビースト」
  
1. Dinosaur Act
2. Devil with the Green Eyes
3. Ugly Truth
4. Time Capsule
5. Someone to Pull the Trigger
6. Knowing People
7. Life Without You

8. Intro
9. Ugly Truth Rock
10. Do It Again
11. In Too Deep
12. Reaching Out
13. Falling
14. What Do You Know?
15. Evergreen
 
Mick Fleetwood(Fleetwood Mac、Dr)
Nicky Hopkins(Key)
Pete Thomas(Elvis Costello & The Attractions、Dr)
Richard Lloyd(Television、G)
Robert Quine(Lou Reed Band、G)
Ivan Julian(Richard Hell & The Voides、G)
Ric Menck(Velvet Crush、Dr)
Fred Maher(Lou Reed Band、Dr)
 
 
上の参加メンバーを見て驚かれる方もいるだろう。
ロバートクインもリチャードロイドも前作の名作「ガールフレンド」から参加している。
伝説的な方々が、マシュー・スウィートの才能にほれたということだろうか。

あるいはグランジロック、へヴィロック全盛の90年代にあって、極めてエヴァーグリーンな60年代的ポップロックを響かせたマシューの音楽性に、全面的に肩入れしたくなったということか。
 

パワーポップというジャンルは、簡単に言えば、ロック畑のミュージシャンが演るポップスとでもいえるだろうか。
 
ビートルズ以前の50年代のポップスにも、抗いがたい魅力をもったメロディーはたくさんありました。
 
ホリーズやビートルズはそんな誰もが好きなメロディーと黒人音楽だったR&Bを、白人のロックの中に織り交ぜて自分たちのものにしていったわけで、50年代のポップスの流れが完全に断絶している訳では当然ない、ということです。
 
そんなポップスに近い場所にいるロックにも、移り変わる時代の色が映し出されてゆきます。
 
どちらかというと90年代以前のパワーポップは、”ポップ”サイドの面が強かったのではないかと思います。ポップスの職人たちによるすぐれたポップスは素晴らしいものがありますが、80年代以降には、どちらかというとポップ色の強いロックは、商業的、ということでロック的には肯定的には受け止められていませんでした。 
 
しかし90年代に入ると、パワーポップはオルタナ色を強めます。
 
精神的に、弱さや繊細さをも受けれて、ありのままをさらけ出すようなロックのあり方が、オルタナティブ、メインストリームのロックに対しての裏側のロック、として認められるようになりました。
 
裏側の人間にも主張があるんだと。
そしてな人間にこそ、ロックが必要なんだと。
そしてロックのあり方も、人の内面のあり方が様々ある数だけ、多様なものがあっていいじゃないか、と。
 
 
90年代のパワーポップは、やっぱり優しくてきれいなメロディーにはかなわないよね、という素直に自分の嗜好性を認めて、なさけない自分もそのまま抱えて、前を向いて歩いてゆこう、という時代の気分にのせてひとつのムーブメントになってゆきました。
 
 
マシュー・スウィートは、そんな時代に現れたある意味カリスマだったのかもしれません。
 
ラムちゃん好きなアニメオタクのロッカーで、キモい髪型の自分も隠そうともせず、あるがまま、とてつもなく美しいメロディーを繰り出す天才です。
 
8thアルバムの奈良美智のジャケがぴったりくるようなイメージです。
 
 
マシュー・スウィートの代表作にして90年代パワーポップの金字塔といわれているのが3枚目の「Girl friend」ですが、私個人的な好みとしてはこちら4枚目「オルタード・ビースト」です。
 
「ガールフレンド」よりもサウンドアレンジがビッグで、へヴィーなロックテイストが強い、ややハードな音になっています。
 
反面、美しいメロディーの曲とのコントラストが見事です。
 
その分全体的な音のキレがあると思います。
ハードロックとはいいませんが、彼の作品の中ではそんな位置づけかと思います。
 
CDですが、なぜか二部構成になっています。
 
どの曲も口ずさんでしまえるほどのメロディーのよさはいうまでもないところです。
 
そしてエッジの効いた粗いギターが最高な、オルタナティブな空気を出しています。
このガレージな音が、90年代です。
 
 
このアルバムのパワーと切なさは、他のアルバムの中性的な感じと比べて、男感が感じられます。その分、彼の変態性がよく表れているという気がします。
 
というか、男なら誰しも共感するサガを、どうしようもなく素直にぶっつけてくれている、という気がします。
 
そんな男感のある音の中でならされる感傷的な美メロには、もはや男の勝手なロマンさえ感じます。
そこにどうしようもない親近感と共感を感じてしまう、そんなプライベート感いっぱいのアルバムです。
 
 
こんな時代に、自らの変態性と弱さをさらけだしながら、あるがままを感傷的で天才的な美しいメロディーにのせて歌ってしまったマシュー・スウィートは、90年代以降を生きる我々の前に現れた等身大のヒーローだった、のでしょう。
 
その意味で、このアルバムの音はすべて、私自身の内面と限りなく近い。
 
みんながそんな風に思った、時代の名盤です。
 
 
”タイムカプセル”
虫が嫌いな方は、映像は見ないほうが。。。

  
”Someone to pull the trigger”

 
ジョージハリスンの"If I needed someone"のカバーをジョン・ハイアットとデュエット

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