半島・岬コミュの富津岬

　南房総国定公園内。
　富津(ﾌｯﾂ)岬は、富津市の小糸川河口付近から東京湾に面して南西方向に約５㎞に亙って突き出した岬で、小糸川河口から岬の先端まで続く富津洲(ﾌｯﾂｽ)と呼ばれる細長い砂州と、そこから磯根崎まで続く富津平野と呼ばれる三角形の沖積平野から構成されますが、一般的には前者のみを富津岬と呼んでいます。南房総国定公園エリアの千葉県立富津公園となっている景勝の地です。
https://www.google.co.jp/maps/place/%E5%AF%8C%E6%B4%A5%E5%B2%AC/@35.3131353,139.7841292,17z/data=!3m1!4b1!4m5!3m4!1s0x60181344689b5961:0xfd3b8243a54e3ec3!8m2!3d35.3131353!4d139.7863179
　約６㎞離れた対岸の三浦半島観音崎とともに東京湾内湾と浦賀水道を区切る境界となっており、岬の北側では内湾の静かな波打ち際に富津干潟(ﾌｯﾂﾋｶﾞﾀ)が形成され、南側では外洋の荒波に対する防波堤の役割を果たしています。
　富津の北側を流れる小糸川の土砂が、内湾を時計回りする潮汐流の働きで砂州を形成し、そこに外洋から磯根崎の付近に流れ込んだ土砂が重なる形で堆積面を形成して行ったのが富津平野の原型だと考えられ、その後の隆起等によって富津平野は段丘化し、そこへ更なる土砂の蓄積が加わる事によって富津平野の先端に砂洲が成長した結果、尖角岬を持つ富津洲が形成されたのです。
　富津岬の軍事的役割に関しては以下の日記《http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1959145798&owner_id=250900》を参照して下さい。
　元洲堡塁砲台跡は水濠で囲まれているため、現在は中の島と呼ばれ、現在は展望台が建っています。
　富津岬先端には明治百年記念展望台があり、沖合にと第一海堡(ｶｲﾎｳ)と第二海堡を望む事が出来ます。
　富津岬の海岸砂丘に広がる植物群落には、北岸・南岸とその中間地帯でそれぞれ異なった植生帯が見られます。幕末以後、軍事要塞地帯として一般人の立ち入りが禁止されていたのが自然植生維持に役立っていたのです。至近距離で明確に植生が異なるのは稀有な事なので、富津州海浜植物群落地として千葉県指定天然記念物となっています。
　強い潮風が吹き付ける南岸にはコウボウムギ・ハマボウフウ・ネコノシタなどの塩生植物が、北岸にはスナビキソウ・ススキなどの内陸野生植物が展開し、中間帯には帰化植物も見られます。
　但し、大東亜戦争後、大規模な砂防林が設けられたため、原生植生とは異なった状況になって来ています。

＋富津州海浜植物群落地
　http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=320240&id=8215145