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DOG HUNTのページコミュの9th hunt

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Dog race

 「ドンッドンッドンッ」
今朝もこの呪われた音で起こされた。時計を見たら夕方といってもいい時間だったので俺は仕方なくドアを開けた。ジャックだった。ジャックは流しのギタリスト風の格好をした同業者だ。最近は俺の師匠であるドラゴンの新しいビジネスを手伝っている。
 「やぁお目覚めかいドッグ。」「いや、いいんだ。起きるのには悪くない時間だ。夕方は起きるのにはいい。あとは横にそれなりの女がいた事実(温もり)でもあれば申し分ない。」
 「ドッグ、ドラゴンの方の準備は出来たよ。今日はその報告でさ。」「へぇ〜とうとうオーシャンなんとかが出来たか。」「ドッグさ・・・・オーシャンなんとかってさ・・・。」「俺はフランス語が苦手でね。英語ならまだいいんだけど。」ジャックの目が細くなった。俺はコーヒーを淹れることにした。
 ジャックが言うにはドラゴンの新しいビジネスは人材派遣と運送と売買が主なようらしい。しかし実態は反政府を掲げる集まりだ。皆ボガート公国に下るのを良しと思っていない。だがこの街にリーダーはいない。反政府の団体はけっこうあるしこの街の住人は基本は好戦的だ。またこの街の住人なら誰もが思うことだが、その反面いつかはボガート公国とやり合う時が来るだろうと不安でもある。ボガート公国はこれまでに諸街を制圧してきた。ドラゴンとジャックが創ったのはこの制圧に対抗するためのものでもある。
 そういえば先日チーコが「私たちもね、何かあった時に戦おうと思ってるの。それで岡の娘の中でも特に元気のいいのを集めてチームを作ったの。」なんて言っていた。名前を聞いて思わず吹いてしまった。「大勝奥さん会」と笑いながら言っていた。人生の大勝とお嫁さんになることを願ってつけた名前だという。
 オーシャン何とかは数十名の規模だというのだが、戦闘は出来るのだろうか。それを聞くと戦闘だけが業務ではないと釘を刺された。「ところでドラゴンはどうしてる。」「あぁ、来るよ。ここに。」そうか・・・来るのかうるさい師匠が・・・・。
 バンッ扉が開いた。ずいぶんと乱暴な開け方だ。「乱暴にするなよ。こっちにどうぞ、コーヒーを淹れたよ。」予想外の声での返事が返ってきた。「今日こそは刀の錆にしてくれるぞ、ドッグ。」土方の登場だ。「あんたに良いこと教えてやる。そういうセリフ回しをしてると、優秀なのにあと一歩ってとこでしくじるんだぜ。とくに人を捕らえようなんて時に言ってはいけない。」「フン。下らんな。刀を抜け。」ジャックが俺たちに「やるならどうぞ外でやってくれよな。コーヒーを飲んでるからよ。」やれやれ土方はしつこい男だ。遠路はるばるで可哀想だから少し相手をするか・・・しかしこの男は強いからなぁ・・・
 おもてに出てとりあえず刀を抜く。土方の目がこの前と違う。何か焦点が合ってないような、息使いも荒い気がする。「やぁー」土方が踏み込み俺の頭上目掛けて切り込んで来る。その斬激を受けたそのせつなだ。「止めぇ。」大きい声が土方を制止させた。「その試合まった。」ドラゴンの声だ。ようやく来たか。上手いこと言って土方の相手をしてもらうか。
 「ようドッグ。久しぶりじゃな。」笑顔でこっちに向かってくる。マートも一緒だ。すぐそこで会ったのでコーヒーに誘ったとのこと。勿論コーヒーは俺が淹れたものだ。我が師はサングラスをかけてカウボーイハットを目深に被っていた。こちらに来ると土方が「なぜ止めた。」と話しかけた。
 「いい一撃ぜよ。・・・だからこそいけない。中途半端な切り込みならまだわかる・・・どうにもこうにも上を見上げることが出来ん、中途半端な野郎のやけくそならまだいいがじゃ・・・そんなんなら斬られても問題ないきに。気合の入った一撃を迷いながら繰り出すがは何事ぜよ。怪我じゃすまんきに。」師匠・・・この人は俺を殺すことを今の生きがいにしてるのですよ・・・・。「ええか、正しいもんも間違った使い方をすりゃあ間違ったもんになる。間違ったもんも正しい使い方をすりゃ正しいもんになる。」「偉そうに・・・・あんた何者だ。」「わしゃ、ドラゴンゆうて、ちっちゃい会社の社長しちょる。」「悪いが、顔を見せてくれないか。」ドラゴンが帽子を取り中から縮れた毛が出てきた。サングラスをはずすと。「き、貴様、貴様もこの世界に飛ばされたのか・・・・それでか、見回り組みの連中に尋問したらおかしな事をいっていたのは。」「どちらさんじゃったかのう。」「まぁいい。この世界に来て貴様を斬る道理はない。貴様にこの世界で会うとはな・・・お陰で吹っ切れたわ。マート確かに貴様のいう通り隊長は謀反を考えていたよ。昨今では特一の隊員も軍のやり方に嫌気がさしてる者しかおらん。謀反も時間の問題だ。特零も最近では任務をサボってるようだ。そろそろパーティーが始まるぜ。準備しておけよ。俺の情報では軍がこの街に来るのもそう遠くはなさそうだ。」特選部隊以外は烏合の衆だが・・・ヤレヤレだぜ。

 「ねぇドッグ、ドッグはなんか用意したりするのか。」マートがコーヒーを飲みながら言う。土方はまた特一に戻って行った。クーデターが本部にばれなければいいが、何かあった時に本部に言い付ける役である特零が仕事をしない今なら大丈夫だろう。「うーん・・・特に準備も用意もしないよ。俺の推理ではまだまだ余裕こいて大丈夫。」「なんでさ。」「あのなぁ西部の戦士達があるだろ、一つの雑誌にシリアスに革命だ戦争だ言ってる作品は二つもいらないんだよ。こっちはだらだらやればいい。特にこういう問題はおちゃらけないとボキャブラリーの無さで知性の低さがばれるし、やりすぎてもキチガイだと思われるからな。お前もあまり歴史とか政治のことは喋るなよ。頭悪いのばれるぞ。」「言っておくがなぁ、マフィアやってた頃なぁある程度ビッグになれたのは俺のお陰だぞ。俺の策略がなければなぁ・・・。」「アレは策略ではなく勘だ。お前は確かなラッキーマンだよ。」「はいはい。そえよりも何だかんだ言っても忙しくなるさ。」「なーに。いつだって俺は走ってるよ。前に進んでいるかはともかくとしてな。」マートがため息をつきながら、
「しかしさぁ、会うのは嫌だなぁ、トキの私物借りパクしてるし、アビリョーにも借金してるんだよね、正確には借金じゃないけどさ・・・・。ドンパチが始まったら二人に会う機会もあるだろうしなぁ。気が進まないなぁ。」いい加減に精神年齢は成長したらどうなんだか、マートは十代後半に見えるが実際は俺よりもオッサンだ。

 この街は平和ではない。マフィアやギャングが闊歩している。警察も奴らとつるみ持ちつ持たれつだ。如何わしい店もあり凶悪犯罪も毎日起こる。この街が好きなくせにこの街の住人になろうとはしない。しかし、ボガート公国に下るのには拒絶する。それはみんな一緒だ。ボガートに支配されれば犯罪も如何わしいものも無くなるだろうに。この街は混沌している。しかしこんな小汚い街を愛している。
 そんなことよりも俺は飯の種を作らないといけない。常に俺の家計は火の車だ。俺はやれやれだぜとため息と一緒にタバコの煙を吐いた。

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