ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

日本狼コミュの『日本狼と狼の生態』

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
◆日本狼◆
ニホンオオカミは、ハイイロオオカミの亜種であるという説と、ハイイロオオカミとは異なる独自の種であるという説とがあります。ここでは、ニホンオオカミはハイイロオオカミの亜種であるという説を取ります。
( 以下の解説は今泉忠明著『野生イヌの百科』(1993年)を主に参考にさせていただきました。)

標準和名:ニホンオオカミ
学名:Canis lupus hodophilax[カニス・ルプス・ホドピラクス](異説もあります)

◇日本語別名◇
大口の真神[おおくちのまかみ]、豺[やまいぬ]、山犬[やまいぬ]
◇分類学上の所属:食肉目いぬ科いぬ属
◇頭胴長:95〜114cm。
◇尾長:約30cm。
◇肩までの高さ:約55cm。
◇体重:推定15kg前後。  

◇体色◇
地域差や個体差がありますが、暗い黄赤味を帯びた白茶けた色だったようです。周囲の野山の色に合わせて、夏毛と冬毛では毛色が変わったと言われています。

◇体型の特徴◇
大陸にいるハイイロオオカミや、北海道にいたエゾオオカミと比べるとずっと小型で、吻と四肢と耳たぶが短いので容易に区別できます。ただし、四肢が短いといっても普通の日本犬よりはずっと長く、脚力が強かったようです。
ニホンオオカミがハイイロオオカミの亜種だとすると、アラビアオオカミと並んで最も小型のハイイロオオカミの亜種と言えます。

◇分布域◇
日本の本州・四国・九州に分布していました。

◇主要な食べ物◇
ニホンジカ、イノシシ。

◇習性◇
夜の闇に紛れて狩りをするために、肉食獣には一般的に夜行性のものが多いのですが、ニホンオオカミは昼間も行動したようです。かつては日中でもニホンオオカミの遠吠えの声が聞かれたといいます。
エゾオオカミと違って、あまり大きな群れは作らず、普段は2、3頭で行動したようです。大きい群れでも十頭以下だったと推定されています。山麓に広がるススキの原などにある岩穴を巣とし、3頭ほどの子を産みました。

□人間との関わり、及び絶滅の経緯□
ヨーロッパと違い、昔の日本では、ニホンオオカミは残酷な悪役とはされませんでした。むしろ田畑を荒らすニホンジカやイノシシを退治してくれるものとして尊ばれ、大口の真神[おおくちのまかみ]という尊称まで与えられて、山に棲む神とも考えられていました。そもそも日本語の「おおかみ」という名の語源は「大神」だと推定されています。なぜヨーロッパと日本とではこれほどオオカミに対する認識が違ったかといいますと、ヨーロッパでは牧畜が発達して、日本ではあまり発達しなかったという文化の違いが反映しています。牧畜が発達した地域では、家畜を襲う肉食獣は憎むべき敵とされ、農耕が発達した地域では、耕地を荒らす野生の草食獣を食べて増え過ぎないようにしてくれる肉食獣は、尊ばれる存在だったのでしょう。
ニホンオオカミは人間をあまり恐れず、人里にも堂々と姿を現わし、飼い犬を攻撃したという話が残っています。縄張りの中を人が通ると、縄張りの外に出るまで後を付けてきたそうです。これは人を襲って食べるためではなく、縄張り内を通る大型の生き物を見張るためだったようです。「送り狼」という言葉の由来がこれです。
「送り狼」の由来に象徴されるように、ニホンオオカミもエゾオオカミと同様、恐れられながらも親しみを持たれて、長らく日本人と共存していました。その地位がおびやかされるようになったのは、まず狂犬病が伝来したことが大きな原因の一つとされています。オオカミもイヌと同じく狂犬病にかかります。狂犬病は未だに治療法のない病気で、いったん発病するとどんな動物でも死を免れません。困ったことにこの病気は、イヌやオオカミに咬まれることによってヒトを含む他の動物にも伝染します。
ニホンオオカミは、普段はまず人を襲わなかったといいます。しかし、狂犬病にかかったオオカミは気が荒くなり、人をも含めてやたらに他の生き物を襲って咬みつきます。ニホンオオカミに咬まれて狂犬病を発病し、死に向かう人や家畜を、なす術もなく見送るしかなかった人々の間では、「大口の真神」に対する信仰心が急速に薄れていったことでしょう。
江戸時代の享保17年(1732年)頃、狂犬病がニホンオオカミの間に流行したそうです。狂犬病は直接ニホンオオカミの個体数を減らしただけでなく、人々からオオカミを尊ぶ気風を取り去って、オオカミを駆除する方向へと人々を動かす原因になりました。明治時代になると開発が進んで、ニホンオオカミの食べ物となる野生の草食獣が減り、生息地であった山野も狭められてしまいます。さらに、外国から輸入された飼い犬を介して、狂犬病以外にジステンパーなどの病気がニホンオオカミに伝染し、打撃を加えました。追いつめられたニホンオオカミは人や家畜を襲うようになり、ますます人々にオオカミを狩らせることとなりました。
明確に記録されている最後のニホンオオカミは、1905年(明治38年)に奈良県の鷲家口[わしかぐち]という場所で捕獲された若い雄一頭です。
この個体は剥製標本とされて、英国の大英博物館に保管されています。
これ以降、公式にはニホンオオカミの姿は確認されていません。

-------------------------------------------------------------------------------------

□分類□
哺乳動物の中でオオカミは、食肉目、イヌ科、イヌ属に属します。
食肉目の中には、ネコ科、クマ科、イタチ科などが他にあり、またイヌ科の中にはキツネ属、タヌキ属、ドール属などがあります。イヌ属の中でオオカミに近い仲間としては、イヌ、アカオオカミ(アメリカ南東部に住む)、コヨーテ、エチオピアオオカミ(シメ ニアジャッカルともいう)の4種がいて、中でももっとも近い仲間はイヌで、イヌの祖先はオオカミであることが最近はっきりとしてきました。

□体の特徴□
体の大きさには大きな開きがあり、ヨーロツパ、シベリア、北アメリカに住むオオカミは体が大きく、頭胴長が160cm,尾55cm,体重80kgもあるものがいますが、インドやサウディアラビアに住むものは小型で、頭胴長82cm,尾32cm,体重20kgぐらいとずいぶん開きがあります。一般的に雌は雄の体重より10-20%ぐ らい小さい。同じ大きさのイヌとオオカミの頭骨を比較した時、その差は歴然としていて、頭骨の大きさ、脳容量ともオオカミの方が大きく、歯もはるかにオオカミの方が大きい。毛色は灰色が多いが、黒、茶色、白、茶褐色、黄褐色などいろいろありますが、年をとると毛色が白っぽくなるのは人間と同じです。

□住んでいる場所□
ユーラシア、北米大陸に広く住み、中南米、オーストラリア、アフリカに住んでいません。北は北極圏、グリーンランドからシベリア、中央アジアの国々、モンゴル、中国から西はヨーロツパの西の端、イタリア、スペイン、ポルトガル、南はインド、パキスタン、イラン、サウディアラビアまで。今紛争中のイスラエルやパレスティナにもオオカミはいます。
北米ではアラスカ、カナダ、アメリカ合衆国、かつてはメキシコまで。
国別で多いのは、ロシア、カナダ、モンゴル、トルコ、ウクライナ、アメリカ合衆国ですが中央アジアの国々(カザフスタン、キルギス、トルクメニスタン)などは相当いるはずですが詳しい調査がなされていません。
オオカミは適応力が強くて、砂漠、草原、森林、沼沢地、ツンドラ、高山まで広く住んでいます。しかしどこの国でも人の影響でその生息地は減少し、数を減らしてい ます。

□食べる物□
オオカ ミの食べ物といえば、シカと答える人が多いけれど、シカにもいろいろ種類があり、またシカがいない地域にもオオカミはいます。アンテロープや野生のヤギ、ヒツジなど有蹄類がその主食といえます。要はそこに主に住んでいる有蹄類を食べているのです。
アメリカやカナダの東部ではシロオジカ、西部ではエルク、その他の森林地帯ではムース(ヘラジカ)、北極圏ではカリブー、シベリアではヘラジカ・アカシカ、中央アジアではサイガ(小型のアンテロープ)、モンゴルではモンゴルガゼル、ロシアや東ヨーロッパではノロジカ、ポーランドではアカシカ・イノシシ、トルコやカスピ海近辺ではイノシシ、インドではブラックバックなどが主な獲物です。捕まえ るのが有蹄類ばかりかといえば、そうではなく、巣を構える春から初夏にかけては近くにいるげっ歯類を良く捕まえます。北米ではビーヴァー、中央アジアやモンゴルではマーモットがその対象になります。その他ノウサギやネズミ、鳥類、ヘビ、トカゲ、魚なども食べます。また植物も良く食べ、木の実、ベリーなど果実も好物です。またイタリア、スペイン、ポルトガルなどでは、野生の獲物が少なく、ゴミ捨て場で残飯を漁ったり、家畜を食べたりします。

□群とテリトリー□
オオカ ミは群(パック)単位で行動します。パックの中心には大人の雄と雌がいて、他のメンバーはその夫婦が産んだ子供たちで、その年生まれの仔から最高で4歳の仔(1年経てば 体は大人並)まで一緒にいることがあります。面白いのは、子供ばかりでなく他の群を出た若いオオカミ が混じることもあります。それはたいてい1-3歳の雄でアダプティ(養子)と呼ばれます。
だいた いは親を頂点として歳の順に性別に順位が決まり厳しい上下関係があります。強い順にアルファ、ベータ、オメガと呼ばれますが、こういう順位関係は流動的で 逆転,交替も見られます。今までこの関係は主に飼育されたオオカミの観察から動物学者が報告したのですが、野生のパックの観察が増えるにつれて、パックごとで違いがあり一律にはいえないと言われ始めています。
繁殖するのは、通常は親の番(つがい)だけですがこれも例外があります。繁殖は短いもので1年、長く続いたものでは8年まであります。パックは自分のテリトリー(領土)を作りそれを共同で守ります。他のオオカミが侵入すると追い払うか殺すかどちらかです。テリトリーの広さは75?から1000?を越えるものまでさまざまで、獲物の豊富さによって決まるようです。この広い場所をオオカミは毎日餌を求めて歩きまわります。ロープ(大またで歩く)という歩様で平均時速8kmで一日に数十kmも歩きま す。何かがあるとその速さは倍になります。耐久力はオオカミの大きな特徴です。

□繁殖と子育て□
オオカミの繁殖は年1回、交尾は1月あるいは2月の厳寒期で、妊娠期間は61-64日。仔は巣穴の中で生まれます。巣穴は傾斜地に横穴を掘ったり、岩の裂け目を利用したり、森林地帯では気の根元に掘ったりします。ツンドラ地帯では氷河が残した堆石の丘によく巣を構えます。巣穴作りには父親もそれから大きくなった子供たちも協力します。
仔は目が開くのは12-14日、20-24日で動きまわれるようになり、家族を認識する社会性が育つのは20-77日の間で、この間に離乳し固形物を食べるようになります、固形食は大人が吐き戻しを与えます。巣を離れるのは8週間目で、近くの小高い場所に移り、そこに仔を置いて親達は狩りに出かけます。仔はそこで遊び、餌をもらい寝ます。そのような場所をランデヴー・サイトと呼びます。秋にはそこを捨てて放浪します。仔は冬にはほぼ大人並の大きさに育ちます。仔が群を出るのはディスパース(放散)と言いますが、これは固体によって10-54ヶ月と大きな差があります。これも最近分かったことですが、オオカミの子は成熟に大きな固体差があり、体は大人並でもホルモンの関係で成熟していないものも多く、そのために何年も親の元に留まるものが出てくるのです。そしてそれがパックのメンバーの数が2-40頭と大きく開く原因にもなっています。群を出た若者(雄も雌も)は放浪し異性と出会い、他のオオカミのテリトリーの無い場所でテリトリーを確保し繁殖します。

□コミュニケーション□
オオカミはいろんな方法でコミュニケーションします。声、臭い、動作、顔の表情、体の接触などです。それによって自分の感情、注意、警戒などを相手に伝えます。有名なのは尾の仕草で、ピンと上げた場合は自分の優位を誇示し次ぎは攻撃するぞと警告します。何も緊張がないときは尾は自然に垂れています。脅えたり許しを乞うときは尻尾を後ろ足の間に挟みます。
声はもっともヴァリエーションの多い伝達方法で、キイキイ、クンクン、キャンキャンからウフッという警戒音、唸り声、さらには有名な遠吠え(ハウル)まで。ハウルも用途によって使いわけており、「ここに自分はいるぞ」というテリトリーを守る場合、仲間を呼び集める場合、それから独りオオカミが仲間を探す場合などです。
面白いのは、オオカミはイヌのように吠えないと言われてきましたが、オオカミも吠えることが知られました。吠える意味は脅したり警告したり抗議したりする場合で、イヌと同じように使われています。

□オオカミの保護□
オオカミは各地で数を大きく減らしています。主な原因は生息地の破壊で、自身が追い立てられ狩られるほかに、獲物となる動物がいなくなり、家畜を襲うようになったために迫害されます。西ヨーロッパではイギリス、アイルランド、ドイツ、フランス、スイスなどから姿を消し、日本でも本州、四国、九州に住んでいた小さ な体の亜種、北海道に住んでいた大型の亜種が絶滅しました。
オオカミは何でも殺す残忍な動物という誤解が人間にあったのも迫害された原因です。
しかしオオカミは賢い協調性に富んだ動物で、有蹄類を獲物にしますがその際、傷ついたもの、病気のものを優先的に狙う(その方が楽なので)ので、結果的にその群を健康に保つともいわれます。アメリカとカナダの間にあるロイヤル島では、50年前に住み着いたオオカミがもっぱらムースのみを獲物にしていますが、お互いに数を増減しながらも、ムースが絶滅することはありません。草食動物が増えすぎるとその好みの草や木が食害され自然破壊が起きますが、オオカミは自然界の中でそれを防ぐ役割をしています。アメリカ合衆国では入植以来オオカミ狩りを奨励してきた結果、20世紀前半にはミネソタを除いてどこの州(アラスカは別)からもいなくなりました。1973年絶滅危惧種保護法が制定され、北部ロッキー地区と南西部にオオカミが人の手で再導入されました。北部ロッキー地区は大成功で観光の目玉にもなっています。南西部に導入されたメキシコオオカミはなお苦戦中ですが、既に野生での繁殖も確認されています。
ヨーロッパではEU主導の元に「大型肉食獣復活計画」が樹立され、ヒグマ、オオヤマネコと共に姿を消した地 域への再導入が計画されています。それとは別に自分の力でオオカミはフランス、ドイツ、スイスなどへ近隣の国から戻りつつあります。

彼らが 生存しつづけることができるかどうかは、人間の理解と寛容にかかっています。

コメント(2)

灰色狼様。詳しい狼の話をありがとうございます。

私は、秩父の山にブナなどの苗を植えている会の一員です。
首都圏の水瓶である荒川源流の山を、本来の森に戻すべく活動しています。
しかし、増えすぎた鹿に頭を悩ませています。対策はいろいろあるかと思いますが、やはり日本本来の生態系に戻すべきだと考えます。
それにはオオカミを山に放ち、食物連鎖のピラミッドをもう一度構築することに尽きると思います。

私の生きてる間に、秩父の山にオオカミを復活させたい。それが私の夢です。
これからも、よろしくお願い致します。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

日本狼 更新情報

日本狼のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング