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ヨーロッパ鉄道の旅コミュのベルリン・新中央駅

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今年5月末に、ベルリンで新しく交通の中枢となる駅が、華々しくオープンした。

「ベルリン中央駅」はヨーロッパで最も大きな駅の一つである。5階建ての駅は、それぞれの階に長距離列車や、ローカル線が発着できるようになっており、最上階は、一番深い階から37メートルの高さのところにある。

一番上の階のプラットホームは、長さ約320メートルのガラス張りの屋根でおおわれており、巨大な温室のように見える。最近ドイツでは、強化ガラスを多く使って、自然の光を取り入れる建築様式が流行しているが、この駅でも、高さが30メートル近い、正面ホールの壁はガラス張りで、連邦議会や連邦首相府の建物を見晴らすことができる。

駅の中には、真新しい商店や食堂が軒を並べている。エレベーターも完全にガラス張りで、各階の様子が手に取るようにわかる。建設に11年の歳月と、7億ユーロ(約980億円)の費用がかかったというのも、うなずける。

この堂々たる建築は、ドイツ統一後、新しい首都となったベルリンの正面玄関として、ふさわしいという気がする。

ところがこの駅から一歩外に出ると、周りは広大な空き地になっており、賑わいが全く感じられない。

ヨーロッパの駅の周りには、ふつうホテルや商店、レストランや喫茶店がひしめいているものだが、ベルリン中央駅には、空間の中にぽつんと孤立している。観光客や見学者で賑わう駅の中と、周囲の静けさは、実に対照的である。

これまでベルリンの長距離列車が到着する表玄関は、町の西側にある「動物園駅(バーンホフ・ツォー)」だったが、こちらは繁華街に囲まれており、とても活気があった。だが新中央駅前の寂しさは、動物園駅前の活気と比べようがない。

しかも、新中央駅前には、ドイツの駅につきものの、バスや市電の停留所もまだできていないので、タクシーに乗らなくては繁華街に行くことができない。

地下鉄の駅はあるが、まだ町の地下鉄網と接続されていない。ドイツが統一された直後、政府はこの駅を毎日500万人が利用すると見込んでいたが、現在ではその見積もりは30万人に修正されている。

ベルリン中央駅が建てられた場所は、東西ドイツが分割されていた頃、ベルリンの壁に面した地域だった。このため、商店や民家はほとんど建てられなかったのである。

統一されてからも、この地域には議員会館などの公共施設が建てられるばかりで、住宅や商業施設はほとんど作られていない。つまりベルリン市当局などは、これから新中央駅の周りに「賑わい」を演出するために商店などを誘致しなくてはならないのである。

この駅の独特な雰囲気は、壁の崩壊から17年経った今も、首都ベルリンが建設途上にあることを、象徴している。

(文・ミュンヘン在住 熊谷 徹)

筆者ホームページ http://www.tkumagai.de

コメント(1)

トーマスクックヨーロッパ時刻表(日本版)の初夏号に特集として冒頭ベルリン新中央駅が書かれていました。

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