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のしろケットちゃん。コミュのおはなし 『のしろケットちゃん』

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                  げんさく:ノーカドットコム
                   おはなし:じゅんヌ。




このお話を藤子・F・不二雄先生に。




のしろケットちゃんは、ロケットの妖精です。

いつか、宇宙にとびだして、月や、火星や、
もっと遠くの星までいってみたい、と思っています。

でも、のしろケットちゃんは、ちいさいので、
じぶんひとりのちからでは、宇宙までとぶことができません。

「ロケットの妖精なのにとべないなんてさみしいのー。
 わたしも宇宙にいきたいのー。」

のしろケットちゃんは今夜も
松の木のてっぺんから星空を見あげています。
遠くのえんとつからは、けむりがもくもく。

そのとき。

ひゅ────ん。どか────ん。

なにかがのしろケットちゃんの近くに落ちてきました。
おっかなびっくりちかよってみると、
なんとそれはロケットでした。

「うわー、ロケットだのー。でもこわれてるのー…。」

けむりをあげたロケットを見ていたら
だれかがこちらへやってきます。

「あれー? この辺に落ちたと思ったんだけどなー…」

あらわれたのはかわいいおんなのこでした。
のしろケットちゃんは勇気をだして話しかけてみました。

「あなたがこれをつくったんだの?」

「きゃっ!」

おんなのこはびっくりしたようですが、
すぐににっこりとほほえみました。

「そうよ? 高校生のロケット研究チームに参加してて、
 今日はみんなで打ち上げ実験にきてるの。
 私の夢は自分でつくったロケットを宇宙にとばすこと!」

「すてきだの!」

のしろケットちゃんはうれしくなってとびあがりました。
でも、それぐらいとびあがったくらいじゃ宇宙にはいけません。

「あたし、のしろケットちゃんだの! ロケットの妖精だの!」

「私はノヨコ。能代ッ子って書いてノヨコ。へんな名前でしょ?」

「へんじゃないよの? かわいいと思うのー」

「ありがとう!」

「ところで、このロケット、宇宙にいけるの?」

「まだ失敗が多くて…もうすこしで完成すると思うんだけどね
 成層圏を突破するには更なる加速の必要と直進性が…
 ってむずかしいかな?」

「よくわかんないの…。じゃあさ! じゃあさ!
 完成したらこれにあたしを乗せてくれない?」

「今はまだむりよ…もっといっぱいいっぱい研究しなきゃ」

「えー…。乗りたいのー…」

「じゃあ、いつか私があなたを宇宙につれてってあげる!」

「ホントだの? うわ──い、約束だの──!」

「うん、約束!」

なんだかうれしくなって、どきどきがとまりません。
のしろケットちゃんはノヨコちゃんと一緒に行くことにしました。
制服のポッケに入ってごきげんです。

ノヨコちゃんは女子高生。
ロケットの研究にいっしょうけんめいです。
ノヨコちゃんの部屋にはたくさんのロケットの模型や
宇宙の写真がありました。
そして、おおきなネコもいました。

「こ、こわいのー!」

「だいじょうぶ。このコはやさしいよ? 名前はコンスタンチン。」

「コンスたん? よろしくのー!」

「にゃー。」

「はやく宇宙にいきたいなのー!」

「あせっちゃダメ! 宇宙にいくのは大変なんだから!」

「ちぇーだのー。」

「にゃー。」

「あれ? このひとはだれだの?」

ロケットの写真のよこに一枚だけ男の子の写真がありました。

「ちょっ…やっ…! そ、それは……ないしょ」

写真をかくしながら、ノヨコちゃんはなぜかまっかっか。

「ふーん…。へんなノヨコちゃん」

のしろケットちゃんとノヨコちゃんは
とってもなかよしになりました。
おさんぽやおかいもの、のしろケットちゃんにとって
まちの中には、はじめて見るものがいっぱい。
どこにいくにも二人はいっしょ。
もちろんおふろのときもです。

「おかあさんにみつからないようにね!」



きせつはめぐり、ふたりが出会って二回目の夏がきました。
チームにもおともだちができました。
楽しいことがたくさんたくさんありました。
ノヨコちゃんにはちょっぴり悲しいこともあったようです。
でも、またすぐにロケット研究に夢中になりました。
それももうすこしで完成のようです。
ノヨコちゃんは最近いそがしくなったのか、
あまりのしろケットちゃんとあそんでくれません。

「つまんないのー。けさだってぜんぜんお話してくれなかったのー」

「にゃー。」

「あ、コンスたん。どうしたの?」

なにやら背中に乗れと言ってるようです。
のしろケットちゃんはコンスたんの背中にのぼりました。

コンスたんがむかったのはノヨコちゃんのチームの研究室でした。
最近はなかなかいれてもらえずにいました。
そこには、完成したてのロケットがありました。

「うわー!もうすぐとべるんだの! 宇宙にいけるんだの!」

ついに夢がかなうと思うと、のしろケットちゃんは
いてもたってもいられなくなりました。

カレンダーには丸印がありました。

「7月7日。リフトオフ」

そう、今夜です。

「ノヨコちゃん、なんにも教えてくれないのー。ずるいのー。」

のしろケットちゃんはちょっぴりかなしくなりました。
なかよしなノヨコちゃんが今夜のコトを秘密にしていたからです。

「そうだの!」

のしろケットちゃんはなにかひらめいたようです。



その夜。

砂浜にやってきたおんなのこたちがいました。
その中の一人はネコといっしょです。
大きなロケットを抱えています。
ノヨコちゃんとコンスたんです。

「これが成功したら、いよいよ…」

「にゃー。」

おんなのこたちは何度も何度もかくにんをしてます。

「よし! いける」

ノヨコちゃんは発射スイッチをおしました。

ひゅ────。

「いけ────っ!」

………。

どか────ん。

「にゃーっ!」

「あーあ、しっぱいしちゃった…。
 でも、このデータがあれば次はきっと!
 完全に完成するまではのしろケットちゃんには
 ナイショにしなきゃね!
 あのこゼッタイ乗りたがっちゃうもん。
 今夜はいっぱいお話しよう。
 最近いそがしくてちょっとつめたくしちゃってたしね」

コンスたんがすごい勢いでロケットの落ちた方に駆けて行きます。

「にゃーっ! にゃーっ!」

「どうしたの?」

ノヨコちゃんもかけよりました。
そしてロケットを見てさけびました!
目の前がまっくらになりました。

「そんな!!!」

こわれたロケットのそばに
のしろケットちゃんのぼうしが落ちていました。

なんということでしょう。
落ちてしまったロケットに、
こっそりのしろケットちゃんが乗っていたのです。

「にゃー…」

星がきれいな夜でした。



* * * * * * * * * *



「はっ! ねちゃったの!」

松の木のてっぺん。のしろケットちゃんが目をさましました。
いつもと変わらないひろいひろい松林。
遠くのえんとつからは、けむりがもくもく。

「ぜんぶ夢…だった…の?
 せっかく宇宙に行けると思ったの…
 おともだちだって出来たと思ったの…」

のしろケットちゃんはくすんと泣きだしました。

でも、元気をふりしぼって砂浜にさんぽにいくことにしました。

「泣いてたって宇宙にはいけないもんね、だの!」

今日の砂浜は今にもふってきそうなほど星がきれいです。
のしろケットちゃんが星をながめていると、
むこうから誰かやってきます。
それはきれいなおねいさんでした。
そして、なんとロケットを抱えています。

「うわ、ロケットだの!」

のしろケットちゃんはそっと近づきました。
おねいさんはあたりをぐるっとみまわしてから
ためいきを付いたかと思うと
ロケットの発射準備をはじめました。

のしろケットちゃんはなぜだかどきどきしました。

そのとき。

「にゃー!」

大きなネコがあらわれ、
のしろケットちゃんをくわえて走り出しました。

「きゃー! たすけてのー! 私はおいしくないのー!」

ネコはまっすぐおねいさんのもとへ走っていきます。
そして、おねいさんとロケットの傍で
のしろケットちゃんをおろしました。

「やっぱり! いつか会えると思ってた!」

「にゃー!」

でも、のしろケットちゃんはこのおねいさんを知りません。

「あのー、どなたですの? どうしてロケットをもってるのですの?」

「私よ! ノヨコ!」

のしろケットちゃんは泣き出してしまいました。

「うわ────ん。」

でも、今度は悲しくてないたんじゃありません。

「私、あれから何年も研究を続けたの。一生懸命に!
 そして…ついに…。のしろケットちゃん、約束を守りにきたよ!」

「…このロケット、宇宙にいけるの?」

「にゃー!」

ノヨコちゃんの笑顔は自信にみちあふれていました。



星がきれいな夜でした。






おしまい。



コメント(4)

ノーカくんがウチに来た次の日、勢いで書きました(笑)。

世界観(メモル的)とかはノーカくんのそれに近いかもしれないけど、
これはあくまで「オイラ的のしろケットちゃん」です。
(´ー`)

これによって「のしろケットちゃんのイメージ」が
固まってしまうのが若干怖いのですが、ノーカくんが

「のしろケットちゃんのお話は、パラレルワールド的に
 複数のラインで展開していきたいので、
 いろんな人が、それぞれのお話、設定で書いてもらって
 かまわない、と思ってます。」

と言ってくれたので(笑)。

かつての仕事柄(漫画編集者)、
脳内ではビジュアル(この場合は絵本)も同時に展開してるのですが、
まずはテキストのみです。
挿絵で補完される予定の情報が欠如してるので、
いまいち判りづらいかも(笑)。<ダメじゃん。
絵ができたらいつか発表したいです。

ドラマっぽい部分は切っちゃって、
もっと「ほんわか」したものがいいのかなぁ(笑)。

感想いただけるとうれしいです。
つか、このお話は未完成なので、
みなさんの意見を反映していきたいな、と(笑)。

あ、ノヨコちゃんは黒髪の「メガネっ娘」です。
念のため(笑)。
「ちょっ…やっ…! そ、それは……ないしょ」
「ノヨコちゃんにはちょっぴり悲しいこともあったようです。」

とあるので、その話を挿入するか、逆にまったく削ってしまうかした方がよいと思います。
ドラマ性をとるかとらないか・・・はっきりさせた方がよいのではないかと。

あと、

「私よ! ノヨコ!」

のしろケットちゃんは泣き出してしまいました。

ここの文のつながりがちょっと不明・・・?
>ときたみさん

ご指摘の部分は、まさに「コメント1」で書いた
「挿絵で補完される予定の欠如した情報」ですな(笑)。

絵本のテキストのみだとそう思われるのはごもっともです(笑)。

早く絵を描かないとなぁ…。
もしくは絵本という媒体をやめて文字だけで成立するように改稿するか。

>>文のつながりがちょっと不明・・・?

「でも、今度は悲しくてないたんじゃありません。」

の前に

「のしろケットちゃんはノヨコちゃんの顔を見たとたん」

とか、後に

「夢だと思っていたことがほんとうだったのでうれしかったのです」

とか入れるべきかな?
>でも、のしろケットちゃんはこのおねいさんを知りません。

という流れからの話の展開が急だと思うんですよね。
なので、そういう補完があったほうがよいかと。

しかし、これは当然宇宙編につづくんですよね?(笑)


私ものしろケットちゃんで一本書いてます。
公開できるレベルかどうかはともかくとして。

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