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報道STATIONコミュの今日何があったか

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 まっすぐに、ねじまがったりしている“線”は世の中の感情を比喩しています。交差する線の間から、みなさんは今日なにを見て、なにを考えましたか? 報道STATIONのグラフィックデザインイメージは「ものごとを観る視点」がテーマになっています。

線が交差している様子がわかりにくい方は「あやとり」を思い浮かべてみて下さい。ひもを掛けたあなたの両手はいくつの型を覚えているでしょうか・・・というのが目的ではなくて、両手の指のあいだで編んだひもの様子を上から下から角度を変えて観てみましょう、そうすると中のたかちが変化するはずです。しかしこれだけだと、ただの視点の移動にすぎないので、次にこの「あやとり」の意味を探ってみましょう。
 あやとりの語源は、布を織る工程から来ていて、たて糸とよこ糸の関係を「綾」と呼んでいます。この糸の端を結んで輪を作り、2人で取り合って遊んだことから「あやとり」と呼ばれるようになったそうです。言葉のあやでもめごとになる。などの「あや」もここから来ていますが、ここまではだいたい想像できた人もいるでしょう。
 ちょっと視点を変えてみましょう。語源を聞くと日本の文化のように感じますが、実は日本だけが発祥の地ではなく、世界でも知られていて、その国独特の技や型があります。あやとりの呼び名は国によって違っていて、語源にもそれぞれ意味があって面白く、英語では「猫のゆりかご」と呼ばれ、カゴのような型が出来たことからそう名づけられたといわれています。
 「ものごとを観る視点」をテーマにした意図は、報道STATIONがお送りするニュースには様々な視点を吟味したり、特別な視点で切り開くというような、創意工夫が込められていますよ、というメッセージを持たせたかったからです。

 グラフィックにみえる、5つの色彩に分けられた画面に、白と黒の線が交差する様子はみなさんにはどんな様子に見えるでしょうか。大きく弧を描くのびやかな線は楽しい感情なのかもしれません。直線に区切られた黄色い三角形を事件の断片と考えてみましょう。よく観てみると断片の真ん中を白い線が貫いています、これは何を意味しているのでしょうか。

 社会の物事や感情は、絡み合いながらダイナミックに動き続けています。中にはもつれて破綻しそうな感情も見えます。みえるままに感じ取るだけでなく、時には立ち止まって観察し、考えることも必要だと思います。けれどもテレビ放送は止まりませんから、止めてみるべきポイント=切り口をつくってみなさんと一緒に考えていく、グラフィックはこの橋渡しになるような展開や、アイデアを持たせていこうと考えています。





 グラフィックのイメージを考え着いたのは放送から3ヶ月前。「報道STATION」のタイトルもまだ決まっていませんでした。急に頭の中で「ぱっ。」という具合に浮かびました。私のインスピレーションはいつもそういうふうにやってきます。テレビをつけた時のような感じです。

 18年も続いた番組のあとに新しいものをつくるいうのはどんなものかというと、不安とプレッシャーでうろたえながらも、なぜか楽しいといった気分でした。自分でもブキミな感覚だと思いましたが、いま思えば、永く続けているものほど状態を保つことが難しくて、ゼロから始める作業のほうが簡単ということなのだろうと思います。
 ゼロといっても「無いモノ」にデザインするということは、空気で形を作って色を塗るようなものなので、デザインの土台となるおおまかな内容と、コンセプトを把握するために、プロデューサーや出演者にヒアリングを行って、番組の普遍的なテーマとなるものを材料にしました。それは、ニュース番組というものの原点に帰って、素直に、まっすぐな気持ちで伝えたいというイメージでした。

 イメージを見えるモノにするためにいつも私がとる行動は、ヒントになる言葉や断片的なイメージを何度も繰り返しながら、何も描かれていない白い紙や、電源の入っていないテレビをじっと見つめたりします。たまたまそばを通りかかった人には何度か不思議な顔をされたように思いますが・・・気にしません。そうしてじっと画面をみつめていると、ほどこすべきデザインのディティールが「ぱっ」と決まるのです。何もない画面でなにを考えているのかというと、番組のPRや本放送、事件を伝える場面といった、実際の映像が流れている様子を想像で描いてみて、イメージにぴったりくる要素を組み立てる作業をしています。

 デザインとはおおまかに2つの特性によって存在を現します。ひとつは装飾性。見栄えの要素となるカタチや色は見る人の印象を左右します。もうひとつは機能性。試行錯誤によって洗練された使い勝手や情報伝達の優劣に影響します。デザインの基準として目指すポイントは、テーマという土台の上にこの2つの要素を乗せた時のバランスを探ることです。
 例えば、あなたが買い物をしている場面を思い出してください。そこに似たような2つのカバンがあったとします、ひとつは自分の使い勝手にとても合っていると思うけれど、カタチがちょっと気に入らない。もうひとつはカタチはしっくりきていて気に入ったけれど使い勝手が悪そうで、あなたはなかなか決断することができません。そこで、選ぶことに疲れて店の外へふと目をやると、ショーウィンドウにもうひとつ似たデザインのカバンが飾られています。近づいて手に取った瞬間、さっきまで悩んでいた2つのカバンの気に入った特徴を併せ持ったものだと気が付きます。この気が付く瞬間の「ぱっ」という感じが、私のインスピレーションの感覚に似ています。

 報道STATIONのデザインについて、装飾性と機能性のバランスはどのようにして見て取れるのかというと、一度みれば印象が残る、ほかにはない「色」の組み合わせ、現代社会にまぎれ込む事件や歓喜は、ノイズとして表現した「線」から知ることが出来ます。面と線のみを使うグラフィックデザインの基礎的な手法、無駄を排除したシンプルな表現は、ニュース番組というものの原点に帰って、素直に、まっすぐな気持ちで伝えたいというテーマと、釣り合いが取れる表現だと気が付いたのです。

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