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洋楽名盤・新譜 レビューコミュのヤードバーズ「ロジャー・ジ・エンジニア」

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ヤードバーズ「ロジャー・ジ・エンジニア」
Yardbirds「Roger The Engineer」1966UK
        
[1] Lost Woman
[2] Over, Under, Sideways, Down
[3] The Nazz Are Blue
[4] I Can't Make Your Way
[5] Rack My Mind
[6] Farewell
[7] Hot House Of Omagarashid
[8] Jeff's Boogie
[9] He's Always There
[10] Turn Into Earth
[11] What Do You Want
[12] Ever Since The World Began
[13] Happenings 10 Years Time Ago
[14] Psycho Daisies

キース・レルフ(ボーカル、ハープ)
ジム・マッカーティ(ドラムス)
ポール・サミュエル=スミス(ベース)
クリス・ドレヤ(リズムギター)
ジェフ・ベック(ギター)

あめましておめでとうございます。
平成20年、第一弾はヤードバーズ。
  
ヤードバーズは1962年にロンドンでストーンズの後釜としてライブハウス「クロウダディ」に立ち、63年〜65年のクラプトン期、65年〜66年の短い期間、本アルバムでリードギターを努めたジェフ・ベックの時代を経て、66年〜最後のジミー・ペイジ期といわゆる3大ギタリストが代々リードギターを努めたことで伝説となったグループだ。
  
ヤードバーズとしてはジェフ・ベック期が最も充実していたというのが定説で、異存なし。本アルバムは5日間で制作されたにもかかわらず、とても色々な顔を見せてくれる飽きのこない傑作でしょう。
   
クラプトン期がライブ映えはするもののレコードの売り上げは芳しくなく、ポップな方向への軌道修正のシングル「For your love」に不満でクラプトンが脱退してしまうわけですが、ベックは逆に何でもありで、ヤードバーズにはあっていたのでしょう。
  
ジェフ・ベックのギターは黒人音楽からの影響が強いわけですが、それはブルース一辺倒ではなく、自由な感性で、キャリアを通じて広く黒人音楽を取り込んでゆくことになります。そのキャリアの初期であるヤードバーズではR&B、ブルース、そしてロカビリーを大いに取り入れたロックを鳴らしています。
ロカビリーというある意味勢いのあるポップな路線が、ヤードバーズに求められていたものとちょうど合っていたのでしょう。
  
ジェフベックが名を馳せた理由の一つはその多彩な奏法です。
1曲目の間奏から聞かれるフィードバック奏法もそうだし、ファズ、アーミングの多用もそう。逆に言うと、単なるビートロック、ロカビリーテイスト、R&Bテイストのロックが、本アルバムにおいて、これほどの一体感とテンションを持っているのはベックのギターの独創性あってこそ。
ヤードバーズという枠におさまりきらないはずのベックが、ヤードバーズの一ギタリストという立場で、作ったこのアルバムで、わかりやすくベックの魅力とヤードバーズというバンドの魅力が引き出されている。
  
ジェフ・ベックの場合、様々なテクニックを駆使するために、その技術の高さと新しさに感嘆させられるが、それ以上に、一聴すると違和感すら感じる独創的な音、にその個性が発揮される。クラプトンなどのブルース系ギタリストと比べれば、その音の違いは瞭然だが、まずは音自体に金管音のような無機質な響きがある。
  
彼の中にある感性で、奏法と音をチョイスして曲の中に織り込んでくるのだが、高い技術に裏打ちされているために独りよがりにはならない。なおかつベックの中での感性、というか音への思い入れ、世界観の強さ、言い換えれば偏執的ともいえる音への気持ち、が感じられるために、その独自の世界観を理解したものは確実な固定ファン層になるのだと思う。
特にこのアルバムでは後年のベックのキャリアの中でも最も普通のロックよりであるために、逆にベックの特異性とその魅力がわかりやすく浮き彫りになっているとも言えるかもしれない。
  
  
たとえば3曲目の「Nazz are blue」の間奏などは典型的で、ベック以外の誰がこんなふに弾くのか、という感じ。はじめはなんだこれは、という違和感が、その内にははーん、と唸らされ、しばらくするとそれが必然的な音に聞こえ始め、やがては、まさに「世の中には2種類のギタリストがいる。ジェフ・ベックとそれ以外だ」という言葉通り、その唯一無二な異形の音にはまってしまうことになる。
  
1,2,3,5曲目と前半は勢いのある良い曲の連発。
11曲目も良くて、最後の2曲はジミー・ペイジとジェフ・ベックの競演。心なしかジミー・ペイジのテイストがツェッペリンを思わせるものがあり、この2人が相まみえているというだけで興奮もの。そしてさすがの音圧。
  
キース・レルフのボーカルはうまくはないのかもしれないが、後のベックのパートナーとなるロッド・スチュワートなど巧いボーカリストとは水と油のように相容れなかった強すぎるベックの個性とは上手く折り合っていたのかもしれない。またこのバンドではジム・マッカーティとポール・サミュエル・スミスの絶妙のリズムも見逃せない。
  
これだけの内容の重さを持ったアルバムは今の時代では生まれなくなっていることをつくづく感じざるを得ない。
ビートロックとしてのポップな側面、ベックのオリジナリティ溢れる凄まじいギターワーク、それまでのロックの枠からはみ出したサイケデリックテイスト、ペイジとベックの競演、と聴くたびに色々な楽しみ方ができる、奥深い名盤です。

コメント(4)

明けましておめでとうございます!

僕もYardbirdsではこのアルバムだけ聴きこみました。
Happenings 10 Years Time Ago のリフは衝撃的でした。
ジェフ・ベックのキャリアで一番ロックン・ロールしていた時期でしょう。
他のグループのロックギタリストと比較してもこの時代では群を抜いていると思います。
ちょうどこの時期だと思いますが、「欲望」(BLOWUP)という映画でジミー・ペイジとジェフ・ベックが出演していますね。
おめでとうございます!!

コメントありがとうございます。
ツェッペリンの再結成コンサートでこの頃のアルバムがマイブームです。
「欲望」覚えておきます。

今年もよろしくどうぞうれしい顔
私も好きなアルバムです

私自身も反省するのですが
かつてのアナログ名盤の場合

A面 B面  そしてCD化になってからのボーナスとかを明記すべきかも

難癖つけるわけでなく 自分でも反省なんですが、でないと出た当時の雰囲気が、・・・

「幻の10年」Happenings 10 Years Time Ago は このアルバムに入ってなくて それこそ幻の音源でしたし、
・・・・・

初めて聴いたときは びっくりしたし
それまで 雑誌で 竹田和夫とかがいい いいと書いてても聴くことができなかった曲です。

FMラジオの水戸放送の土曜3時からの番組で初めて聴いたときは NHKに感謝すらおぼえた、・・・


しかし 気持ち伝わる嬉しい文です

ほんと 難癖ではないですから

当時のアナログ音源をCDで聴くと いつも感じるんです

A面の最後の曲がB面の頭の曲と繋がってでてくると 当時と印象が全く違うんです
曲順が意図したものと違って聴こえるはずなんで、・・・


ごめん

勝手な思いを書いて

いえいえ、とんでもない。貴重なコメントありがとうございます。

そうですよね、B面が始まるまでの間合いがあるのとないのでは、一枚全体の構成とか、聞く側の気構えのようなものが全く違いますよね。まだあまり触れられてませんがコンセプトアルバムやプログレなんかもっとそうですよね。

書き込み、レビューも、短文・中文・長文問わず、遠慮無くどしどしおねがいします。

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