こどもとコミュの教育に対する憂慮

小学生の子供がいます。

今年度、学校のカリキュラムの変更がありました。

「ゆとり」教育のせいで、日本の子供たちの学力が低下したから、今度は授業時間を増やす、と。

私は、ここにとても恐ろしいものを感じます・・・

これは会社の営業成績・売上が落ちたから、残業を増や
すのと同じ発想で、全くの逆効果、愚かしいばかりでメリット
のないことであると思います。

売上が落ちた、学力が低下した・・・それで慌てる前に、そも
そもその売上や学力は本当に必要なものなのかをよく考える必
要があると思います。

それを冷静に検討せず、金や学力なんか高ければ高いほどいい
だろうという、思慮の浅い短絡的な発想に突き動かされては、
無駄に労働して頑張って消耗の果てに、逆に金や学力を無駄に
損失するばかりです。
こんな発想は向上心ではないと思います。
逃げ場のない、教育の奴隷となる子供たちが哀れです。

むしろ、必要最低限のものを持つことで、金も学力も、他あら
ゆる全てにいえることですが、豊かに活かされるものだと思い
ます。

学習時間が短いのに（短いから）学力の高い国：北欧の学習ス
タイルに、日本は見習うべきことが多くあると思います。

世界には、字が読めないために地雷を踏んでいのちを落とした
り、からだの一部を失ったりする子供たちが多くいるのに、こ
れだけ日本は優れた充分な教育がありながら、まだ不足だまだ
不足だと憂い、不安がり、何を自ら不幸にしているのだろうと
情けなく思います。

向上心を持たなくて良いということではありません。
ただ学習時間を延長すれば学力が上がるだろうという発想の人
間が、一人でも減って欲しいと思います。

残業してちょっとばかり収入が増えたとして、その代償に失うものの大きさを考えているのか。
学力に対しても全く同じことが言えます。


米村でんじろう先生や、さかなクンのような、キラキラと伸び
伸び楽しく勉強をすることこそ、豊かな学力であると思います
。
そのような人を多く育てるには、集中力や興味が低下するだけ
の、慌てた暗い残業発想ではなく、むしろ余分を削ぎ落とす発
想が必要であると思います。

日本の問題点は、持ったものを活かしていない点にあると思い
ます。
必要最低限の学力を身につけたら、あとは自分の適性でその学
力を豊かに展開していけるような人間が多く育つ国になってい
って欲しいと思います。


また、今回の件に至るには、自分の子供の学力が思わしくないことを、これは「ゆとり教育」のせいだ！と多くの親が、ターゲットにしやすいものを槍玉に上げ、己を省みず「ゆとり教育」に罪をなすりつけ攻撃したのではないかと思います。

「子供元気で留守がいい」親の多さも肌で感じます。
子供がうっとしくストレス。。子供なんか、学校やらに長いこといればいるほどいい。
授業時間が増えれば、親は楽だし子供の学力上がるし、一石二鳥〜♪ぐらいにしか考えてない親は多いと思います。


私の子供は、朝家を出てから帰宅するまでの時間が、今年度は平均１０時間近くになります。
家にいる時間は、睡眠時間を引いて起きている時間は５時間ほど。
家（睡眠時間除く）：外（学校）＝１：２の割合です。

これに習い事や教材などある子は、さらに外の割合が多いわけで、親はもっとこの現実に気付くべきだと思います。

子供をうっとおしがって遠ざけている暇などあるのか。
何のための家族なのか。
何のための学力なのか。

・・・・・・
この不景気に金をわざわざ払って子供を遠ざけるのでなく、時間を払って子供と関わるという、今を逃したらもうどんなに後悔しても戻らない、何より大切なことに気付く親が増えて欲しいと思います。