徳島VORTISコミュのプチコラム(4)　情熱を維持する方法　～とにかく語る～

　イタリア人はおしゃべり好きですが、本当に、まったく本当によく語り合います。サッカーについても例に漏れず。まず、テレビの番組だけでも試合終了後は３つほどあります。３つのチャンネルを占領しているわけです。それもただひたすらに今日の試合、選手についておじさん達が数人テーブルを囲んで、あーだこーだと議論するのです。

　ちょっと話がそれてしまいますが、イタリア人は相手に構わず一斉に話し出すので、とある番組では、５人くらいが同時にしゃべっていました…！

　それはともかくとしても、試合に参加しているつもりで応援すれば、それも当然のことかなと思うのです。選手や試合について言いたい放題の感もありますが、結局それが次の試合への期待にもなるのだと思います。クラブへの思い入れは、突き詰めると選手への思い入れですよね。

　選手への思い入れは、彼らのポジションと役割を理解することからも始まると思いますが、一方、選手を知れば知るほど、ポジションや試合に応じたフォーメーションが試合前から気になります。

　日本でもサッカーが好きな人はこんな感じだと思いますが、たくさんのファンを得るためには、まだサッカーというゲームに無縁の人たちにこういう楽しみを知ってもらう必要があるなぁと思います。まずは試合会場に来てもらうのが一番なのでしょうけれど。。。

　明日の試合はどんなフォーメーションで誰が先発なのか、イタリアでは前日から新聞や雑誌の多くの紙面がこの話題でいっぱいになります。ビッグタイトルの場合は、会場に行くと新聞の号外でスタメンとフォーメーションの最終予想内容が配られます。こういう内容を新聞や無料のチラシなどで配ると、少しずつ、あぁサッカーというのはこういう楽しみがあるのだなと分かってくるかもしれません。理解すればそれだけ試合を見るのが面白くなるし、応援にもつながりますね。

　私はまだまだサッカーについての知識が少ないですが、試合に通っていた2002-2003のシーズンが終わる頃にはミランの選手とフォーメーション、重要な相手チームのインテルやユベントスなどの情報は知らぬ間に頭の中に入っていました。もちろん長年のミランファンの解説付きで試合を見続けたことは大きいです。でもそのおかげでシーズン後半は、試合前になればスタメンやポジションが気になり、応援に熱が入る選手もでてきました。

　サッカー好きのみなさん、大いに語って周りの人々を洗脳してくださーい。

　会場まで行くのは、、、という人のために時折試合をテレビ中継するスポットがあるといいなぁと思います。チケット代の収入にはなりませんが、底辺でファンを増やすにはとても効果的だと思います。サッカーの雰囲気があるとよいので、グッズ販売店などでカフェも設けて、試合時にテレビを音楽からサッカーに切り替えられるとよいのかなと思います。

　そういうスポットはミラノでは今や、チケットを買えなかった場合の救いの場でもあります。サッカー関連のお店だけでなく、町中あちこちにそういうスポットがあります。もともとはサッカーが好きだけど試合には行けない飲食自営業の人たちが店内にテレビを置いたのが始まりだと思います。

　それがミラノの習慣(ハッピーアウワー。次号で紹介)と相まって、試合のある日は特定のバール（誰もが利用する開放的な喫茶店という感じかな）が必ず試合をテレビで流し、人が集まるようになったのでしょう。○○へ行けばワイワイ試合が見られる、というわけです。

　最近は庶民的な飲食店にもテレビを置いて、飲み物代だけで開放するところも増えています。そんな日は店員さんも試合に夢中でなかなかオーダーに来てくれません…！

(写真)
2003.5.7　ミランダービー
ぴろしさんと一緒に観戦した試合です。