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西岡昌紀ですがコミュの医療問題研究会『低線量・内部被曝の危険性/その医学的根拠』

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 広島・長崎の寿命調査(LSS)は、原爆被爆者約10万人を50年間にわたって追跡している研究です。広島長崎の調査というと、一瞬の高線量被曝調査を思い浮かべますが、この寿命調査は、対象の65%が100mSv以下の低線量といわれる被曝者を追ったものです。対照群のなかに0.005Sv被曝群が含まれるとか、最初の5年間のデータがないなど不十分な点が強調されますが、40年以上にわたって低線量被曝の実際に起こった被害を追ったという、低線量被曝の実際を知る上で世界的にも貴重なものです。
 2003年、放射線影響研究所のプレストンが、1950年から1997年までの、広島・長崎85,000人の被曝者のがん死のデータを発表しました。その結果は衝撃的ともいえるもので、低線量でも明らかにがん死が増加していました。前ページのグラフで、0.05Sv以下の被曝では、被曝しなかった集団に比べ、5から10%がん死が増加していました。0.5Svまでの累積では約30%の増加になります。前ページの表では、この増加率は1Sv当りでは約30%の増加になります。前ページの表では、この増加率は1Sv近くの高い被曝より低線量がむしろ高いという結果で、1Sv当りでは47%の増加に対して、0.125Sv以下の線量の方が、1.6倍(74%)がん死の率が高いという結果でした。0.055Svでも、がん死亡率が増加してることも明らかでした。
 ところがこの研究が、低線量といわれる0.1Sv以下の低線量でのがんについては確実に証明されていないという主張に利用されているのです。国連科学委員会やICRP以外にも、アメリカの電離放射線の生物影響に関する委員会(BEIR委員会)などでも正面切ってではありませんが引用されています。著者のプレストンがこの表をもとに、0.1Sv以下では低線量放射線とがんの関係については統計的に確かな証明はなされていない、と主張したからです。死亡率は上がるのに統計的には0.1Svまでは明らかと言えないというのは、明らかなごまかしなのですが、表のデータを細切れでみるとそれぞれの例数が少ないために統計的には差を証明できなくなるというからくりにすぎません。高線量の方は、下からどんどん蓄積されておくので例数が多くなり、発生頻度は少なくなっても差が証明されるというしかけです。本来こういった分析は、例えば表の0〜0.05Svの次は0.06〜0.1とでもする必要があり、累積で評価するなどもってのほかです。プレストンは論文の中で、このあたりについては、きわめて微妙な表現でごまかしていますが、間違った結論だけが世界中に流布されているのです。逆にこのデータからでは、明らかに0.1Sv以下の低線量被曝でがんが増えることが広島・長崎のLSS研究から実際に証明されたといえます。

(医療問題研究会『低線量・内部被曝の危険性/その医学的根拠』(耕文社・2011年)81〜82ページ)
http://www.amazon.co.jp/%E4%BD%8E%E7%B7%9A%E9%87%8F%E3%83%BB%E5%86%85%E9%83%A8%E8%A2%AB%E6%9B%9D%E3%81%AE%E5%8D%B1%E9%99%BA%E6%80%A7%E2%80%95%E3%81%9D%E3%81%AE%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E7%9A%84%E6%A0%B9%E6%8B%A0-%E5%8C%BB%E7%99%82%E5%95%8F%E9%A1%8C%E7%A0%94%E7%A9%B6%E4%BC%9A/dp/4863770189/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1391858947&sr=8-1&keywords=%E4%BD%8E%E7%B7%9A%E9%87%8F%E3%83%BB%E5%86%85%E9%83%A8%E8%A2%AB%E6%9B%9D%E3%81%AE


著者 伊集院真知子・入江紀夫・梅田忠斉・川崎恵子・高松勇・橋本健太郎・林敬次・室生詳・柳元和・山本英彦
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コメント(1)

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 広島・長崎の寿命調査(LSS)は、原爆被爆者約10万人を50年間にわたって追跡している研究です。広島長崎の調査というと、一瞬の高線量被曝調査を思い浮かべますが、この寿命調査は、対象の65%が100mSv以下の低線量といわれる被曝者を追ったものです。対照群のなかに0.005Sv被曝群が含まれるとか、最初の5年間のデータがないなど不十分な点が強調されますが、40年以上にわたって低線量被曝の実際に起こった被害を追ったという、低線量被曝の実際を知る上で世界的にも貴重なものです。
 2003年、放射線影響研究所のプレストンが、1950年から1997年までの、広島・長崎85,000人の被曝者のがん死のデータを発表しました。その結果は衝撃的ともいえるもので、低線量でも明らかにがん死が増加していました。前ページのグラフで、0.05Sv以下の被曝では、被曝しなかった集団に比べ、5から10%がん死が増加していました。0.5Svまでの累積では約30%の増加になります。前ページの表では、この増加率は1Sv当りでは約30%の増加になります。前ページの表では、この増加率は1Sv近くの高い被曝より低線量がむしろ高いという結果で、1Sv当りでは47%の増加に対して、0.125Sv以下の線量の方が、1.6倍(74%)がん死の率が高いという結果でした。0.055Svでも、がん死亡率が増加してることも明らかでした。
 ところがこの研究が、低線量といわれる0.1Sv以下の低線量でのがんについては確実に証明されていないという主張に利用されているのです。国連科学委員会やICRP以外にも、アメリカの電離放射線の生物影響に関する委員会(BEIR委員会)などでも正面切ってではありませんが引用されています。著者のプレストンがこの表をもとに、0.1Sv以下では低線量放射線とがんの関係については統計的に確かな証明はなされていない、と主張したからです。死亡率は上がるのに統計的には0.1Svまでは明らかと言えないというのは、明らかなごまかしなのですが、表のデータを細切れでみるとそれぞれの例数が少ないために統計的には差を証明できなくなるというからくりにすぎません。高線量の方は、下からどんどん蓄積されておくので例数が多くなり、発生頻度は少なくなっても差が証明されるというしかけです。本来こういった分析は、例えば表の0〜0.05Svの次は0.06〜0.1とでもする必要があり、累積で評価するなどもってのほかです。プレストンは論文の中で、このあたりについては、きわめて微妙な表現でごまかしていますが、間違った結論だけが世界中に流布されているのです。逆にこのデータからでは、明らかに0.1Sv以下の低線量被曝でがんが増えることが広島・長崎のLSS研究から実際に証明されたといえます。

(医療問題研究会『低線量・内部被曝の危険性/その医学的根拠』(耕文社・2011年)81〜82ページ)
http://www.amazon.co.jp/%E4%BD%8E%E7%B7%9A%E9%87%8F%E3%83%BB%E5%86%85%E9%83%A8%E8%A2%AB%E6%9B%9D%E3%81%AE%E5%8D%B1%E9%99%BA%E6%80%A7%E2%80%95%E3%81%9D%E3%81%AE%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E7%9A%84%E6%A0%B9%E6%8B%A0-%E5%8C%BB%E7%99%82%E5%95%8F%E9%A1%8C%E7%A0%94%E7%A9%B6%E4%BC%9A/dp/4863770189/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1391858947&sr=8-1&keywords=%E4%BD%8E%E7%B7%9A%E9%87%8F%E3%83%BB%E5%86%85%E9%83%A8%E8%A2%AB%E6%9B%9D%E3%81%AE


著者 伊集院真知子・入江紀夫・梅田忠斉・川崎恵子・高松勇・橋本健太郎・林敬次・室生詳・柳元和・山本英彦
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