太極拳最高コミュの簡化二十四式太極拳　　１１３

?右顧、左肦、中定

　この動作については、左右の横移動は開立歩、中定は小開立歩に代表されるものであり、効果としては站樁(たんとう)とさして変わらないものと思われます。というより、これらは五行の理論を太極拳上に反映させようとして、つじつまを合わせるためのもののように思えてなりません。
　そのような手段を講じなくても、太極拳は十分にその真価を発揮できるのですから、理論的な裏付けなどは必要がないと思うのですが。
　手法の八法にも八卦として扱う太極拳論に、同様の主旨の記述を見ることができます。
　「掤捋擠按、即坎離震兌(かんりしんだ)四正方也。採、手偏に列　(字がありません)、肘靠、即乾坤艮(けんこんごん)巽(そん)
四斜角也」
　掤捋擠按は、北南東西の正しい方向で、採、手偏に列、肘靠は西北、南西、東北、北西の四つの斜めの角度である。
　ついてですからもう少し詳しく書いておきます。
坎　　北を表し、穴、埋める、陥る、易では水の意に取っています。
離　　南を表し、順を守れば物事が成就する様子を表しています。
震　　東を表し、雷、長男、木、土、勢い、揺れ動く、威光などを意味
　　　しています。
兌　　西を表し、易では沢、秋、少女を意味し、通る、通ずる、換え
　　　る、集まる意。
乾　　西北を表し、易の八卦の一つで上にあって強い、治める、
　　　始めるなどのかたち。
坤　　南西を表し、全て陰の要素からなる地、母、女、下を意味
　　　する。
艮　　東北を表し、止まって進まない形。
巽　　東南を表し、謙遜、従順、そなえる、従う、恭しいなどの意を
　　　表す。