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7 1271;雑歌,柿本人麻呂歌集

[題詞]行路
[左注]右一首柿本朝臣人麻呂之歌集出

遠有而  雲居尓所見  妹家尓  早将至  歩黒駒

遠くありて 雲居に見ゆる 妹が家に 早く至らむ 歩め黒駒 

とほくありて くもゐにみゆる いもがいへに はやくいたらむ あゆめくろこま
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
雲を隔てた遠くに見える

妻の家に早く着きたい

もっと歩け歩け黒毛の馬よ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

7 1272;雑歌,柿本人麻呂歌集,旋頭歌,枕詞

[題詞]旋頭歌
[左注](右廿三首柿本朝臣人麻呂之歌集出)

劔<後>  鞘納野  葛引吾妹  真袖以 著點等鴨  夏草苅母

大刀の後 鞘に入野に 葛引く我妹 真袖もち 着せてむとかも 夏草刈るも
 
[たちのしり] [さやに]いりのに くずひくわぎも まそでもち きせてむとかも なつくさかるも
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
入野の葛を引き採って

その繊維で袖付き着物を作り

両袖を持ってそれを私に着せようと

そのために妻は暑い中を夏草を刈っている
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


7 1273;雑歌,柿本人麻呂歌集,旋頭歌,大阪

[題詞](旋頭歌)

住吉  波豆麻<公>之  馬乗衣  雜豆臈  漢女乎座而  縫衣叙

住吉の 波豆麻の君が 馬乗衣 さひづらふ 漢女を据ゑて 縫へる衣ぞ
 
すみのえの はづまのきみが うまのりころも [さひづらふ] あやめをすゑて ぬへるころもぞ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
住吉の波豆麻の殿の乗馬服は

中国の女性を雇って縫わせた服なんですよ

綾錦か 綺麗なものですねえ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・* 「さひづらふ」は、漢女(あやめ)に掛かる枕詞。鳥が囀る意。
 渡来人の外国語が鳥が囀るように聞こえたからか。


7 1274;雑歌,柿本人麻呂歌集,旋頭歌,大阪

[題詞](旋頭歌)
[左注](右廿三首柿本朝臣人麻呂之歌集出)

住吉  出見濱  柴莫苅曽尼  未通女等  赤裳下  閏将徃見

住吉の 出見の浜の 柴な刈りそね 娘子らが 赤裳の裾の 濡れて行かむ見む
 
すみのえの いでみのはまの しばなかりそね をとめらが あかものすその ぬれてゆかむみむ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
住吉の出見の浜の柴をあまり刈らないでくれ

都の女官たちが浜辺で戯れて

赤裳の裾が濡れて行くのを

隠れて覗き見る柴なんだから
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


7 1275;雑歌,柿本人麻呂歌集,旋頭歌,大阪

[題詞](旋頭歌)
[左注](右廿三首柿本朝臣人麻呂之歌集出)

住吉  小田苅為子  賎鴨無  奴雖在  妹御為  私田苅

住吉の 小田を刈らす子 奴かもなき 奴あれど 妹がみためと 私田刈る
 
[すみのえの] をだをからすこ やつこかもなき やつこあれど いもがみためと わたくしだかる
・・・・・・・・・・・・・・・・・
そこで田を刈っているお若い兄さん
働かせる奴(やっこ)はいないのかい

奴はいますよ でも今は
自分が奴でいい人のために
その人の田を刈っているのさ
・・・・・・・・・・・・・・・・・
* 「私田」律令制で、位田・職田・賜田・口分田・墾田など個人に供給された田。
* 「奴(やっこ)」最下級の隷属民 奴婢。


7 1276;雑歌,柿本人麻呂歌集,旋頭歌

[題詞](旋頭歌)
[左注](右廿三首柿本朝臣人麻呂之歌集出)

池邊  小槻下  細竹苅嫌  其谷  <公>形見尓  監乍将偲

池の辺の 小槻の下の 小竹な刈りそね それをだに 君が形見に 見つつ偲はむ
 
いけのへの をつきのしたの しのなかりそね それをだに きみがかたみに みつつしのはむ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
池のほとりの槻(けやき)の下の篠は刈らないでください

それだけでもあなたの形見として見て偲びますから
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


7 1277;雑歌,柿本人麻呂歌集,旋頭歌

[題詞](旋頭歌)
[左注](右廿三首柿本朝臣人麻呂之歌集出)

天在  日賣菅原  草<莫>苅嫌  弥<那>綿  香烏髪  飽田志付勿

天なる 日売菅原の 草な刈りそね 蜷の腸 か黒き髪に あくたし付くも 

[あめなる] ひめすがはらの くさなかりそね [みなのわた] かぐろきかみに あくたしつくも
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日売菅原の雑草を刈るのは止めなよ

黒髪にごみが付くじゃないか
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


7 1278;雑歌,柿本人麻呂歌集,旋頭歌

[題詞](旋頭歌)
[左注](右廿三首柿本朝臣人麻呂之歌集出)

夏影  房之下<邇>  衣裁吾妹  裏儲  吾為裁者  差大裁

夏蔭の 妻屋の下に 衣裁つ我妹 うら設けて 我がため裁たば やや大に裁て
 
なつかげの つまやのしたに きぬたつわぎも うらまけて あがためたたば ややおほにたて
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
夏の日陰の夫婦の寝所で

私のために一心に布地を裁つ妻よ

できれば幾分大きめに裁ってほしいんだけど
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


7 1279;雑歌,柿本人麻呂歌集,福岡,恋愛,枕詞,旋頭歌

[題詞](旋頭歌)
[左注](右廿三首柿本朝臣人麻呂之歌集出)

梓弓  引津邊在  莫謂花  及採  不相有目八方  勿謂花

梓弓 引津の辺なる なのりその花 摘むまでに 逢はずあらめやも なのりその花 

[あづさゆみ] ひきつのへなる なのりそのはな つむまでに あはずあらめやも なのりそのはな
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
引津の海岸に咲くなのりその花

花を摘むことができるまでに

私こそが会いにゆく

麗しきなのりその乙女よ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・* 「引津」は、福岡県糸島郡志摩町
* 「な告(の)りそ」は、ホンダワラ 太平洋岸および新潟県以南に分布。  花は咲かない。


7 1280;雑歌,柿本人麻呂歌集,旋頭歌,枕詞

[題詞](旋頭歌)
[左注](右廿三首柿本朝臣人麻呂之歌集出)

撃日刺  宮路行丹  吾裳破  玉緒  念<妄>  家在矣

うちひさす 宮道を行くに 我が裳は破れぬ 玉の緒の 思ひ乱れて 家にあらましを
 
[うちひさす] みやぢをゆくに わがもはやれぬ [たまのをの] おもひみだれて いへにあらましを
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
都大路を行ったり来たりしている内に

わたしの裳裾がすり切れてしまった

会いたくて恋しくて思い乱れて

しかしどおせ会えないなら

家にいた方がよかったのか
・・・・・・・・・・・・・・・・・・


7 1281;雑歌,柿本人麻呂歌集,旋頭歌

[題詞](旋頭歌)
[左注](右廿三首柿本朝臣人麻呂之歌集出)

<公>為  手力勞  織在衣服<叙>  春去  何<色>  揩者吉

君がため 手力疲れ 織れる衣ぞ 春さらば いかなる色に 摺りてばよけむ
 
きみがため たぢからつかれ おれるころもぞ はるさらば いかなるいろに すりてばよけむ
・・・・・・・・・・・・・・・・・
あなたのために腕の力が抜けるほど一生懸命に織った衣です

春に染料の草花が咲いたらどんな色に染めたらよいでしょう

あなたの好みが知りたいなあ
・・・・・・・・・・・・・・・・・
* 「手力」は腕の力。「春さらば」は、春になったらの意。
* 「さる」は物が移動することを表し、遠のく場合にも近づく場合にも用いられる。
 


7 1282;雑歌,柿本人麻呂歌集,旋頭歌,奈良,枕詞

[題詞](旋頭歌)

橋立  倉椅山  立白雲  見欲  我為苗  立白雲

はしたての 倉橋山に立てる白雲 見まく欲り 我がするなへに 立てる白雲
 
[はしたての] くらはしやまに たてるしらくも みまくほり わがするなへに,たてるしらくも
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
倉橋山にわき立つ白雲を見たいなあと思っていたら

ちょうど目の前で白雲がわき立ってきたよ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
* 「梯立の・はしたての」は「倉」にかかる枕詞。
* 「倉橋山」は奈良県桜井市にある音羽山。



7 1283:雑歌,柿本人麻呂歌集,旋頭歌,奈良,枕詞

[題詞](旋頭歌)
[左注](右廿三首柿本朝臣人麻呂之歌集出)

橋立  倉椅川  石走者裳  壮子時  我度為  石走者裳

はしたての 倉橋川の 石の橋はも 男盛りに 我が渡りてし 石の橋はも
 
[はしたての] くらはしがはの いしのはしはも をざかりに わがわたりてし いしのはしはも
・・・・・・・・・・・・・・・・
倉橋川の飛び石の橋はどうなったろう

私が若い頃に渡るために置いた

あの石はどうなっただろう
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