これを出力分布といいます.
なぜそうなるかといえば,炉心の上部と下部とではボイドの量が違い,反応度が違いますから,図4−4に示した出力分布のように出力は炉の下部でピークをもつことになります.
下部のピークが大きすぎることを出力分布に歪があるとかボトムヘビーであるとかいいます.このような炉は出力振動しやすいという解析結果がいくつかあり,このうち,米ブルックヘブン研のウルフの研究ではベースになる要因として再循環ポンプ g リップ,サブクールをあげた上で,これを重視しています.
炉は100万KWならトータルで100万KW出すことを要求されますが,BWRの場合炉心上部ではボイド量が
多いため,全体の出力にあまり寄与しませんから,下部の燃料がいわばがんばらなければなりません.したがって下部の燃料は熱的余裕がなく,負 S がかかりすぎるおそれがあります.そのため,負担を均等に割り振るために平坦な出力が望まし いのです.
このようなストレートな暴走事故,たとえばタービンに蒸気を送る配管を閉鎖する主蒸気隔離弁が閉じてしまい,なおかつスクラムしない事故を,スクラムしない過渡変動(ATWS)とよぶことは先に述べました.このとき炉内は急速に圧力が上昇し,ボイドが潰れ始めますが,もしスクラムに失敗すれば(WS : without Scram),
重大な事態となります.主蒸気隔離弁閉鎖のような暴走事故に結びつくATWSが起きたとき,対策として考えられているのが再循環ポンプをトリップさせることです.
図6−3※コメント55 と比較するとわかりますが,これは少し形を変えてNRCの起動時の指示を取り込んだものです.また,炉心安定性と出力の関係の解析にも,この安定性制限曲線に対応する部分が出現し,減幅比が限界基準を超えてしまわないような措置が採られているのがみてとれるでしょう(図2−7(a),(b)).※図2−7は※20なんだけど a) b) があるのは図2−9で、aはコメ24・25・・ここにb を入れ忘れたので下に入れます。