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万葉集コミュの万葉集 854・855・856・857

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5 854;作者:大伴旅人、玉島川,求婚,野遊び、想念

[題詞] 答詩曰(答えた詩に曰く)

多麻之末能  許能可波加美尓  伊返波阿礼騰  吉美乎夜佐之美  阿良波佐受阿利吉

玉島の この川上に 家はあれど 君をやさしみ あらはさずありき

たましまの このかはかみに いへはあれど きみをやさしみ あらはさずありき
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
玉島川上流に家はあるのですが

貴方に対して恥ずかしくて

私の家などとても申し上げられません
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆ 「松浦川」は「玉島川」。 「玉島」は「玉島川」のことで佐賀東松浦郡浮岳の南に発して浜崎で海に注ぐ。
☆ 「やさしみ」は形容詞・終止形「やさし」(恥ずかしい。みっともない)+接尾語「み」(〜ので)。
☆ 「顕さず」→サ行四段活用動詞「顕す」の未然形「顕さ」+助動詞・打消「ず」の連用形「ず」=打ち明けない。
☆ 「ありき」はラ行変格活用補助動詞(状態・存在の表現を助ける。〜の状態である)「あり」の連用形「あり」+助動詞・過去「き」=〜の状態でありました。

 
853「漁りする海士の子どもと人は言へど見るに知らえぬうま人の子と」

「一目見てそれと分かるような高貴さを漂わせた女児を人は海士の子だと貶んでいますが私には分かります、(神功皇后のような)良家の児孫であることが」の歌に答えたもので、

 それはあまりのお言葉、そおまで高貴な貴方様にいわれては、自分の出自を露見する我が家のたたずまいは指さして申し上げることなどできません。

願わくばこの夢のような気分をいつまでもそのままにしておきとう御座います。
と応じている場面ありさま。

☆ かつてヒミコのような女帝が治めた「倭国」。
  自分はそのような女性を愛し、その人のために死にたかった。
と、そのように想念する旅人を感じる。「百済倭国(フジワラ)」「日本」、藤原四卿の「日本国」、彼らの意に沿うことに汲々としている自分を見詰めていたのかもしれない。


855;作者:大伴旅人、玉島川,巡行,創作,遊仙窟,神功皇后,求婚,野遊び

[題詞]蓬客等更贈歌三首(蓬客等が更に贈った歌三首)

麻都良河波  可波能世比可利  阿由都流等  多々勢流伊毛<何>  毛能須蘇奴例奴

松浦川 川の瀬光り 鮎釣ると 立たせる妹が 裳の裾濡れぬ 

まつらがは,かはのせひかり,あゆつると,たたせるいもが,ものすそぬれぬ
・・・・・・・・・・・
松浦川

川瀬光り輝き

鮎を釣る

乙女子の裳裾

濡れており
・・・・・・・・・・・
☆ ほう‐かく【蓬客】
ヨモギが風に吹かれて飛ぶように、  あちらこちらさすらい歩く旅人。
☆ 「立たせる」は タ行四段活用動詞「立つ」の未然形「立た」+助動詞・尊敬「す」の已然形「せ」+助動詞・存続「り」の連体形「る」=お立ちになっている。
☆ 「妹」は女性。
☆ 「裳」は上代女性が腰から下に付けた衣。
☆ 「濡れぬ」はラ行下二段活用動詞「濡る」の連用形「濡れ」+助動詞・存続「ぬ」=濡れております。


856;作者:大伴旅人、玉島川,巡行,創作,神功皇后,求婚,野遊び

[題詞](蓬客等更贈歌三首)

麻都良奈流  多麻之麻河波尓  阿由都流等  多々世流古良何  伊弊遅斯良受毛

松浦なる 玉島川に 鮎釣ると 立たせる子らが 家道知らずも
 
まつらなる たましまがはに あゆつると たたせるこらが いへぢしらずも
・・・・・・・・・・・・・・・・
松浦の玉島川で

鮎を釣っている乙女達の家路を

私は知ることが出来ないのですよ
・・・・・・・・・・・・・・・・
☆ 「なる」は助動詞・所在「〜にある」の意。
☆ 「立たせる」はタ行四段活用動詞「立つ」の未然形「立た」+助動詞・尊敬「す」の已然形「せ」+助動詞・存続「り」の連体形「る」=お立ちになっている。
☆ 「知らずも」はラ行四段活用動詞「知る」の未然形「知ら」+助動詞・打消「ず」+終助詞・詠嘆「も」=知りえません(わたしともあろうものが・・・ここは次元を超えた神功皇后ゆかりの秘境なのかも?)。



857;作者:大伴旅人、玉島川,巡行,創作,神功皇后,恋愛,求婚,野遊び

[題詞](蓬客等更贈歌三首)

等富都比等  末都良能加波尓  和可由都流  伊毛我多毛等乎  和礼許曽末加米

遠つ人 松浦の川に 若鮎釣る 妹が手本を 我れこそ卷かめ 

とほつひと まつらのかはに わかゆつる いもがたもとを われこそまかめ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
松浦の川に若鮎を釣るあなたの腕を

私こそが枕としたいことですよ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

☆ 「遠つ人」は「まつ」を言い出す枕詞。
☆ 「多毛等=袂」は「手本」と表記。「肘から肩までの部分」。
☆ 「め」は助動詞・意志「む」の已然形で係助詞「こそ」の結び。

「私を措いて誰が貴女と枕を交わすことがあるでしょう」とは。
蓬客として言えることなのか? 夢物語だから、ま 佳境ということでしょうか。

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