Vigorous!!コミュのｎｏ！寄稿１２（2007年3月号）

今月は「泣かずにはいられない作品」とのことで、、、
CHET BAKERの『Chet Baker sings』を選んでみました。

私は基本的に涙腺が弱い。ただ、中学生くらいからふりかえってみても、流した量が一番多いのは恋愛に関する涙だと思う。なので、今回は恋愛に関する涙に合いそうなものを選んでみました。

チェット・ベイカーのこのアルバムは、トランペットの音色と、いい意味で軽い歌声が好きで、普段からよく聴く1枚です。が、同時に今回「泣ける曲」を思い浮かべた時に、ぱっと浮かんだ2曲ともが入っているアルバムでもあります。しかも失恋ソング。これはもう恋に破れたら聴くしかない1枚です！

「ぱっと思い浮かんだ2曲」であるTHERE WILL NEVER BE ANOTHER YOUとBUT NOT FOR MEは歌詞に反して割とアップテンポに料理されていますが、むしろ意図してなかったところで結構暗かったり、失恋に限らず恋の歌ばかり入っていたりして、ちょっと歌詞に注目して聴いてしまうともう間違いなく涙がじわーっときます。まるである恋人の始めから終わりまで、酸いも甘いもぎゅっと凝縮したような、そんな内容です。

皮肉にも散々12曲そんな曲を聴かせておいて、13曲目（最後から2曲目）でI FALL IN LOVE TOO EASILYがきます。惚れっぽい自分を学習しないおバカさん”って歌ってるんですが、こんなの失恋した時に聴いたら…ため息１００回くらい出そうですね。個人的には、大好きな1枚なのでずっと大事に聴きたいなぁと思いますが、例の2曲が入っているので、今の恋がもし仮に終わってしまったらしばらく封印しそうな、そんな1枚です。