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[dir] 動物・獣医療コミュの11/21問われる動物実験 日本企業にも廃止の動き広がるが…

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問われる動物実験 日本企業にも廃止の動き広がるが…
産経新聞 11月21日(日)9時24分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101121-00000502-san-soci


 戦後、化粧品や薬の開発などさまざまな分野で行われてきた動物実験が、見直されつつある。大手飲料水メーカーでは今年4月、新製品の開発の際に行ってきた動物実験を全面的に廃止。日本でこうした措置を講じた企業は初めてとみられるが、背景には動物愛護への関心の高まりがあるようだ。一方で、医学や薬学などの分野では、今でも動物実験を必要とする声が根強い。動物実験を巡る現状を追った。(西尾美穂子)

 動物実験はこれまでに、はしかやポリオ(小児まひ)といった病気のワクチン開発、難病のメカニズム解明などのために行われてきた。

 昨年猛威を振るった新型インフルエンザに有効な新型ワクチンの開発でも、副作用の有無を確認するために動物実験が行われた。

 ワクチンと同じように新薬の開発でも、動物実験で安全性が確かめられている。その結果、安全性が疑問視され、市場に出ない薬品も多く、薬害を未然に防いできた面があるという。

 さらに、今年のノーベル医学生理学賞に輝いた英ケンブリッジ大の生理学者、ロバート・エドワーズ名誉教授の体外受精の研究では、受賞理由の中でマウスを使ってホルモンと排卵の関係を入念に調べ、それをヒトに応用したことが述べられている。

 多くの分野で成果を出してきた動物実験だが、近年、廃止に踏み切る大手企業が出てきた。

 大手飲料水メーカー「伊藤園」(東京都渋谷区)は4月末、新製品の開発で動物実験を廃止。2001年から米国に進出していた同社が、こうした措置に踏み切ったのは、2007年に米国の大手2社が動物愛護への関心の高まりを受けて一切の動物実験を廃止したことがきっかけだったという。

 「業態がグローバル化する中で、諸外国の風潮をかんがみて内部的に廃止の方向を決定した」

 同社の担当者はこう説明する。

 5月からラットで行ってきた緑茶に含まれるカテキンの有効性の検証を、人の培養細胞を使って行うように切り替えた。今後、特定保健用食品を国に申請する場合などで動物実験が必要とされる場合は、第3者機関に依頼するという。

 日本には20年以上前に動物実験廃止に向けて取り組み始めた企業がある。

 化粧品大手「資生堂」(中央区)では、1980年代後半から、化粧品そのものを動物に使って行う実験を廃止した。

 同社では日本の薬事法で義務づけられた原料を動物に使って安全性を確かめる方法に替えるとともに、これに代わる方法の開発に取り組んできた。

 きっかけの一つになったのが、欧州に市場展開した際に直面した欧州連合(EU)の規制だったという。

 EUでは2011年には動物実験をした製品と原料を含む製品の販売を禁止する方針を示している。同社では、同年までに製品の安全性を確保したまま、原料での開発も含め一切の動物実験を廃止する予定だ。

 今後は「新規原料の開発を中心とする研究の在り方から、これまでの研究で安全を保証された原料を使った新たな化粧品の研究に軸足を移す」と話している。

 欧米先進国に続き、日本でも廃止に向けての動きがみられる動物実験だが、世界中で本格的に行われるようになったのは第二次世界大戦後だった。

 日本動物実験代替法学会理事で大阪大学医学部実験動物医学教室、黒沢努准教授によると、戦時中は動物実験ではなく、捕虜に新薬を投与して科学的知見を得るような人体実験を行っていたという。

 黒沢准教授は「戦争を機に医学が進展する傾向があり、思いもしなかった治療法が出てきた」と話す。

 近年は薬の開発で、微量の新薬をボランティアに投与して安全性を確かめる方法が出てきたものの、戦後は人権保護の面から人を使った実験が問題視され、代替法として主に動物を使う実験が行われるようになった。

 動物実験は戦後、急激に需要が増した一方で、必要以上に多くの動物を使うなど現在の基準から考えれば不適切な実験が行われることもあった。

 そこで、1950年代に実験動物学の研究者、W・M・S・ラッセル氏とR・L・バーチ氏が動物愛護の観点から動物実験の在り方について主に次のような3つの提唱をした。

 (1)できる限り実験に使う動物の数を少なくすること(Reduction=削減)▽(2)過去の実験データや人の培養細胞を使うなどできる限り動物実験に代わる方法を利用すること(Replacement=代替)▽(3)動物に与える苦痛や不快感を最小限に抑えること(Refinement=洗練)−だった。

 この提唱は、英語の頭文字を取って「3R」と呼ばれ、欧米を中心に広がりをみせた。

 近年では、ワクチン開発の最終段階で副作用の有無を調べるために行われてきた動物実験でさえ、人の培養細胞を使った代替法の研究が進んでおり、近い将来、実用化が期待されているという。

 一方で、こうした代替法の開発が進んでも、実験に使われる動物の数が減少するわけではないとの指摘もある。これは、次々に新しい疾病への対策や薬の開発が求められるためだという。

 日本では、3Rの考え方が2006年に施行された改正・動物愛護法に盛り込まれた。

 伊藤園や資生堂のように動物実験そのものをなくす企業が出てきているほか、各研究施設では動物実験を行う前に、3Rに基づいた実験なのかどうかを審査するために計画書の提出が求められるなど、これまでにないさまざまな取り組みが行われている。

 しかし、動物実験廃止・全国ネットワーク(AVA−net)代表、野上ふさ子氏は日本の現状について警鐘を鳴らす。

 「動物実験をしている施設には届け出制さえなく、実態は闇の中」

 欧米先進国では、施設が届け出制になっている上に、代替法を研究する国レベルの施設があるという。

 また、欧米では現在の臨床獣医学で使われているのと同じ麻酔の使用を義務づけるなど具体的だが、日本には誰がどのような麻酔薬をどれくらい投与すればいいのかという規定はない。

 野上氏は現状では必要な動物実験があることに理解を示しながら、日本実験動物学会が実施するアンケートを元に、日本では年間約2000万匹もの動物が実験に使われていると指摘。「無駄な実験は少しでもなくしていけるような仕組みが必要」と訴える。

 黒沢准教授は今後の動物実験について、「難病などで苦しむ患者さんや、社会の高齢化に伴う一般市民で健康不安を抱える人は、政府に動物実験の研究費をもっと増やしてもらい、研究者に治療法や予防法を開発することを期待している」と必要性を述べた。

 一方で、「動物愛護の立場も踏まえ、多様な考え方を見据えて多くの国民が納得するような法律や制度を作ることが重要」と話す。

 野上氏は今後の動物実験の在るべき姿について、「マイナスイメージを持たれるとの理由から、企業や研究施設が動物実験の実施状況を公表しない傾向がある。国が制度を作り、情報を公開してみんなで議論することが大切」と訴えている。

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