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万葉集コミュの万葉集7 1246・1247・1248・1249・1250・1251・1252・1253・1254・1255・1256・1257

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7 1246;雑歌,古集,羈旅,福岡 

[題詞](覊旅作)

之加乃白水郎之  燒塩煙  風乎疾  立者不上  山尓軽引

志賀の海人の 塩焼く煙 風をいたみ 立ちは上らず 山にたなびく
 
しかのあまの しほやくけぶり かぜをいたみ たちはのぼらず やまにたなびく

[左注]右件歌者古集中出
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
志賀(しか)の海人の塩焼く煙は

浜風で真っ直ぐには立ち昇らず
 
山に流れめぐり棚引いているよ
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7 1247;雑歌,作者:柿本人麻呂歌集,羈旅,和歌山

[題詞](覊旅作)

大穴道  少御神  作  妹勢能山  見吉

大汝 少御神の 作らしし 妹背の山を 見らくしよしも
 
おほなむち すくなみかみの つくらしし いもせのやまを みらくしよしも

[左注](右四首柿本朝臣人麻呂之歌集出)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大汝神と少御神とがお作りになった

妹の山と背の山を見るのはうれしいことだ
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*「大国主」別名「大汝命(おほなむち)」-『播磨国風土記』での呼称。
<大昔に 大国主の神と少彦(すくなひこ)の神がお作りになった 仲睦まじい妹背の山は ほんとにいいものだ。 神の睦まじさが偲ばれる。>


7 1248;雑歌,作者:柿本人麻呂歌集,羈旅

[題詞](覊旅作)

吾妹子  見偲  奥藻  花開在  我告与

我妹子と 見つつ偲はむ 沖つ藻の 花咲きたらば 我れに告げこそ
 
わぎもこと みつつしのはむ おきつもの はなさきたらば われにつげこそ

[左注](右四首柿本朝臣人麻呂之歌集出)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
藻の花を見れば偲ぶ妻のこと

沖の藻の花が咲いたら

私に連絡してほしい

きっと行くから
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7 1249;雑歌,作者:柿本人麻呂歌集,羈旅,島根

[題詞](覊旅作)

君為  浮沼池  菱採  我染袖  沾在哉

君がため 浮沼の池の 菱摘むと 我が染めし袖 濡れにけるかも
 
きみがため うきぬのいけの ひしつむと わがそめしそで ぬれにけるかも

[左注](右四首柿本朝臣人麻呂之歌集出)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あなたのために浮沼の池で

菱の実を摘もうとしたら

あなたが染めてくれた 

わたしの衣が濡れてしまったよ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



7 1250;雑歌,作者:柿本人麻呂歌集,羈旅

[題詞](覊旅作)

妹為  菅實採  行吾  山路惑  此日暮

妹がため 菅の実摘みに 行きし我れ 山道に惑ひ この日暮らしつ

いもがため すがのみつみに ゆきしわれ やまぢにまとひ このひくらしつ

[左注]右四首柿本朝臣人麻呂之歌集出
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
妻のために山菅の実を採りに出かけたものの

山道に迷い一日中山で暮らしてしまった
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


7 12517雑歌,古歌集,問答,奈良,伝誦,寓意

[題詞]問答

佐保河尓  鳴成智鳥  何師鴨  川原乎思努比  益河上

佐保川に 鳴くなる千鳥 何しかも 川原を偲ひ いや川上る
 
さほがはに なくなるちどり なにしかも かはらをしのひ いやかはのぼる

[左注](右二首詠鳥)(右十七首古歌集出)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
佐保川に鳴く千鳥よ

なぜそんなに川原を慕って

どんどん川を上っていくのだ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・* 何しかも? 君がいるから。


7 1252;雑歌,古歌集,問答,伝誦,寓意

[題詞](問答)

人社者  意保尓毛言目  我幾許  師努布川原乎  標緒勿謹

人こそば おほにも言はめ 我がここだ 偲ふ川原を 標結ふなゆめ
 
ひとこそば おほにもいはめ わがここだ しのふかはらを しめゆふなゆめ

[左注]右二首詠鳥(右十七首古歌集出)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
他人は大したことじゃないと言うでしょうが

私には掛替えもなくたいへん慕わしい川原です

標など決して結わないでください
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


7 1253;雑歌,古歌集,問答,福岡,伝誦,寓意

[題詞](問答)

神樂浪之  思我津乃白水郎者  吾無二  潜者莫為  浪雖不立

楽浪の 志賀津の海人は 我れなしに 潜きはなせそ 波立たずとも
 
[ささなみの] しがつのあまは あれなしに かづきはなせそ なみたたずとも

[左注](右二首詠白水郎)(右十七首古歌集出)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
滋賀琵琶湖の海女よ

わたくしの不在中は潜水してはいけない

たとえ波おだやかな日でもだよ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



7 1254;雑歌,古歌集,問答,伝誦,寓意

[題詞](問答)

大船尓  梶之母有奈牟  君無尓  潜為八方  波雖不起

大船に 楫しもあらなむ 君なしに 潜きせめやも 波立たずとも
 
おほぶねに かぢしもあらなむ きみなしに かづきせめやも なみたたずとも

[左注]右二首詠白水郎(右十七首古歌集出)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大きな船には楫が必要ですわね

あなたなしで潜水で漁をするなんて出来るでしょうか
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

7 1255;雑歌,古歌集,臨時,恋歌,女歌

[題詞]臨時

月草尓  衣曽染流  君之為  綵色衣  将摺跡念而

月草に 衣ぞ染むる 君がため 斑の衣 摺らむと思ひて

つきくさに ころもぞそむる きみがため まだらのころも すらむとおもひて

[左注](右十七首古歌集出)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ツユクサで衣類を染めましたよ

あなたのために

まだら模様をつくりたっくって
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


7 1256;雑歌,古歌集,臨時,恋歌,女歌

[題詞](臨時)

春霞  井上<従>直尓  道者雖有  君尓将相登  他廻来毛

春霞 井の上ゆ直に 道はあれど 君に逢はむと た廻り来も
 
[はるかすみ ゐのうへゆただに] みちはあれど きみにあはむと たもとほりくも

[左注](右十七首古歌集出)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
まっすぐ行ける道はあるのに

あなたに逢おうとしては遠回りしてしまう
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7 1257;雑歌,古歌集,臨時

[題詞](臨時)

道邊之  草深由利乃  花咲尓  咲之柄二  妻常可云也

道の辺の 草深百合の 花笑みに 笑みしがからに 妻と言ふべしや
 
[みちのへの くさふかゆりの はなゑみに] ゑみしがからに つまといふべしや

[左注](右十七首古歌集出)
・・・・・・・・・・・・・・・・・
道のほとりの繁みに咲く百合の花ゑみみたいに

ちょっと微笑みかけたからといって

妻などとなれなれしくしないでくださいな
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*「や」終止形に付き、質問・疑問をあらわす。相手に対し呼びかけ、問いかける気持を伴うことが多い。

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