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ガラクタ写真機研究同好会コミュのニコン ニコマート FTN前期型

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【メーカ型名】

 ニコマート FTN 前期型(1967年発売)

 (写真の個体は、1971年に追加発売された、Aマット採用モデル) 



【カテゴリ】

 35ミリフィルム一眼レフ レンズ交換可能 金属外装 金属フレーム 現行生産レンズあり(ただし、AFレンズのうち、絞りリングのないレンズは使用できないし、爪付け改造しないと正規の状態で露出計が使えないので、一応現在のレンズも使用可能な物がある、と言うのが正しい表現) 機械式シャッター採用 赤外フィルム使用可能 



【採用マウント】

 ニコンFマウント 従来方式露出計連動機能付き(開放F値半自動設定方式採用モデル。これが手動だったのが1965年発売の、ニコマートFTである。そして、メーターレスのがFS。)



【主要な仕様諸元】

 35ミリフィルム使用、縦走り式フォーカルプレーンシャッター一眼レフカメラ。全速度機械制御式で、TTL露出計を内蔵。内製の横走りチタン幕でなく、当時数多くのメーカーの協力体制で、何とか実用化にこぎつけた国産初期の縦走りシャッター採用である。1/1000−1秒とB(バルブ)で、シンクロは1/125と、当時としては画期的な高性能シャッター搭載カメラだった。この頃は、キヤノンで実質X=1/55だったのだが、低価格機では1/45でも普通だった(ミノルタSR−1が代表だが、前期タイプのペンタックスSシリーズでも大体この値)中で、1/125シンクロはかなり誇れる性能だったのは間違いないだろう。ごく最近のカメラであっても、シンクロ速度は1/125だったり、機種によるとそれ以下だったりする物もある。この頃からそれを実現して実用機クラスに投入した事の意義は、思ったよりも大きいと思う。当時の照明のメインは大衆機ならフラッシュバルブで、M端子も用意されていたりするので、この機能を頻用した人がどれだけいたのかを考えると疑問はあるが、今に至るまで、エントリーニコンとしての座を保っている、性能上の隠れた理由と考えても良いと思う。

 予備角スイッチ採用で、この辺りは好みの分かれるところ。初期型では巻き上げレバーが金属ダイカスト一体成型物で、ここが後期型とのわかりやすい違いである。モデル末期にはプラ指当て付きの、ELなどでお馴染みの形状のレバーを採用したモデルも作られたようである。また、ごく初期のモデルにはお約束のAR−1取り付けネジがなく、ちょっと気をつけたい部分である。この辺りは製造時期により、細かく違うので、個々の個体を見てから考えるのが良いと思う。予備角を戻してもシャッターボタンはロックされない。気が付いたのだが、新しい世代の個体ではスプールも変更されたようで、白いポリで2箇所差込だったのが、黒いプラで差込が増えたようだ。後期物の方が言うまでもなく現代的である。

 1針式アナログメーター採用で、軍艦左上にもメーターがあるのは、この世代のニコン一眼レフのお約束であるが、この頃の露出計が今でも元気に動くのか? と言われると、かなり苦しい。実際、受光体不良や可変抵抗磨耗によるメーター不動や針が不安定な動きをする個体が少なからずあり、後にF2のフォトミックファインダーDP−1で問題視され、あちらは磨耗対策がなされて寿命が大幅に延びた経緯があり、こちらも後期型でそうした見えない改良がなされている可能性はある。

 この他、シャッター速度のファインダー内表示もあり、古いカメラとしてはかなり現代化された機種であった。これで巻き戻しクランク引き上げで裏蓋開放が出来ればもっと現代機に近いのだが、サイドロック方式である。近い世代のカメラで、キヤノンもニコンのほかのカメラもこうなので、ストラップで引っ掛ける心配がない、と考えると安心な構造だが、現代機で慣れてしまうと古臭く感じる部分でもある。

 専門誌などで紹介されているのでご存知の方も多いかと思うが、開放F値を絞りリングを回してセットする、通称「ガチャガチャ」採用のカメラである。フォトミックヘッド採用の大ニコンと比べて、頭が重くなくてバランスが良いので、このカメラにはその意味でも当時ある程度の評価があったりした。しかし、元々は普及機種として開発されたカメラであり、業務用としての色合いが濃い大ニコンとは色々な面で違いは多い。

 拡張アクセサリはなく、せいぜいアクセサリシューと専用ケ−スくらいが関の山であるが、この頃の普及機はどれも大体そうだったので、開放測光対応のTTLメーターと、高性能シャッター、耐久性に富むメカシャッターというだけで、セールスポイントとしては十分すぎる位のアドバンテージのあるカメラだった。そのおかげで、ペンタックスSPやミノルタSR−1と並んで、この頃の日本カメラ界を代表する実用クラス一眼レフカメラの一つだった、と言っても、過言でないと思う。今でも使われている個体も少なくないだろうし、私たちが写真を始めた頃には、「ニコンを始めるなら、まずはこれ」と言われた機種である。既にFMもFEも発売されていて、レンズも新品はAiレンズにほぼ全数変更された後でも、このカメラへの評価が下がる事はなかった。数があるのでニコンの一眼レフとしては安く手に入った事もあるが、それだけ基本がしっかりできていて、使う側にとって魅力の多いカメラだった事は間違いない。

 フォーカシングスクリーンは、スプリットイメージの固定式。ただし、現在残されている流通個体の多くは、マイクロプリズムだろうと思われる。この頃は、マイクロプリズムの方が絞り込み時にも、暗いレンズでも使える、という事情から、一般向けにはこれの方が好まれたようである。やや大口径向きのようで、F3.5辺りで翳り始める。思い出してみると、Aマット採用の個体の方がずっと少ないように思う。
  
 注意点。アイピースリングは中ニコンと同じサイズなので現在でも手に入るが、この型で使用されている物を中ニコンに付けると、裏蓋干渉する。この頃のアイピースリングは、アクセサリシューを固定するのに使われていた事もあり、つばが大きいのだ。逆を言うと、アクセサリシューを取り付ける時には、この旧タイプが必要になる。小サイズのものでもシューの固定は出来るが、外しにくくなるのでやめた方が良い。

 また、F22までしか連動できない構造のようで、ド望遠はともかくとして、マクロではその点でちょっと不便かもしれないが、そこまで絞ると回析が顕著に出るだろうから、実用上の不便もないだろうと思うが、故障したと思い込んで「気合一発!」をかまさないように(汗)。

 事情が許せば、程度の良いケースを見つけて入れてあげるのが良いと思う。オリンパスのケースよりは安いはず。ニコマート共通で使えるようで、ELでもFT系でも同じケースで使えた。この世代のカメラケースは、カメラ本体が相対的に現在よりも相当高かった関係から、後の世代の製品とは比較にならないほど物が良い。変な意見になるけど、ケースに入れて撮影したい人にも、このカメラはおすすめ度数が高かったりする。あまり見かけないけど、ニコンFのケースにハードタイプがあり、ミノルタSRTにもハードケースがあるけど、さながら本革の小さなカバンである。これのはセミソフトだけど、下カバーはそれらと同じハードタイプであり、ペンタSPのケースよりも高級感がある。同じ世代の最大手メーカーの製品とは大きな違いである(汗)。
 中ニコンなどのような、80年代以降の製品との大きな違いである。このあたりは散々言われて、最近ではまたかなりケースが改善してきたが、やはりこの時代のケースは出来が良い。



【入手のキッカケ】

 学生時代に欲しかったんだが、マトモなものは当時結構高かったので、あきらめていたんだが、このコミュニティを立ち上げた時、この機種だけは必ずレポに挙げようと心に決めていたので、長い事?探し求めていた。



【銀の取得価格】

 本体単独、3150円(ハードオフジャンク) 
 部品取り 4120円だったか?(平成2年頃)
 追加2号機2604円(3990円から下げ、行きつけのリサイクルショップ)
 


【普通に買うと、どんなもん?】

 どの程度か、により、大きな開きがあるが、高く買っても2万少し超える程度か。FSはレアモデルの一つで、妙な人気があるので今でも結構するが、後継機のFT2とか3でなければそんなに高くもないだろうと思います。何しろ、潜在数は少なくないカメラで、ちと高いかな? と思っても、他で出てくる事もあると思うので、平均相場というのが今は出しにくくなってきているモデルでもあり、何ともいえないのが苦しいところです。

 

【入手時の状態】

 プリズム腐食、ミラーモルトこっぱみじん(爆)。しかし、ナゼか裏蓋モルトは張り替えてあり、本体のキズもほとんどなかった。使う時はケースに入れたままで、その後屋外の物置(発見された場所から察するに、レベルの高い土蔵か何かと思われる)に死蔵されていた可能性が高い。

 スクリーンには派手にキズがあるが、ミラーは月並みなキズ程度で、この辺りがよくわからない。誰かがレストアを試みたんだろうか?

 2号機の方はミラーの動きが怪しくなり始めていて、巻き戻しクランクのバネが失われている以外は、モルトは別としてまだ使える状態の個体だった。
 


【直した所】

 ミラーモルトのみで今の所。ここだけは直さないと、ニコンとペンタは怖いからね。メーターがどちらも完調(Aマット機は精度もまずまず出ている)なのが奇跡的である。裏蓋ロックのガイド部分がネジ緩みを起こしていたので、張り革をはがして締めなおし。

 気に入らない、というのではなく、実は相当前(平成2年頃)に部品取りレベルの同じ機種を手に入れていた関係から、プリズム交換はしてみた。ついでにアイピースレンズも清掃。気分良くなりました。余った部品でもう一台、2号機の巻き戻しクランクは黒を付けてあげた。コレだけで少し、イヤ、結構カッコ良くなった(爆)。

 

【こんな方には勧めません(σ・∀・)σ】

 1、拡張性が欲しいアナタ(σ・∀・)σ
→本体系の、レンズ以外の交換可能なアイテムが何もない。割り切って使うとすれば、それはそれで良いんだが、この後にこれをベースに改良を重ねて積み上げられて結果の中ニコンから見比べると、確かにあからさまにこの面では見劣りする。ライバル各社のカメラから見ても、ここまでシンプルを極めた機種は、昭和30年代のカメラ。逆にそれが潔いんだが、システムカメラの楽しさを知ると、そこを物足りなさと感じるのは自然だろうと思う。

 2、どうも、大きくて重いカメラが苦手なアナタ(σ・∀・)σ
→SPと比べて、パーツレベルが重いんだろうと思う。しかし、それだけ丈夫に作られている、という考え方も出来なくはない。しかし、ELよりも持った感じはまだかなり軽い。この頃のカメラとして見ると、平均的だと思うけど、MEから見たらでかいのは間違いないし、中ニコンから見たらかなり重く感じる。



【こんなアナタにおすすめですヽ(´∀`)ノ】

 1、クラシックカメラを手始めに、というアナタ
→状態が良い物を見つけてくれば、今でも十分以上に使える安いのはコレかSPだが、こちらは開放測光対応で、シャッター速度ファインダー内表示もあり、かなり現代的に使える。ただし、壊すとやや直しにくいカメラで、SPのように「さっさと買い換えるか、部品取りを見つけるか、やっちまうか(爆)」といったお気楽カメラライフにはやや向かない。人気と個体数の関係、SPよりも良い物は高いし、そもそも手に入れにくい。

 2、どうせ今なら安いので、従来方式のレンズをメインにシステムを組もうと検討しているアナタ
→この場合、Aiの本体で絞り込み測光で使うと考えても、手軽で安い個体がそんなにないので、それならFTN、という、昔からの流れでそのまま行くのが正解かと思われます。EL系統よりは安心感があるし(爆)。F2とかFと比べても、物としての本来の価値である「使う事」に関してのペナルティがそんなに大きいわけではなく、むしろ「どうせ安いカメラなんだから、使ってなんぼ」と割り切るなら、こちらの方が向いているという考え方も出来る。



【購入時の注意点】

 この世代のカメラの場合、アイピース周りの傷みは普通に見られるので、ここには目をつぶる代わりに、他がキチンとしている個体を見つける方が良い。ここは移植が容易で、その代わり、直せない電気系統が悲惨な状態になっていない個体を見つけてくる、という意味です。このカメラは長い間、エントリーニコンとして数多くのユーザーに使われてきた経緯があり、物の数の割りに程度の良い個体が予想以上に少なく、よく見てみると、「終わってるw」個体が少なからずある。



【使ってみました(爆)】

 SPが比較的早い時期に安くなったのとは対照的に、このカメラはそれなりに長い間、従来レンズメインで使うときの、F2とかFMの代用品としてのはっきりした地位があった関係、マトモな個体が激安になったのは意外と最近の話だと思う。物として見ると、確かに「安く作ったな」と思われる部分がないわけではないが、後のAE−1等のような、プラメインの外装部品から見たら、よほど「メカ超合金モデル(爆)」でよろしい。OM−1とかのような洗練された美しさはないものの、使うだけならこれで十分以上である。むしろ、レンズが探しやすい事に関して言うならば、既に良い状態のレンズが見つけにくくなってきているキヤノンFDレンズとか、オリンパスOMシステム、あるいはミノルタ、ペンタックスよりも、レンズは十分に数があり、購入後にレンズ探しで苦しまなくて済む事はありがたい事なのだ。AFレンズでも爪が付くものは使えなくはないし、後でAiレンズと併用するもよし、いっそ割り切ってFとかF2とペアで使うもよし。レンズで困りにくいニコンならではの魅力である。この辺りに関しては、後のFMに通じる部分があるが、OM−1タイプの露出計に、あちらにはないシャッター速度ファインダー内表示があり、この面でもメカ機としては結構貴重だったりする。

 SPとOM−1はファインダー内にシャッター速度の表示がないし、ペンタのKシリーズでもフル表示になるのは限られた機種だけである。この辺りの価格帯で、メカでこれがあるのは他にはキヤノンのFTb後期型とか、ミノルタでSRのTシリーズなどがあるが、今でも使えるレンズの種類の幅と個体数ではぶっちぎりでニコンの勝ちであろう。そうして考えてみると、当時のライバル競争を今でも思い起こさせてくれる、歴史の生き証人なんだとつくづく思う。

 レンズを外してシャッターを切ると、結構安っぽい音がして萎えるんだが、その割りに使用感は悪くないし、レンズを付けると収まりの良い音に変わる。この辺りがよくわからん(爆)。遊びがないわけではなく、だらしなさもないわけではないカメラだが、不思議と可愛らしさのあるメカ機である。そのあたりに付いては、やはりこれを引き継いだFMに近いフィールともいえる。

 このカメラのコンセプトは、後にFMとなり、脈々と続き、一つのスタンダードとして今でも使われ続けている、中ニコンに受け継がれる事になるわけだが、原点であるこのニコマートシリーズの顔、FTNを持って使ってみると、FMとはまた違う「しっかりしたカメラの良さ」というものを感じさせてくれる。ちとでかくて重く、操作に関しては古典機種の感覚を残していて、決して現代的ではないんだが、安っぽすぎない音(FMはここが問題だと思う)が何とも言えない良さをかもし出してくれる。カリカリのフィールのF2と違い、優しさがあって、Fほど使いにくくない。このカメラが、なんだかんだ言っても発売から30年近く、FM2が安くなり始めるまで「ニコンメカ機の第一歩」として愛され続けた理由の一つなんだろうと思います。今でこそ、FT2以降の改良されたモデルが安くなってきたとは言え、FTNの長きに渡る現役時の販売年数から見たら、そうした改良モデルはほとんどが過渡期モデルであり、それぞれの生産年数が短かった事から、安くなったのはこれも最近の話で、コレクターズモデルとしてみなされていた側面があって、内容の割りに高かった感が否めなかった。

 使うだけなら、これで十分。今でもそうなのだから、ニコンの設計コンセプトと言うのは、当時からさすが、であった。そう感じさせてくれるのに、十分なカメラである。


 そこから導き出したイメージが、「白いソフトブラのようなカメラ」である。

 我々の世代の場合、はぢめての(爆)、というと地方じゃシミーズとかブラスリだったのだが、現代的にはコレになるだろう(爆)。当時は結構高かったのだが、今ではボロくなったかわりに安くなったし(爆)。
 コンパクトカメラ(=スリップ)でも、用は足りない事はないが、あれこれと色気付いた(爆)ら、やはり一眼レフ(=もっとお色気のある物)に手を伸ばしたくなる。あくまで実用品であるが、やはり色々とそれぞれの好み、用途に合わせて色々な製品が用意されているし、自分に合う、合わないもある。しかし、必要最低限で、はぢめての(爆)、という使い道には、やはりコレであろうか?
 安心感、使用感の良さもコレに類するし、見直されてりファインされて最生産され、ささやかに支えられているところもそうだろうか(ウォーキングブラとして、少々変化はしたが今でもこのデザインの製品があったりする)。ちとでかい所も、やや古くてダサ目な所も、似てると言えばそうであろう(爆)。カップ部がくたばっても、最低限の用を為すのはメカ機のメーター終わった後と似ているし(爆)。

コメント(2)

レンズを買ったらオマケで付いてきたカメラです(^^;
後期型FTnとEL
両方共完動品です

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