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太極拳最高コミュの簡化二十四式太極拳 19

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6.用意不用力

 力を用いるのではなく意を用いるということです。太極拳では意・気・血といって意志を一番大切なものとして扱っています。但し意というのは、単に意志というだけではなくもう少し深い意味を含んでいます。
 意は洞察力ともいうべき透察する力、未来を予知するような察知する力、最良の現状認識をすることができる判断力、そして事態の発生・変化にも臨機応変に対処できる即応力などを総合したものを「意」といい、それらを集中力によって統合することです。
 力を用いるのではないとする「力」というのは、骨と筋肉によって梃子の原理に基づいて組成されていますから、あまり大きく影響するようなものは期待できません。その上、こちらの力より相手の力の方が勝っていれば、力は通用しないことになります。
 太極拳のバイブルといわれています王宗岳の太極拳経にこうあります。「察四両撥千斤之句、顕非力勝」、小さな力で大きな力をはじき返すという句を曇りのない目で良く見なさい。力がないことが勝るものであることを顕 (あらわ) しなさい。と。四両といいますのは重量の単位で、1両は約50g、10両で1斤、千斤は約550kgになります。
 四両は約200gということになります。ですからこの文章は、200gの力で550kgを弾き飛ばすほどの力を発揮する、ということになります。
 このことから分かりますように、太極拳というのは、ボクシングのように速さを競って、あるいは力を込めて打突するものではないということです。 
 こんな逸話が残されています。その昔、空手の大家が太極拳と対戦し勝つことができなかったということがありました。その空手の大家は何故?勝てなかったのか随分と考えたそうです。
 このことは何を意味しているかお気づきでしょうか。
 太極拳は力を使うものではないということです。力ではなく「勁・けい」を使います。
 この項目は太極拳の神髄に属する部分ですから、カルチャーセンターの性質を持つフィットネスクラブや一般の太極拳教室では、あまり話題に上ることのない事柄です。
 太極拳が使う「勁」を言葉で説明するのはとても難しいです。力に似てはいるものの力ではなく、物体から導き出されるものであるが物体ではない、意思の力と集中力を必要とするが意志力ではない、というような摩訶不思議な存在です。
 ここにある実験の記録があります。学研が2004年に編纂した「中国武術の本」の中で、中部大学工学部吉福康郎教授が「発勁の威力」を測定した記録です。勁を発したのは松田隆智老師で、70kgのコンクリートの塊を、僅か3cm手前の所から勁を発して飛ばしたというものです。
 普通に考えますと、これだけ重量のある物を飛ばすには、相当な技量を持っているキックボクシングの選手であるとか、かなりの体重の格闘家が相当の距離をおいて、体当たりでもしないと動かないものです。
 松田老師の勁に対する言葉を拝借します。「勁は段階を経て習得される。まず物理的に動作によって勁を生み出すことを学ぶ。力から勁に換えるという意味でこれを換勁という。次に生じた勁を整え、集中統一することを学んでいく。これが整勁だ。ここまできたら、次は実際にさまざまな用途によって勁を使い分ける段階になる。これを用勁という。
 発勁は用勁のひとつで、勁の力を爆発的に相手にぶつける技法のことだ。ほかにも、相手の力を受け流して無力化する化勁と呼ばれる技法もあれば、知覚神経を研ぎ澄ませて未然に相手の動きを察する聴勁など、勁にはさまざまな種類があり、活用法がある」というものですが、少しはご理解の足しになったでしょうか。
 用意不用力の原文です。
 太極拳論曰、此全是用意不用力。練太極拳、全身鬆開、不使有分毫之拙勁、以留滞于筋骨血脉之間、以自束縛、然后能軽霊変化、圓転自如。或疑、不用力何以能長力?蓋人身之有経絡、如地之有溝洫。溝洫不塞而水流、経絡不閉而気通。如渾身僵勁充満経絡、気血停滞、転動不霊、牽動一発而全身動矣。若不用力而用意、意之所至、気即焉。如是気血注、日々貫輸、周流全身、无時停滞、久々練習、則得真正内経、即太極拳譜所云、「極柔軟、然后能極堅剛」。
 太極功夫純熟之人、臂膊如錦裹鉄、分量極沈。練外家拳者、用力則顕有力。不用力時、則甚軽浮。可見其力、乃外経、浮面之経也。外家之力、最易引功、故不尚也。

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