ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

万葉集コミュの万葉集7 1191・1192・1193・1194・1195・1196・1197・1198・1199・1200・1201

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
7 1191;雑歌,羈旅,望郷,枕詞

[題詞](覊旅作)

妹門  出入乃河之  瀬速見  吾馬爪衝  家思良下

妹が門 出入の川の 瀬を早み 吾が馬つまづく 家思ふらしも
 
[いもがかど] いでいりのかはの せをはやみ あがうまつまづく いへもふらしも
・・・・・・・・・・・・・・
入野の川の瀬が早いので

私の乗っている馬が躓いたよ

家の者が私を思っているために違いないことよ
・・・・・・・・・・・・・・



7 1192;雑歌,羈旅,望郷,紀州

[題詞](覊旅作
白栲尓  丹保布信土之  山川尓  吾馬難  家戀良下

白栲に にほふ真土の 山川に 我吾が馬なづむ 家恋ふらしも
 
しろたへに にほふまつちの やまがはに あがうまなづむ いへこふらしも
・・・・・・・・・・・・・
白い布のように輝く真土の山川で

私の馬は行きなやんでいる

家を恋しがっているらしいよ
・・・・・・・・・・・・・



サ7 1193;雑歌,羈旅,和歌山

[題詞](覊旅作)

勢能山尓  直向  妹之山  事聴屋毛  打橋渡

背の山に 直に向へる 妹の山 事許せやも 打橋渡す
 
せのやまに ただにむかへる いものやま ことゆるせやも うちはしわたす
・・・・・・・・・・・
背の山の真向かいにある妹の山は

相手の求婚を受入れたのであろうか

打橋を渡しているが
・・・・・・・・・・・・
* 「打橋」は川にかかる木の粗末な橋。
* 背山のある北の和泉山脈と、妹山のある南の竜門山脈が、紀ノ川を挟んで最も接近している。中州がある。
* 「ただに」は副詞で「真っ正面に。まともに」意。
* 「向かへ」は、ハ行四段活用動詞「向かふ(向き合う)」の已然形。
* 「る」は、存続の助動詞「り」の連体形。  向き合っている。
* 「事許す」は、「聞き入れる」意。
* 「やも」は、疑問の係助詞「や」に、係助詞「も」。 〜だろうか(いやそんなことはない)反語。



7 1194;雑歌,作者:藤原房前,藤原麻呂,羈旅,和歌山

[題詞](覊旅作)

木國之  狭日鹿乃浦尓  出見者  海人之燎火  浪間従所見

紀の国の 雑賀の浦に 出で見れば 海人の燈火 波の間ゆ見ゆ
 
きのくにの さひかのうらに いでみれば あまのともしび なみのまゆみゆ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
紀の国の雑賀の浦に出て見ると

漁師の燈火が波間ごしに見えることだ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



7 1195;雑歌,作者:藤原房前,藤原麻呂,羈旅,和歌山

[題詞](覊旅作)
[左注]右七首者藤原卿作 未審年月

麻衣  著者夏樫  木國之  妹背之山二  麻蒔吾妹

麻衣 着ればなつかし 紀の国の 妹背の山に 麻蒔く吾妹
 
あさごろも きればなつかし きのくにの いもせのやまに あさまくわぎも
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
麻衣を着るとなつかしく思い出される

紀伊の国の妹背の山で麻の種を蒔いていたあの娘ことを
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
* 「妹背」とは夫婦や恋人などの仲のよい男女を世間では「妹背」という。二つ並んだ山を「妹背山」と呼ぶ例は各地にも多々あが中でも吉野の「妹背山」が古典の世界では有名。
* 藤原卿(ふち"はらのまへつきみ) (7−1195)    
「卿」は三位以上の尊称でこの歌は神亀元年(724年)10月の行幸で読まれたといわれている。
この藤原卿は武智麻呂、房前、宇合、麻呂の四兄弟のうちの房前か麻呂であろうといわれている。麻呂が従三位になったのは天平元年(729年)であるから房前説の方が有利。



7 1196;雑歌,作者:古集,羈旅

[題詞](覊旅作)

欲得*登  乞者令取  貝拾  吾乎沾莫  奥津白浪

つともがと 乞はば取らせむ 貝拾ふ 吾れを濡らすな 沖つ白波
 
つともがと こはばとらせむ かひひりふ われをぬらすな おきつしらなみ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
お土産とねだてられたら渡そうと思って

貝を拾っている私をそう濡らさないでくれ

沖から寄せてくる白波よ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



7 1197;雑歌,作者:古集,羈旅,望郷

[題詞](覊旅作)

手取之  柄二忘跡  礒人之曰師  戀忘貝  言二師有来

手に取るが からに忘ると 海人の言ひし 恋忘れ貝 言にしありけり
 
てにとるが からにわすると あまのいひし こひわすれがひ ことにしありけり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
手に取れば辛い恋も忘れられると

海人の言った恋忘れ貝よ

言葉だけにすぎないじゃないか
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



7 1198;雑歌,作者:古集,羈旅,望郷

[題詞](覊旅作)

求食為跡  礒二住鶴  暁去者  濱風寒弥  自妻喚毛

あさりすと 礒に棲む鶴 明けされば 浜風寒み 己妻呼ぶも
 
あさりすと いそにすむたづ あけされば はまかぜさむみ おのづまよぶも
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アサリを餌にあさる磯に棲むつがいツル

夜明けになれば浜から吹く風が寒いので

オスがメスをさかんに呼んでいるよ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



サ7 1199;雑歌,作者:古集,羈旅,叙景

[題詞](覊旅作)

藻苅舟  奥榜来良之  妹之嶋  形見之浦尓  鶴翔所見

藻刈り舟 沖漕ぎ来らし 妹が島 形見の浦に 鶴翔る見ゆ
 
もかりふね おきこぎくらし いもがしま かたみのうらに たづかけるみゆ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ワカメを刈り取る舟が沖を漕いで来るらしい

妹ケ島の形見の浦に鶴が飛ぶのが見える。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
* 「藻刈り舟(メ刈り舟)」−海藻を刈り取るための舟。「メ」は食用となる海藻の総称、多くはワカメを指す。
* 妹が島−和歌山市の西北加太町の沖合い、友ケ島は、地ノ島、沖ノ島の総称。
* 「らし」は推定の助動詞で「〜に違いない、〜らしい」。



7 1200;雑歌,作者:古集,羈旅,望郷

[題詞](覊旅作)

吾舟者  従奥莫離  向舟  片待香光  従浦榜将會

吾が舟は 沖ゆな離り 迎へ舟 方待ちがてり 浦ゆ漕ぎ逢はむ
 
わがふねは おきゆなさかり むかへぶね かたまちがてり うらゆこぎあはむ
・・・・・・・・・・・・・
われらの舟よ沖へは漕ぎ出さないでくれ

迎えにくる舟を待ちながら

岸辺を漕いで迎え舟に出逢おう
・・・・・・・・・・・・・



7 1201;雑歌,作者:古集,羈旅,土地讃美(和歌山くまの)

[題詞](覊旅作)

大海之  水底豊三  立浪之  将依思有  礒之清左

大海の 水底響み 立つ波の 寄らむと思へる 礒のさやけさ
 
おほうみの みなそことよみ たつなみの よせむとおもへる いそのさやけさ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大海原の水底までとどろかして立つ波の

打ち寄せるこの磯のさやけさよ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

万葉集 更新情報

万葉集のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。