UFC -究極格闘技-コミュのﾏｰｸ･ﾊﾝﾄが本気のUFC参戦､｢これがﾗｽﾄﾁｬﾝｽ｣

元K-1､PRIDEのｽﾀｰ､ﾏｰｸ･ﾊﾝﾄをUFCが迎え入れた｡現地9月25日にｲﾝﾃﾞｨｱﾅﾎﾟﾘｽで開催されるUFC119で､ｼｮｰﾝ･ﾏｺｰｸﾙ相手に“ｻﾓｱの怪人”がUFCﾃﾞﾋﾞｭｰ戦を行うことが明らかになっている｡

K-1 WORLD GP 2001の勝者であり､MMAでもｳﾞｧﾝﾀﾞﾚｲ･ｼｳﾊﾞ､ﾐﾙｺ･ｸﾛｺｯﾌﾟらを下しているﾊﾝﾄだが､ここ4年間勝利に見放されている｡現在MMA5連敗中､2008年4月にはK-1に復帰したが､ｾﾐｰ･ｼｭﾙﾄのｽﾋﾟﾆﾝｸﾞ･ﾊﾞｯｸｷｯｸに無残に沈んだ｡

そんなﾊﾝﾄは今になり､｢他の選手と同じくらいﾊｰﾄﾞにﾄﾚｰﾆﾝｸﾞしたら､俺は今ここに座っていなかっただろう｡違う次元の戦いをしていたよ｡無駄な時を過ごしてしまった｣と､後悔の念を口にしている｡

UFC参戦という最高のﾘﾍﾞﾝｼﾞの機会を与えられたﾊﾝﾄだが､UFC119の舞台でまたも無残な姿を露呈すれば､契約に関係なく即刻首もあることは､本人が一番理解しているようだ｡
UFCで一般的な4試合契約を結んだかを問われると､｢どんな契約かも知れないよ｡4試合かもね､ただ初戦で勝てないといけない｡最近は良い結果を残せていないしね｣と語る｡

そんな36歳のﾊﾝﾄとUFCが契約を発表した時には､多くが驚愕した｡2007年にｽﾞｯﾌｧ社がPRIDEを買収した際､ﾊﾝﾄに興味があるという話はあった｡ただﾊﾝﾄの最近の成績や怠惰な姿に加え､現在のUFCﾍﾋﾞｰ級の層の厚さを考えても､UFCの決定には疑問符が付く｡

UFCのﾀﾞﾅ･ﾎﾜｲﾄは､｢ﾊﾝﾄ獲得は､契約が譲渡できず､法的強制力がないにしても､PRIDEを買収したおかげ｣と､ﾂｨｯﾀｰに書き込んでいる｡

契約がPRIDE時代からどのような影響を残したかははっきりとしないが､次に気になるのは現在のﾊﾝﾄの状態｡

現在の体重を問われると､｢俺が太ってるって言いたいのか｡見えないかも知れないが､この中には筋肉が詰まってんだよ｣と笑いを誘う｡｢食べるものを気にしたことはなかった｡ただ最近はそうだ､ｹﾝﾀｯｷｰも行かないし､ﾁｮｺﾚｰﾄとかｼﾞｬﾝｸもやめたぞ｡そう､ﾊﾟｰｿﾅﾙﾄﾚｰﾅｰも雇った｡人生で初めてだ｣｡日本でも人気を博した個性的なｷｬﾗｸﾀｰは変わっていないようだ｡

これまでのﾄﾚｰﾆﾝｸﾞ内容に｢何もしていなかった｣と答えたことは少しｵｰﾊﾞｰだが､今後本格的なﾄﾚｰﾆﾝｸﾞが待っていることは間違いなさそうだ｡

今後現在の体重から11kg近く､120kgのﾘﾐｯﾄまで体重を落とすことになる｡

｢今は今として受け止めなければならない｡後悔していることもあるが､今の俺は目的を持ってここにいる｡これがﾗｽﾄﾁｬﾝｽなんだ｡K-1ﾀｲﾄﾙをとり､MMAに転向したが正直ﾁｬﾝﾋﾟｵﾝになりたいとは思わなかった｡今は､MMAﾁｬﾝﾋﾟｵﾝに本気でなりたい｣

強靭な打たれ強さと顔面を捉える強烈な一発､それを支える体型に似つかない驚くほどの運動能力と勇猛果敢なｽﾀｲﾙを誇り､一世を風味した男が本気になって帰ってくる｡UFCの舞台で新たな一歩を刻むか､決戦まで2ヶ月余り｡