wiki 統合失調症(とうごうしっちょうしょう、独: Schizophrenie、仏: Schizophrénie、英: Schizophrenia、SZ)とは、精神障害の一つ。基礎症状は連合障害(認知障害)と自閉(自生思考等)等である。副次的に精神病状態(幻覚・妄想[1])等多様な症状を示し、罹患者によって症状のスペクトラムも多様である。エミール・クレペリン、オイゲン・ブロイラー、クルト・シュナイダーが共通して挙げている当該疾患の特徴的で頻発の症状は「思考途絶(連合障害)」と「思考化声(自生思考)」である。日本では2002年(平成14年)まで、精神分裂病(せいしんぶんれつびょう)と呼ばれていた。
精神疾患としては深刻なもの(Severe mental disorder)に位置づけられるが治療可能な病気であり、しかし患者の大部分(2人に1人)は受診につながっていない[3]。この疾患の担当診療科は精神科であり、精神科医が診療に当たる。WHOは低中所得国を対象とした改善計画 Mental Health Gap Action Programme (mhGAP) を開始し、クリニカルパスおよび診療ガイドラインを作成し公開している[7][3]。
19世紀のドイツの脳病学者エミール・クレペリンが複数の脳疾患を統一的な脳疾患カテゴリーとしてまとめ、早発性痴呆症を提唱した。スイスの精神科医オイゲン・ブロイラーが症状群の性質から1911年に、著書『Dementia Praecox oder Gruppe der Schizophrenien』(『早発性痴呆症あるいは精神分裂病群の集団』)の中でSchizophreniaを造語し定義した[6]。ブロイラーによれば、当該疾患の特徴は「精神機能の特徴的な分裂(Spaltung der verschiedensten psychischen Funktionen)」であるとし、 Schizo(分裂)、Phrenia(精神病)と呼称した。ここでいう精神機能とは、当時流行した連合主義心理学の概念であり、また精神機能の分裂とは主に連合機能の緩みおよび自閉症状を意味する。