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万葉集コミュの万葉集 864・865・866・867・868・869・870

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5 864;作者:吉田宜、大伴旅人、書簡,梅花宴,唱和,贈答,恋情

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[題詞]
宜啓ー宜が謹んで申し上げます  
伏奉四月六日賜書ー四月六日にお手紙を頂戴致しました  
跪開封函ー謹んで封緘を開き  
拜讀芳藻ー立派な文章を拝読致しました  
心神開朗以懐泰初之月鄙懐除<*>ー私の心は明るく開け泰初が月を懐に入れたような心地で  
若披樂廣之天ー鬱積も晴れて樂廣の青天を披くような気分です 
至若羈旅邊城ー大宰府に旅して  
懐古舊而傷志ー昔を回想して心を悲しませたり  
年矢不停<憶>平生而落涙ー歳月が矢のように過ぎ去り若き日々を思って涙を落としたりすることだ  
但達人安排ーただ達人の境地で成り行きに任せ  
君子無悶ー立派な君子として心を煩わさないようにするしかありません  
伏冀朝宜懐*之化暮存放龜之術ー朝には雉をなつかせるような徳政を敷き夕方には亀を逃がすような仁術を施し  
架張趙於百代ー張・趙のように百年後までも名を残し  
追松喬於千齡耳ー松・喬のように千歳の寿を保ってください  
兼奉垂示ーあわせてお示しになったように  
梅<苑>芳席群英x藻ー梅花の宴で多くの優れた人が立派な歌をつくり    
松浦玉潭仙媛贈答類否壇各言之作疑衡皐税駕之篇ー松浦川の淵で仙女と歌を贈答なさったのは  孔子の講壇で人々が意見を述べたごとくですしまさに衡皐税駕の故事のようです  
耽讀吟諷<感>謝歡怡ー読み耽っては口ずさみ
宜戀主之誠ーお気持ちをありがたく親しみ楽しんでおります宜のあなたに対する思慕の情は  
誠逾犬馬仰徳之心ー犬や馬を超える忠誠心で徳を仰ぐ心は  
心同葵○ー向日葵が太陽に向かうのと同じです  
而碧海分地白雲隔天ー紺碧の海は地を分かち白雲は天を隔てて遠く  
徒積傾延ー空しく思慕の念を積み重ねています  
何慰勞緒ーどのようにして心の嘆きを慰めましょう  
孟秋膺節ー秋の季節の変わり目です  
伏願萬祐日新ー何卒日々御加護がありますように  
今因相撲部領使謹付片紙ー相撲部の部領使いが下向するにあたり  
宜謹啓ー謹んで一片の書簡を託します
不次ー 以上、宜が謹んで申し上げました   
/ 奉和諸人梅花歌一首ー諸人が梅花に和して奉った歌一首
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於久礼為天  那我古飛世殊波  弥曽能不乃  于梅能波奈尓<忘>  奈良麻之母能乎

後れ居て 長恋せずは 御園生の 梅の花にも ならましものを 

おくれゐて ながこひせずは みそのふの うめのはなにも ならましものを
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後に残されて長々と恋い慕っていないで

御庭の梅の花にもなりたいものを
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5 865;作者:吉田宜,大伴旅人、書簡,松浦仙媛,唱和,贈答

[題詞]和松浦仙媛歌一首

伎弥乎麻都  々々良乃于良能  越等賣良波  等己与能久尓能  阿麻越等賣可<忘>

君を待つ 松浦の浦の 娘子らは 常世の国の 海人娘子かも 

きみをまつ まつらのうらの をとめらは とこよのくにの あまをとめかも
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あなたを待っている松浦川の浦の少女たちは

神仙の国の天女であることだよ
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5 866;作者:吉田宜,大伴旅人、書簡,奈良

[題詞]思君未盡重題二首
君を思うこと尽きず、重ねて題する二首

波漏々々尓 於忘方由流可母 志良久毛能 <知>弊仁邊多天留 都久紫能君仁波

はろはろに 思ほゆるかも 白雲の 千重に隔てる 筑紫の国は 
 
はろはろに おもほゆるかも しらくもの ちへにへだてる つくしのくには

[左注](天平二年七月十日)
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はるか遠くに 思われることですよ

白雲が千重にも道を隔てている筑紫の国は
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5 867;作者:吉田宜,大伴旅人、書簡,奈良

[題詞](思君未盡重題二首)
君を思うこと尽きず、重ねて題する二首

枳美可由伎  氣那<我>久奈理奴  奈良遅那留  志満乃己太知母  可牟佐飛仁家<里>

君が行き 日長くなりぬ 奈良道なる 山斎の木立も 神さびにけり
 
きみがゆき けながくなりぬ ならぢなる しまのこだちも かむさびにけり

[左注]天平二年七月十日
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あなたのお出ましから日数が長く経ちました

奈良の庭園の木立もすっかりすさんでしまったことです
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5 868;作者:山上憶良,大伴旅人、太宰府,松浦佐用姫,天平2年7月11日

[題詞]憶良誠惶頓首謹啓ー憶良が心よりかしこまり謹んで申し上げます


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憶良聞ー憶良は聞いております
方岳諸侯ー諸国の国司
都督刺使ー大宰府の官人
並依典法ーみな定めによって
巡行部下ー管内を巡行
察其風俗ーその風俗を視察する
意内多端口外難出ー心に思うところが多く、口では表現できかねます
謹以三首之鄙歌ー謹んで拙い三首の歌をもって
欲寫五蔵之欝結ー体内の鬱積を除こうと思います
其歌曰ーその歌は
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麻都良我多  佐欲比賣能故何  比列布利斯  夜麻能名乃<尾>夜  伎々都々遠良武

松浦県 佐用姫の子が 領巾振りし 山の名のみや 聞きつつ居らむ
 
まつらがた さよひめのこが ひれふりし やまのなのみや ききつつをらむ

[左注](天平二年七月十一日 筑前國司山上憶良謹上)

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松浦の県の佐用姫が領巾を振った山を見ることもなく

山の名前だけを聞いて過ごすのでしょうか
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5 869;作者:山上憶良,大伴旅人、太宰府,松浦佐用姫,神功皇后,天平2年7月11日,推敲

[題詞](憶良誠惶頓首謹啓 / 憶良聞 方岳諸侯 都督刺使 並依典法 巡行部下 察其風俗 意内多端口外難出 謹以三首之鄙歌 欲寫五蔵之欝結 其歌曰)

多良志比賣  尾能美許等能  奈都良須等  美多々志世利斯  伊志遠多礼美吉 [一云 阿由都流等]

足姫 神の命の 魚釣らすと み立たしせりし 石を誰れ見き [一云 鮎釣ると] 
たらしひめ かみのみことの なつらすと みたたしせりし いしをたれみき[あゆつると]

[左注](天平二年七月十一日 筑前國司山上憶良謹上)

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帯日売の命が魚をお釣りになるとて(鮎を釣るとて)

お立ちになった石を誰が見たのでしょう
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5 870;作者:山上憶良,大伴旅人、太宰府,松浦佐用姫,天平2年7月11日

[題詞](憶良誠惶頓首謹啓 / 憶良聞 方岳諸侯 都督刺使 並依典法 巡行部下 察其風俗 意内多端口外難出 謹以三首之鄙歌 欲寫五蔵之欝結 其歌曰)

[左注]天平二年七月十一日 筑前國司山上憶良謹上

毛々可斯母  由加奴麻都良遅  家布由伎弖  阿須波吉奈武遠  奈尓可佐夜礼留

百日しも 行かぬ松浦道 今日行きて 明日は来なむを 何か障れる
 
ももがしも ゆかぬまつらぢ けふゆきて あすはきなむを なにかさやれる
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百日かけて行くわけでもない松浦路は

今日行って明日には帰れるものを

何が妨げているのでしょうか
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松浦佐用姫

 日本の三大悲恋物語といわれる松浦地方に伝わる伝説が、「松浦佐用姫」の物語です。

古代537年、新羅に出征するため、大伴金村の子、狭手彦が、28代宣化天皇の勅命で朝鮮半島の任那、百済の救援に派遣された。

青年武将大伴狭手彦は、停泊地である松浦の地で土地の長者の娘「佐用姫」と恋に落ちた。

やがて、出帆の時が来て、別離の悲しみに耐えかねた佐用姫は鏡山に駆け登り、軍船にむかって身にまとっていた領巾(ひれ)を打振った。
それでも名残はつきず、佐用姫は山から飛び降り、呼子加部島(よぶこかべしま)まで追いすがったものの、すでに船の姿はなく、悲しみのあまり七日七晩泣き続け、ついに石に化したというもの。
鏡山はこの故事から「領巾振山」と呼ばれるようになった。「鏡山」は、標高284mながら、松浦潟、虹の松原を一望できる絶好のロケーションにある。

また肥前国風土記には、同様に狭手彦と領巾を振りながら別れた弟日姫子(おとひめこ)という娘の話が収録されている。こちらでは、別れた後狭手彦によく似た男が家に通うようになり、これが沼の蛇の化身であると正体がわかると沼に引き入れられ死んでしまうという話になっているが、この弟日姫子を佐用姫と同一視し、もう一つの佐用姫伝説とされることもある。

また、この松浦川には、神功皇后が鮎を釣って神意を伺った「鮎占」という伝説が残っている。「鮎」が魚偏に占と書くかというと、昔、占いに使われたからだといわれ、この時使った竹竿が、遠く神戸の生田神社に「神功皇后釣竿の竹」として残っていると伝わる。
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