単なる数値の羅列であるIPアドレスはこのままだと人間にとっては覚えにくいため、コンピュータやネットワークに名前(ドメイン名やホスト名)がつけられている場合が多く、「DNS」(Domain Name System)というシステムによってIPアドレスとの相互変換が行なわれます。例えば、「www.izakaya〜」というアドレスがあるとします。これにも、数値の羅列で構成されたIPアドレスが割り当てられているということです。このため普段インターネットを利用する時に、IPアドレスそのものを目にしたり、意識するような場面はあまり多くありません。
1−2 IPv4・IPv6とは
IPアドレスには種類があり、現在広く普及されている「IPv4」(Internet Protocol version 4)と、「IPv6」の二つのバージョンがあります。 「IPv4」では、IPアドレスに8ビットずつ4つに区切られた32ビットの数値が使われ、「211.9.36.148」といったように 0から255 までの10進数の数字を4つ並べて表現します。 現在のIPv4では、32ビットの数値で識別できる上限があり、約42億台までしか一つのネットワークに接続することができません。ですので、インターネットで利用するIPアドレスが足りなくなることが考えられています。このため、企業など多くの機器を利用するところでは、プライベートアドレス(組織内のネットワークでは自由にいくらでも使えるアドレス)を使い、インターネットとの境界にグローバルアドレス(インターネットに接続された機器に一意に割り当てられたIPアドレス)とのアドレス変換(プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを相互に変換すること)を行う機器を設置するといった運用方法が普及しています。 図1