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CAC-社会起業家研究ネットワークコミュのノーベル平和賞受賞者ムハマド・ユヌス教授の講演を聴く

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昨年のノーベル平和賞受賞者ムハマド・ユヌス教授の講演会を今日午後聴きに行きました。

GRAMEEN BANK総裁のユヌス教授は、外務省さんの招待で来日中。
今日は、日経新聞社さんの主催の「来日記念講演会」で日経ホールで講演をされました。

ムハマド・ユヌス教授の言葉で印象的だったものは以下のようなものです。
(以下は、僕が理解したところに基づくものです。順不同。間違っている箇所、正確性を欠く部分があれば、正していただければ幸いです。)


・マイクロファイナンス(MF)は、(貧しい)人々を助けることを目的とした(金融)事業である。

・Social Businessとprofit-maximasing businessは、いづれもビジネスであり、profitを生むことを目指すことにおいては、同じである。

・Business is about making money, maximising profit.
Human beings are not money-making machines.
 Private sector には、ふたつある。
 profit-maximasing private sectorとsocial business private sectorである。

・Social Businessは、投資家が行った投資資金の投資家への還元は行うが、事業から生まれたprofitを投資家に還元することはせず、事業そのものに再投資するビジネス・モデルである。MFもそうであって、したがって、MFはSocial Businessのひとつである。

・Social Business does expand the scope of business, to do good to people.

・Social Businesses are social-objective-driven companies.

・Corporate Social Responsibility (CSR)事業は、営利企業として獲得した事業profitを投資家に還元するという意味において、Social businessではない。
 一方、NGOが行う事業については、profitを生む事業を志向しないという意味において、Social businessではない。

・近年、民間金融機関がMF事業に参入してきているが、profit (surplus)を投資家に還元する事業モデルはSocial Businessとは言えず、したがって、そのような事業はそもそもその性格上profit-maximasingな事業であって、 MF事業とは呼び得ない(MF事業と呼んではならない)。両者を峻別すべし。

・政府開発援助は「政府ー政府(government-to-government」ベースで行われているが、private sectorやcivil societyなどにも広げるべし。
 政府開発援助で行われるインフラストラクチャー建設支援については、そのインフラの運営を途上国政府部門に委ねるのではなく、運営民間会社を設立する形にし、住民自身が株主となり、住民がオウナーシップを持つ形にし、運営業務は専門会社に委託することを、などがviableであって、その方が望ましかろう。

・政府開発援助は以下のような新しい形態の支援を行うことができよう。
 ー社会公益性の高い事業を行うSocial Businessの資金面(capital)の支援を行う。
 ードナー国側の若い人材が開発途上国でのSocial Businessを立ち上げられるよう支援する。コンペティションを主催して、優れたSocial Business plansを募るのが良い。このようなコンペティションの開催自体が、innovativeなアイデアを生み出すきっかけとなり、広く人々を啓発する効果を有する面も忘れてはならない。。
 ーSocial Business Fundを立ち上げ、貸付(間接金融)や株式取得(直接金融)を通じた支援を行う。Social Business Fundの設立については、アジア開発銀行(ADB)が支援を行うことも望ましいと考えており、日本政府は同行に対して大変に大きな影響力を行使しうる立場にいるので、その意味でも日本に期待したい。

・政府開発援助には制約があるかもしれないが、それはブレイクスルーしうると信じる。母国バングラデシュでもGRAMEEN BANK最初はのようなビジネスモデルを可能とする制度構築のための法令上の制約を取り除くことは極めて困難と思われたが、これに永年取り組み、ついに法令自体を変えることに成功した。制約が法令上のものであるならば、法は変えうる。諦めてはならない。

既によく知られているDanoneのヨーグルト事業の例をSocial Businessのひとつ、として挙げておられました。Danoneという固有は社名を教授自身は敢えて使われないようにされたと思いますが。


日経新聞社のモデレーターの方が、大和総研の金田CSR室次長に質問を振り、金田さんは、二つの質問をされました。(あくまでも、僕が理解したところ。)
 ・social entrepreneur個人への支援の仕組みを政府開発援助でつくることができるのではないかと考えるが、如何か。そのような先行例ありや。
 ・昨年のOxfordでのSkoll大会に自分も参加し、その際ユヌス教授の講演も拝聴した。social stock marketの創設の先行例ありや。

金田さんの質問はとても良かったと思います。ひょっとすると、金田さんは、(第一人者であられるので) ご自身で回答を既にご存知なのかもしれないが、と感じてしまいましたが、、、

前者の質問に対するユヌス教授の答えは、残念ながら、いささか、肝心の質問ポイントからずれてしまっていました。同時通訳の問題か、教授の聞き違い、勘違い、答え損ね、か。

国際銀行の篠沢総裁は、なにか貸し付けの事例を紹介されていました。それと、なにか事務的な面の制約、限界を話され、どうしたものか、それが、それ以降の議論の流れを作ってしまったようなところがあり、まことに残念でした。
何のために比較的事務的なレベルと思われるような制度上の制約を話されたんですかね? その発言がかえって講演後の議論の基調を「援助の限界」を前提にしたものとなってしまった感があります。
ぼくたちが聴きたかったのは、いまさら、こういう限界があって、という話ではなくて、どういうことならできる、できそうだ、こういうアイデアがある、できるかもしれないので真剣に検討したい、そういう話を聴きたかったんですけどね。そうじゃありませんか。
それと、本題とは関係ありませんが、国際派にしては珍しく、発言時にドメスティックな日本人にはありがちな、 hissing through the teeth (言葉を出すときに、歯の間から外に向かって吐息を通して、シーーーーーー、という特に意味のない音を出すこと)を繰り返しておられました。英語では、まさか、なさっていないよね、と思ってしまいましたが、、、

国際機構の緒方さんは、social service とsocial businessの違いって??? と、若干首を傾げておられたような雰囲気でした。

いづれにしても、モデレーターの方の進行振りもあってか、おふたりはほとんど話す時間がなく、消化不良、不完全燃焼の気配を漂わせておられました。

新生銀行社長のティエリー・ポルテさんは、first nameから、フランス人か、ベルギー人かな、となんとなく思っていましたが、あの英語のアクセントは完璧なアメリカ訛りの英語でした。もっとsocial stock market関連のお話をしていただけたのではないかと思いましたが、何故かは理解できませんが、触れられませんでした。



ユヌス教授の話は、よかったですよ。

Think differently. と言われたのがいいですね。

MFを超えて、と言うか、MFを含むSocial business as suchの話を基調として講演を進められたことが何より好印象につながっています。

こういう方こそ、ヴィジョンに満ちたリーダー、という感じがしました。この人は、違う、と。人間が、大きい。

以上、独断による感想、報告です。

日経新聞社さんによると、明日7月10日の朝刊で結果概要を紹介し、及び18日の朝刊では特集で詳細に報告するとのことでした。正確を期すためには、そちらの方をご参照下さい。

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