鈴木秀子先生・コミュニオンコミュの公開講座：鈴木秀子先生の文学と人生

白いパンツスーツ姿の秀子先生が颯爽と入ってこられると、お教室にさわやかな風が吹いたようでした。

まず・・・

聴き方の大切さ

についてのお話から始まりました。

まず自分の気持ちは脇に置いてください・・・自分の感情に焦点をあてない・・・

～～言ってらっしゃるんですね。
～～面白いとお感じになったんですね。
～～気づかれたんですね。

と言ったように、相手の言葉の最後を繰り返す。

また、相手のいいたいことを要約してみる訓練をしてみるといいそうです。
。
相手の気持ちを捕まえて、かえせるように・・・訓練が必要ですとのお話ですた。

先月の教材を使って、宿題の発表と先生のお話で進められました。

神谷美恵子著“生きがいについて”からある青年の体験談

このお話は、真髄をついているので、何度も読んでみると・・・自分を取り巻く連帯制を感じる事が出来るようになりますとのことでした。

自然との融合体験

僕は青年のころ、肋膜炎を患い、一人海辺に転地療養をして、半年ほどすごい増した。人生について深刻に悩み、毎日のように海岸を散歩しつつ色々考えていました。
ある曇った日に、浜の草の上に横たわって、じっと雲と海と松の木と砂浜を見つめていると、ふと、自分の体の下の草を通して大地がしっかりと自分を支えあげていてくれるのが体にはっきりとかんじられるような気がしました。
雲を通して、太陽の光が放射状に輝いていましたが、その光線はみな、僕の心に向かって暖かさを降り注いでいるようでした。
波の静かな音も、不意義な力を帯びて、僕に語りかけているようです。言うに言われぬ深い喜びとやすらぎが僕の全身全霊を浸しました。
人間を超えた大きな生命の河の流れに運ばれている感じ、否、僕自身がその河になってしまったような感じでした。

中原中也の“春の狂態”より

愛する者は死んだのですから、
たいかにそれは死んだのですから、

もはやどうにもならぬのですから、
そのもののために、そのもののために、

奉仕の気持にならなけぁならない、
奉仕の気持にならなけぁならない

この詩を何度も読んで、瞑想して…出てくる絵を描いてみることが宿題でした。

10数人の方が発表をしてくださり、先生のお話が、更に理解を深めてれました。

いくつかのの例をあげてみると・・・

英語で言われる

“here and now”

　今、自分のひと呼吸の中に生きる。

過去を振り返って自分を消耗するのではなく、未来を憂いてとり越し苦労をすることで、自分を汚染するのではなく・・・
今、やるべきことに取り組む

子どもの頃に受けた、自分の力がそがれるような体験・・いわゆるトラウマ・・・
原因が自分でわかってきて・・・皆の前で発表できるようになる・・・克服できる。

詩の中に出てくる奉仕・・・

大きなことではなくて・・・小さなことでいいのです

。
祖母が作っていた梅ジュース…その娘である母に伝わり・・・娘である自分に伝わり・・・更に自分の娘へと伝わっている。

花伝書に出てくる…その時その時の花がある・・・
そのことから、秀子先生は片岡鶴太郎さんのお話をしてくださいました。
これからの人生の悩んでいた早朝、一輪の凛として咲くバラの花に出会います。
自分は拍手の波をただようようにいきている。
このバラは誰もみていなくても、こんなに凛と咲いている。
その突き抜けるような感動を絵に書いておこう…と絵を描き始めたのだそうです。

佐藤初音さんのに影響を受けた人は・・・

旬のお野菜をいただく・・・一瞬透明になる時がある・・・その時が一番美味しいのだそうです。
旬のお野菜の命が、人間の命に移し替えるときでもある・・・
そう考えると調理が楽しくその一瞬が楽しみになり…家族にも食べてもらいたいｔ・・・

阪神大震災で辛い体験をした人のお話から・・・
この現実は、どうしようもないのですから・・・
辛い時・苦しい時は、ひたすら泣く・悲しい、さびしい、心が痛い…しっかりと感じつくす。
決して愚痴を言いながら泣いてはいけません・・・
海に沈む時に、そこまで落ちて、地に足がついたら…一気に浮き上がることができるように・・・

何かと、誰かとうつながりを感じる…全体の中に自分が生かされていると気がつく・・・
誰かの役に立たせてもらいたい…これが自分の救いにつながっていく・・・

中原中也の一遍の詩から・・・人それぞれが体験を語り・・・感じ・・・

お教室に居た人全てに…必要な分かち合いだった気がしました。

秀子先生のお話に…勇気と気づきをいただいた授業でした。

最後に、10月まで…宿題は出しませんので、素敵な夏休みをお過ごしくださいとのことでした。

ただただ・・感謝でした。

今日のシスターです。

コメント(2)

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[1] mixiユーザー 06月18日 23:10

いつも講座内容をシェアくださって、ありがとうございます。

＞聴き方の大切さについてのお話から始まりました。

私はこれまでそれなりに傾聴できているつもりでしたけれども、
ここ数週間、職場でその未熟さを思い知らされる出来事が続き、
かなり自信を喪失していた折でしたので、特に心に響きました。

そして、自然との融合体験や“here and now”のお話など、
どれも心の深いところにつながってくるお話だったのですね。

＞辛い時・苦しい時は、ひたすら泣く・悲しい、さびしい、心が痛い…しっかりと感じつくす。

実は先日、鈴木先生の『愛と癒しのコミュニオン』でも取り上げられている
『モリー先生との火曜日』を読んで「感じつくす」ことの大切さを痛感しました。

感情の問題は、まさにトラウマにもつながるとても難しいことだと思いますし、
それが世の人間関係の悩みの根源にあることは疑いようもありませんけれども、
決してそれを避けることによっては、問題は何ら根本的に解決しないのですね。

目の前の課題に取り組む勇気をいただいた気がします。ありがとうございます。

[2] mixiユーザー 06月19日 10:48

Mirrorcleさん
ありがとうございます

傾聴は、日常生活の中でも大切だと思っています。
実践するのは、難しく・・・
今回も、秀子先生の実践を伴ったお話を伺うことができました。
改めて、再確認できた気がしています。

自分に焦点をあてない・・・自分をわきに置く・・・
でも、つい自分の意見を、感じたことを言いたくなってしまいます。

Mirrorcleさんは、常日頃・・・傾聴を心がけ、
真摯に物事に向かわれていて・・・いつも尊敬しています。

タイミングがよかったとすれば・・・課題に取り組むきっかけになったとすれば・・・
やはり、Mirrorcleさんの心が整っていたからだと思いました。

ハートで感じて、ハートで見ていらっしゃるからでしょうか・・・

いつも、ありがとうございます。

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