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「神様のレシピ」コミュのレシピ15

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続きものです。
が、ここから、2章に突入ですので
そのままでも、読めないことはないかと思います。


レシピ1から読みたい人は、コチラをどうぞ↓
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=15038578&comm_id=1829902



  ***************

朝は6時半に起きて
お弁当を作る。

帰ってきてすぐお弁当箱出さず、言われなきゃ洗いもしないと、
お母さんは小言が多くて、こうるさい。
わかっちゃいるけどの反抗期。
うるせーうるせーと口論になった末
自分で作ることになってしまった。
口は災いの元だ。朝に弱いから致命的。

だけど慣れてしまえばどうってことない。
めんどくさいけどね。めんどくさいことしてくれていた親に感謝。

できる範囲は自分でやろうと
ココロ入れ替え、毎日できる範囲で(たまに買い弁)弁当作り。
遅刻してもお構いなしで、のんびりのびのび弁当作り。マイペース。

冷凍物をチンしたり
昨日の残りをつめるだけだから
お手軽すぎ。
そんなに時間はかからない。

お弁当を持っていくくせに
お茶を買ったり、パン買うかもしれないからと
お弁当代を親から巻き上げる。
相変わらず、ちゃっかりもの。

学校までは自転車で急げば10分ちょい。
25分までに滑り込めればいいわけだから
8時10分に家を出れば間に合う。

だけど、8時に横断歩道のところで
バス通学の、チカちゃんと待ち合わせてる。
中学入ってから、バス通学のチカちゃんと、
地元でチャリ通学の私は
バス停までの道のりが一緒だから、行き帰りは一緒にするようにしていた。
よく寝坊することもあったし、バスが遅れることもあったので
お互い5分待ってこなければ先に行くという約束でね。


だから、7時50分には家を出る。
コンビニ寄ってお茶も買いたいし。



「いってきまーす!!」




小学生のときからかわらない。
元気な声で、あわただしく、家を出る。

一日の始まりは、いつもこんな感じ。










こんな、感じ、だよね?





自分で自分に問いかける。


家のドアが閉まるまで
気が抜けない。

バタンとしまる音を、背中できく。


いや、違う、気が抜けないのはここからだ。



中学2年。夏休みは終わったけれど
まだちょっと暑い時期だったように、思う。




家を出るまでは慎重に
変わらない日常を演じる。

帰ってからも、そうだけど。


バレたらいけない。
バレたら、最後。

気を抜いたら、オシマイだ。


自転車に乗って
チカちゃんとの待ち合わせの場所の横断歩道とは
逆方向の駅へと向かう。

チカちゃんには、ちょっとだけ罪悪感。
5分間、待たせてごめんね。

公園のチャリ置き場に、自転車置いて
駅のトイレへ駆け込んで
かばんに詰め込まれた
私服に着替える。

かばんの中には、まだ温かなお弁当と財布、
それから生徒手帳が入っているだけ。

洋服詰め込んだら、教科書なんて入らないもん。






いいんだ。別に。

教科書なくたって。









だって、行く気が、ないんだから。







私服に着替えてしまえば、こっちのもの。


生理が始まってから
にょきにょき伸び始めた身長は
中2の頃には、170センチ近くあった。

制服さえ脱いでしまえば
一見子どもには見えないんだ。
身長のせいか、昔から年齢より上にみられていたのは
コンプレックスだったんだけど
こんなところで役に立つとはね。


ふぅっ、と。一息。


人の目がないところは落ち着く。
駅のトイレでも。


人の気配がないことを確認し、
そうっと外へ出る。


今度は早くここから離れなくっちゃいけない。
でも、その前にコンビニでお茶を買う。

駅の近くのコンビニならば
私服のわたしがうろちょろしてても
大丈夫。知ってる人はいないから。



世の中なんて、こんなもん。
所詮はみんな他人。他人事。





8時20分

なるべく静かな場所にある公衆電話を探し
生徒手帳を広げ、学校へ電話をかける。

携帯?あるかい。そんなもの。
まだポケベルが主流の時代よ。

ちょっと大人びた声色を使い
担任が出ない事を祈りながら、電話をかける。

「具合が悪いようなので、今日は休ませます」
一応、保護者のフリ。
そんなにうまくないから、事務の人にはばれてたかも。


慣れてるなぁと思われるかもしれないが
めちゃくちゃ緊張して
台本まで書いて、練習して、やっている。

んー。なんつー間違った方向の努力家。


とりあえず、コレで学校のほうには連絡おっけぇ。
学校から電話がかかってくることは、なし、と。


一つ課題クリアするたびに
息が漏れる。


いやいや、まだ、気は抜けないんだけど。
バクバクした心臓を、落ち着けなければ次の行動にうつせない。




なにやってるんだろ、私。

情けない気持ちと

泣きたくなる気持ちをおさえて

今度は、来た道をUターン。



家に帰るのです。
歩いてね。

自転車は学校が終わるまで公園のチャリ置き場に置かせてもらいます。



お金があれば、どこかへでかけるのも良かったかもしれないって思うけど
あったとしても、小心者だから、どこへも行けなかったと思う。
補導とかされちゃ、この苦労水の泡だ。



親にだけは、知られたくない。





渋谷へ向かう子たちとは同じにはなれなかった。
私は、もう、あまり、人と関わりたくなかったのかもしれない。

特に同年代は苦手だ。



もう疲れた。


結局、落ち着く場所は、我が家しか、ないんだ。
逃げ込める場所は、自分の家しか。自分の部屋しか。



早く、早く、帰らなきゃ

早く、私だけの場所に。



  レシピ16へつづく↓
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=15300111&comm_id=1829902

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