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LA★MANCHAコミュのViaje el diario 5

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RE.BAR “CASA MINGO” にて
ポーリョアサード この店に初めて来たのは23年前になる。それ以来スペインに来る度に必ず一度は訪れる店のひとつになっている。今では日本のガイドブックにも良く紹介される有名店だ。内装も外観も昔から変わらない。石造りの外壁は外から見ると何か小さな要塞のようにも見えちょっと入るのがためらわれるが いつも地元の人や観光客で賑わっている。マドリードの伝統的なカージョスマドレーニャ(牛胃の煮込みマドリード風)などもあるが この店に来たら定番メニューのポーリョアサード(チキンの丸焼き)につきる。入り口から入ったすぐ横にガラス張りのLコーナーがあり そこで串刺しにされたチキンが何十羽とジュージューと次ぎから次ぎへと焼かれていく。自分も一緒に焼いたらさぞかしうまいだろうな、という感じの太ったコシネーロ(コックさん)がしたたり落ちる肉汁をかけながら焼いているだけで、特別なソースはつけていないのだ。運ばれたチキンを食べるには、もちろんナイフ・フォークもあるが 相手は大きな丸焼き。「えい面倒だ!」と少々行儀が悪いが手掴みで食べ、隣のカップルもそんな食べ方をしてりうから許されるだろう、パリッと焼かれた皮を食べ、肉を骨から外して皿に滴り落ちた肉汁を肉にしっかり付けて食べる。ブロイラーしか食べた事の無い最近の日本人にはちょっと歯ごたえを感じるほど固いが 口の中でモゴモゴしていると チキンが本来持っているであろう その野生的な味とコクが一体となり止まらなくなる。「食べ過ぎ 食べ過ぎ…」と思いながら 僕などついつい一羽丸ごと食べてしまう。が一般の日本人のお腹から言うと 一羽を二人で食べるのが丁度いい量だと思う。
極悪サラダ この店のレタスとトマト、オニオンスライスのサラダ。 塩、胡椒とビネガーを小分けしビニールパックされた小さなステンレスのトレイにラップしたまま出してくれるという、 なんとも味気ない姿でテーブルに登場する。「おい、おい !! こんな風に出すのはスペイン広しといえどもおまえの所だけだぞ!」と言いたくもなるのだが 実はこのサラダ、どの高級レストランで食べるそれの何倍もうまいのだ。いつも食べ終わったあとテーブルに乗ったそのトレイに僅かに残ったレタスやトマトの小さな切れ端をつつきながら思う「おまえはなんでこんなにうまいんだ。」いつからか僕はこのサラダに名前を付けた。あまりにも味気なく出され それなのにどこよりもうまい、なぜなのか? それがいまだに理解できない僕は このサラダにこの名前しか付けられない 悔しいのだ プロとしてこのうまさが理解できないことが…その名前は「極悪サラダ」。
シドラー この店のもう一つの定番シドラ(リンゴ酒)がある。シドラはスペインの大西洋に面したアストリア地方が主産地のはず。それがマドリードのこの店の定番になっているのがどうしてかは 判らないが 確かにポーリョアサードを食べながら この微発泡性の少し甘みを感じるシドラとの相性はいいと思う。 店の隅のテーブルで一人このチキンと例のサラダとシドラのボトルを前にしている僕は あのグラナダのアルハンブラ宮殿で美女何百人を侍らせていたアラブの王様より きっと幸せそうに見えることだろう。シドラーで少々フラついている腹ごなしのためにエチュガライまで歩くことにする。40〜50分くらいはかかりそうだが少し体を動かさないと夕食が食べれそうにない。改装されて奇麗になったエスタシオン デ ノルテ(国鉄の北駅)を横目に見ながらスペイン広場へ出てマヨール広場へと向かうことにする。途中あの有名な○○○○(王宮)の前を通る。その偉容を誇る建物は歴史的にも一見の価値はあるだろう。いつもツアーの観光バスが止まっているが さすがにこの時間は閑散としている。随分前に何度かこの王宮を訪れているが、もう観光名所は必要がない僕は通り過ぎるだけになっている。
この王宮の西方に1700ヘクタールにおよぶ信じられないほど広大なカサ デ カンポ(野原の家)公園が広がっている。僕はこちらの方がよほど好きだ。一部には売店や遊園地や動物園などもあるが ほとんどは野原や潅木の茂みなどの自然をしっかり残した公園で、スペインに住んでいたころは よく時間つぶしにブラブラとしたものだ。当時は野ウサギなども何度も見かけたが、今はどうなんだろう。その頃ここを訪れる日本人観光客はほんとに少なかったが あるときマヨール広場で日本の女性の旅行者に出会ったことがある。なんとなく意気投合して近くのBARで一杯飲んだあと(その時は僕もスペインに来て数ヶ月何も知らなかったのだが)いかにも「スペインのことは全部知っているよ!」なんて顔をして彼女をあちらこちら案内したあと、ボカデージョを買ってこの公園に来たことがある。二人でそれを食べながら随分話しをしたが何についてだったかは覚えていない。それから彼女とどうなったかも 「もう昔のことで忘れてしまった!!」。日本に帰国してから しばらくのちスペイン料理店を始めた僕は 経営に忙殺されその後何年間もこれなかったが その期間を除くと毎年、もう16回以上もこうしてスペインへ来ている。来る度に、一綴りの、それがどんな小さな村や町にも書き出したらきりのないほどの僕の思い出がある。 この国は僕にとって永遠の貴重な思い出の玉手箱だし、こうして来る度にその玉手箱を開けて新しい思い出を一つづつ そっと入れていくのが 僕の明日への活力ともなっている。

コメント(2)

よっ!男一匹!白木真! Viaje el diario の主人公!
訂正:本文中23年前は正確には31年前です!古っ!

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