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アンダルシア-Andalucia-コミュの〜とてもお薦めできない本〜『アンダルシア紀行』(著:カミロ・ホセ・セラ)

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〜とてもお薦めできない本〜『アンダルシア紀行』(著:カミロ・ホセ・セラ)

『アンダルシア紀行』(著:カミロ・ホセ・セラ)に登場する風来坊は、歌にも凄いものがある。

文中でこう言う。

『リビアーナとカルセレーラスも、どこに分類していいか分からないカンテだ。またファンダンゴの中にはカンテ・ホンドも含まれるのだが(ファンダンゴ・ポル・ルセナ、ファンダンゴ・デル・プレバもしくはファンダンゴ・で・ロス・ラガレスなど)、カンテ・フラメンコとなると別なのだ(ファンダンゴ・ポル・ミロンガス、ファンダンゴ・ポル・レバンテ、ファンダンゴ・ポル・タランタなど)。
ファンダンゴ・グランデは楽しいが難しい歌で、本格的な歌い手でないと羊頭狗肉みたいな歌になってしまう。』

つづけて言う。

『・・・ファンダンゴ・デ・ウエルバはとても健康的で美しいが、今ではあまりはやらない。ファンダンギーヨはかわいらしい歌で、騒々しいフラメンコ一族に巻き込まれない、地道な歌い手が必要とされる。・・・ペネテーラの歌手としてはパストラ・バポン芸名ニーニャ・デ・ロス・ペイネスの右に出る者はいない。ベネテーラは放たれた雌馬のように、粋でしかも控え目なカンテ・カンペーロの女王だ。・・・』(まだまだつづくがでこのくらいにしよう)。

何を言っているのか全く分からない。ふひゃー!

わたしは、知り合ったフラメンコ・ダンサーに、「カンタになりなさい・・・」ってお世辞を言われて、その気になっていくつも歌を聴いたが、まだ初心者で、風来坊が言っていることはさっぱり分からない。でも、フラメンコ曲はカラオケにはないので、ラテン音楽を唄う。ダイナナ・クラールも歌っているので、「ベサメ・ムーチョ」はとにかく上手くなった。この歌を好きで唄う客も、もうわたしのそれには舌を巻く。もちろんスペイン語(カタカナ)でだ。ときに、ダンスとタップもまじえる。

また、フラメンコ・ダンサーには、「バイラになりなさい・・・」ってお世辞を言われて、その気になって、DVDを見てはタップを踏んでいる。特にターンはかんたんに行えることを覚えた。あな、恥ずかしや・・・。

さらに風来坊は帽子にも詳しい。

わたしは外出するときには、ほとんど“つば広のハット”を被る。約10個は持っている。それは、イングランド製やポーランド製のものもあり、ポール・スチュアートのものもある。色は黒、オリーブ、白、茶などだが、とても』気に入っている。
最近いいハットが追加された。
友のプレゼントである。それは、あのインディ・ジョーンズが被っているブランドと同じもので、色は茶である。このハットはフェルトのように見えるが、実は本皮なのである。これを被るのは全体のトーンを考慮しないとなかなか難しい。

わたしは、いずれアンダルシアの帽子、コルドバスを手に入れようと考えていた。
ところが、風来坊はこんなところにも詳しいし、自分なりの評価を持っている。

『・・・彼がかぶっていた帽子はグレーで、つばは広く平らで、やまの部分は全体が円筒状なのではなく、先がちょっぴりとがっていた。・・・コルドバの帽子はバダボスのものと似ていて、セビーリャ、カディス、ウェルバのものとは違うと思う。やまが、より低く、それに釣り合った円筒形をしているのだ。色はーーグレーまたは黒でーーどちらもとく、その人の好く好きだ。』

さらにつづく・・・。

『カラーニャス帽となると、また別の話になる。人によっては、カラーニャス帽をカストレーニョと呼ぶ。そのカストレーニョ帽がまた、もっとあいまいに、ビーバーの毛やそれに似た毛、例えばフェルトで作られた帽子の総称になったりする。カラーニャス帽は、ウエルバ地方のモレナ山脈の中にあるカラーニェス村で作っていて、つばが平らではなく、先が鋭くとがってぴんとはね上がっているのだが、今ではもう使われていない。カストレーニャ帽とは、ピカドールの帽子を指すのが正しい。これは平たいつばと――ほとんど目立たないほどの折り返しはあっても――先のとがっていない丸いやまを持つ。帽子好きの間だでは、カストレーニャ帽といえばビーバーの毛で作ったものと――そうでないものもあるのだが――決まっている。アンダルシアでは、山高帽のことをカストーラと呼ぶので、それが拡大解釈され帽子ならなんでもかんでもカストーラと呼ぶ人もいる。また山高帽はチャーボと呼ばれ、コルドバではチャーボとも呼ばれる。チーズ帽というのは、カラーニャス帽、つまりつば広の山高帽のことだ。コルドバ帽もつばが広い。つば広帽だ。風来坊思うに、つば広帽には二とおりある。コルドバの帽子――いうなればコルドバ帽――と下部アンダルシアの帽子で、これはどの町のものかと争いにならぬよう−−今はまだそう呼ばれてないが――ヘレス帽とでも呼べばよかろう。つば広帽については、社会的階級もまたかかわりがある。紳士たちがかぶるのは、やまが低い帽子で、百姓のような、これみよがしの帽子はかぶらない。』

と言って・・・。

『帽子談義で頭がいっぱいの風来坊だったが、コルドバとセビーリャの県境辺りで日も暮れた。』って括るのである。

ああ、「資本論」の方が易しい。

何が『日も暮れた』だ。わたしの頭はもう「枯れてしまった」よ!

この『アンダルシア紀行』(著:カミロ・ホセ・セラ)は、風来坊の目を通して、あの無数の町の歴史や関わり、宗教や、権力者の変遷、そして今のまたは昔の風景をこと細かく(歌や帽子のように)言うものだから、もう頭がおかしくなる。

わたしはよくこの本に付き合ったが、読後感は、ただ呆然である。何も記憶していない。だから、こうして書き留めたのである。

この本は誰にも“おすすめできない”もの。

セルバンテス文化センターに宅急便でお返しした。感謝の文を添えて。
翌日、連絡があった。
わたしは「返却ミス」があったのだと思った。

でも、それはわたし対する感謝のことばであった。

わたしは今のスクールのパソコンのデスクトップ画面に、ミススペインのマリア・ホセ・スアレスを用いている。美しい!

何となれば、彼女のひいおじちゃんが日本人であるからだ。

昨日は、ペルーの女性と話しをした。

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