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洋楽名盤・新譜 レビューコミュのモトリークルー「Girls Girls Girls」1987年US

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ヴィンス・ニール(Vo)ミック・マーズ(G)
ニッキー・シックス(B)トミー・リー(Dr)

1 ワイルド・サイド
2 ガールズ、ガールズ、ガールズ
3 ダンシング・オン・グラス
4 バッド・ボーイ・ブギー
5 ノーナ
6 ファイヴ・イヤーズ・デッド
7 オール・イン・ザ・ネイム・オブ..
8 サムシン・フォー・ナッシン
9 オール・アイ・ニード
10 監獄ロック(ライヴ)

81年「Too Fast To Love」でメジャーデビュー、83年 2nd「Shout at the devil」が当時200万枚全米17位、85年 3rd「Theater of pain」が当時300万枚全米6位、自ら牽引役となって全米を席巻するムーブメントになっていたUSにおけるHMのポピュラーチャートにおける盛り上がり。そのいわばLAメタル勢の頂点を極めていた彼らだったが、シーンの常として必然的に数多くのフォロワーを生むことになる。質の悪い似たようなバンドの再生産に次ぐ再生産でシーンは飽和状態。ルックスだけはラットやモトリーもどきで溢れかえり、飽きられ始めてきたのがはやくも85年〜86年頃。

先駆者であり圧倒的な実力をもつ彼らさえ、スタイルを真似られ尽くされれば危機感も覚える。もともとドラッグ漬けの日々に、トラブルが続き、さらには86年10月頃からLAメタルとは一線を画するボンジョヴィの大ブレイク(Slippery When Wetが800万枚)でシーンはブルース色・カントリー色・R&R色をもつものに回帰し始めていた。モトリーとしては次のステージへ歩を進めなければならない状況におかれていたといえるのではないか。

当時のアメリカはレーガン大統領の時代。84年のロサンゼルス五輪、85年はNY株価が最高値を記録しバブル真っ盛り、ソ連はペレストロイカが進みんでいたが、86年になるとチェルノブイリ事故、NY株大暴落、音楽シーン全体ではアパルトヘイト反対運動やライブエイド、We are the worldのヒット、ワールドミュージックの浸透など社会が大きく動き始めていた。

3rdからR&R色を打ち出し始めていたモトリーは、87年のこの4thではっきりと、潔くR&R路線に舵を切り、80年代前半モトリー自ら牽引してきたLAメタルの典型的なサウンドから、一歩踏み出した、というのがこの作品。

ルックス的にもグラム的なものから黒っぽいR&R風に変わっている。1曲目、2曲目は代表曲の一つとも言えるインパクトをもつし、全体的に結構分厚い音になってきており、古典的R&R路線が違和感なく、うまく取り込まれている気がする。なんと言ってもヴィンス・ニールのヴォーカルが圧倒的にうまい。ラットとの大きな違いはやはりここから派生する作曲上の選択肢の幅の違いだろうか。ある意味器用にいろいろな曲世界を表現力豊かに、かつワイルドに演奏できてしまうのだ。ラストの監獄ロックもその良い例だ。さらに全体的な演奏にラットとは違う種類のアグレッシブさがあり、相手を呑んでかかるような彼らのアティチュードからくるものなのか、シーンの牽引者としての自覚なのか、スキルの高さからくる余裕なのか、王者の風格のような揺るぎないものが音から聞こえてくる。かれらの演奏からは、その他のLAメタルバンドがもつはかなげな危うさはなく、ふてぶてしいほどの揺るぎなさが感じられる気がする。

そのため、ラットがバンドイメージ的には陽、モトリーが陰、というかワルでワイルドなイメージがありつつも、ラットのヴォーカルがどこかマイナー調に終始せざるを得なかったのに対し、スキルの高いヴィンスの方が今となってみれば正攻法、陽なイメージに聞こえる。よりプロフェッショナルというか、現代的といおうか。つまり、自らがシーンを作り出し、リードしてきた彼らが、その真の実力をもって伝統的なR&Rを取り込むことに成功し、LAメタルを一つ次のステージへおし進めたということが言えるだろう。フォロワーを置き去りにして一歩も二歩も先に進んだ、といった方がいいかもしれないが。並の実力では、R&Rを取り込んで新しいモトリー色として受け入れられるところまでもってゆき、次のステージへ進むところまではいけないものだ。

この4thは全米2位、200万枚を記録。しかしボンジョヴィは800万枚。ドラッグ摂取は止まらず、ついにツアー中にニッキー・シックス(B)が心肺停止に。さすがにやばいということでドラッグ中毒から抜け出した89年に、ついに決定打となる5thが世に出ることになる。

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