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指揮者・広上淳一コミュのコンサートの感想

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こんにちは。

昨日(18日)、名古屋で名フィルのコンサートを聴いてきました。
以下は、その感想です。

〜名古屋フィル/しらかわシリーズVol.13 アマデウス・シンフォニー?〜
 日時/会場:2009年7月18日(土)/しらかわホール(愛知県名古屋市)
♪オール・モーツァルト
 ?交響曲第35番ニ長調K.385「ハフナー」
 ?クラリネット協奏曲イ長調K.622
 ?モテット「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」K.165(158a)より 第3曲"アレルヤ"
 ?交響曲第39番変ホ長調K.543
 ?「5つのコントルダンス」K.609より 第1曲ハ長調
  (??はアンコール曲)
 *クラリネット:ティモシー・カーター
 *管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団
 *指揮:広上淳一

アマデウスの化身ヒロカミが、嬉しそうな表情で、指揮台を動き回り、そして、踊りまくっていた。
まるで、若き頃の彼がタイムスリップして、我々の眼前に戻ってきた様な錯覚に陥っていた(いや、髪の毛だけは・・・・)。
オケのメンバーも、それに乗せられて(嬉々として)、スウィングしていたのだ。

まず、『35番』が始まった。
最初から素晴らしい音の世界が出現していた。
まさにゴージャスな「ハフナー」が・・・それがまるで、音楽映画(「オペラ座の怪人」?)の世界の様な広がりを感じさせたのである。
前後の楽章では、軽快に序曲と終曲を形成し、間に挟まれた2つの楽章は、舞踏会のダンスステップを思わせる優雅さがあった。


次が、『クラリネット協奏曲』である。
今回のソロは、つい最近まで名フィルのクラリネット首席(2008.3〜2009.4/在籍)を務めていたティモシー・カーター(アメリカ出身)であった。
カーターのクラリネットの音色が素晴らしかった!
やや硬質でありながらも、ノン・ヴィブラートの透明感が、最晩年のモーツァルトの心象世界を見事に表現していたのである。
広上のバックは、やはり絶妙なる名人芸でソリストを盛り上げていた。

第1楽章のテンポは、やや速めにとりながらも、広上の指揮によるオケの音が、1曲目の響かせ方とは異なり、モーツァルト最晩年の世界を構築していた。
広上は、時折、ソリストを覗き込んでは、その呼吸を窺い、絶妙なアンサンブルを創りあげていた。
カーターは、自分が吹いていない部分では楽しそうに、オケの音に合わせて、体を揺すっていた。

第2楽章に入ると、世界が一変した。
それはまるで、天国に居る神の子/アマデウスに向けてのものだった気がするのだ。
祈りの心を込め貫いて、音量的にもmp〜pppまでの振幅で終始していた。
その崇高な響きに身じろぎも出来ず、現実的な感覚さえ奪われていたのである。
中間部で、まさに絶品の・・・最弱音のソロと、それを最弱音の弦が、ものの見事なまでな天上世界を創造させていたのである。
それから・・・この楽章を締める最後の一音が静かに延ばされて終わるのであるが・・・オケの響きが消えた後に・・・数秒間、意図的にソロの響きだけを最弱音で鳴らしていたのである(意味深・・・)。

第3楽章は、再び快活な音楽に戻っていた。
楽しく嬉しい音楽で、私の心と体もスウィングしていた。

コンチェルト終演後は、会場全体から(客席からはもとより、オケ団員からも指揮者からも)割れんばかりの盛大な拍手を受けていたソリストであった。
おそらく、今回の『クラリネット協奏曲』は、生でしか体感出来ないと思われる"一期一会"の極上な名演であったと断言したい!

さて・・・やはりアンコール演奏があった(これが面白かった)・・・
事前打ち合わせによる演奏であることは明白になった訳だったが・・・
実は、何気ない様子を装って広上が指揮台に上がったのだ。
つまり、オケ伴付きのアンコールなのであった。
曲が何んと、ソプラノが歌う有名なモテット「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」からの"アレルヤ"だったのには驚いた!
クラリネットが、ソプラノ歌手の様に実に鮮やかに歌い上げたのだ。
万来の拍手と歓声が贈られたのは当然であった。


休憩を挟んで、最後が『39番』。
モーツァルト最後の三大交響曲(第39〜41番)の一曲である。
この曲での広上のアプローチは、下手な小細工をせずに、それこそ昨今の流行とも云えるピリオド奏法とは無縁の正統的な演奏で臨んでいた。
テンポ的にみても中庸にして、しかし活き活きとしたリズムが、この交響曲の魅力を存分に引き出していたのだった。
広上のリズムはキビキビしていて気持ち良く、しかし、各々の楽器間パッセージの有機的な繋がりへの受け渡しが、実に絶妙な呼吸感を生み出していたのである。

曲が終わって一瞬の間があったかどうか・・・盛大な拍手と大歓声が飛び交っていた。

何回かのカーテンコールの間に、指揮者とオケの間では、共に笑顔と拍手と握手の交歓が行われた。

さて、やはり我々のお待ちかねであるアンコール演奏が・・・
指揮台に上がった広上がクルリと客席に振り返り、「ほんの一瞬で終わる短い曲を・・・」てなことを言っている様であった。
この短い曲は・・・あのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」の食事の場面での一瞬に於いても、演奏される音楽だと分かった(正式な曲名は上記に)。
オペラ「フィガロの結婚」のアリア"もう飛ぶまいぞ、この蝶々"の、ほんの一節ずつが繋ぎ合わされているものなのだ。


とにかく、センス抜群なプログラム構成だと心から感心してしまったのである。


やはり、あらためて「生のコンサートは良いものだ!」と、強く思ったのである。
私の一生の"心のタカラモノ"が、またひとつ加わった。。。。


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