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YOSHIKIは神コミュの★詩人YOSHIKI★

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【ART OF LIFE YOSHIKI+市川哲史の会談より抜粋】

「何のために生きているの?」
「何故生きているの」が口癖だった
by詩人YOSHIKI



----とりあえず確認しときたいんですが、Xの作詞者は3名存在するわけ
だよねぇ。

Y「YOSHIKIでしょ、白鳥瞳、五十嵐美由姫。」

----白鳥麗という人間も存在してたと思うんだけど。

Y「あの人は、パンク系のバンドでドラムを叩く人ですね。」

----彼の姉にあたるのが白鳥瞳?

Y「一応お兄さんなんだけど。まぁでもこの辺の人たちは性別関係ないか
ら、とにかく上の人が白鳥瞳っていう人。」

----自分でキャラクター作りすぎて、YOSHIKI自身もはや明確な差別化
が出来ていないような気がするんですけれども。もはや。

Y「(笑)そんなことないです。全員、実在の人物なんですよ。」

----自分で詩を書いて作詞クレジットを書く際に、ペンネームを使い分
けてるだけじゃないんですか?

Y「いやいやいや。例えば“STANDING SEX”が出来上がるまでは、作詞
者ってYOSHIKIと白鳥瞳しかいなかったわけでしょ?ちょっとその2人の
イメージに当てはまらない詩が――いや、そういう当てはまらない詩を
持ってきた人がいたんですよ、五十嵐美由姫っていう。白鳥瞳もYOSHIKI
も書かないような詩だったんで、採用したという。」

----ちなみに三者三様の詩の作風を解説してほしいんだけど、まず白鳥
さんの書く詩ってのはどんなイメージなんですか?

Y「あの人、どの曲書いてるんだっけ?」

----俺に訊くな。

Y「(笑)“X”や“オルガスム”ってあの人が書いてるんだよね?基本
的に凄いポジティブなんですよ。最後絶対プラスの方向に向かって終わ
ってるという。」

----まぁ「感じてみろ/叫んでみろ/心燃やせ」のサビが印象的な「X」と
か、「Get toオルガスム/身体とかせ」となる「オルガスム」とか、自分
以外の人間を煽動してる観はあるけれども。

Y「そうなんですよ。俺じゃ“X”の詩は書けない(笑)。」

----じゃあ白鳥瞳がポジティブならば、YOSHIKI自身の作風はどう定義
づけられますか?

Y「基本的に――ネガティブというわけじゃないですけど――“混乱”で
すね、大混乱みたいな。」

----「閉ざされた愛に向かい」叫びつづけたり、「何処に行けば苦しみ
を愛せる」と嘆いたり、「鏡を見つめながらふるえる体に/流れ始めた透
き通る血を青白いおまえの心に/絡ませ厳格に消えていく最後の涙を/拾
い集めて血にまどろむ」とカオスしちゃう、所謂18番ね。

Y「そうなんですねぇ。」

----すると五十嵐美由姫嬢の世界はポジティブでもネガティブでもなく。

Y「基本的に“破壊”なんですけど、混乱にもポジティブにも当てはまら
ないと。もっと意味のない部分の世界で。」

----というと、要は“単なる破壊衝動”というか、“その場限りの爆
発”的なものなわけね、アナーキーっぽい。

Y「そう。彼はねぇ、刺激だけを求めてるっていう。だから詩の言葉の意
味はあまり関係ないです。多少は持たせてるかもしれないけど、あまり
感じ取れませんね。“STANDING SEX”はもう、単なる衝動の暴発状態で
すから。」

----確かに三者三様ではあるけれど、そもそも最初に詩を書いたのはい
つ頃になるんですか?

Y「えー、俺ですかぁ?・・・・・・高校生かな。」

----その最初に書いた詩を覚えてますか。

Y「(笑)覚えてます。」

----どういう詩ですか。

Y「“I'LL KILL YOU”です(笑)。」

----(笑)インディーズ盤の『VANISHING VISION』に入ってる、あの
「I'LL KILL YOU」?

Y「・・・・・・そうです(笑)。」

----高校生の分際で「ぶっ殺してやる!」なんて歌詞を書いてたのか?
どんな高校生だよ、一体。

Y「『“ぶっ殺すぜ”って英語で何て書けばいいんだ?』みたいな。」

----(笑)よくわかんないけれども、当時の自分の状況をそのまま表現
してるわけだ。

Y「でも実はラブソングなんですよ。」

----でもそもそも、詩を書くのって最初は結構難しい作業じゃん。形式
とか様式とか体裁とか。

Y「何も気にしなかったですね。何にも気にしないし――ソニーとの契約
してデビューする頃に、会社から少し言われたんですよ、『詩とはどう
のこうのどうのこうの』って、『韻を踏んでどうの』とかね・・・関係ない
ッスね、全然。ずぅっとやってきて今も思うけど――僕、人の詩を読む
のが好きで、CD買うと日本の作品であろうと外国の作品であろうと大
体、一通り読むんだけど――あんまりねぇ、関係ない。そんな小さい業
現方法とか気にするのって、歌謡曲ぐらいなんじゃないの?韻を踏んで
どうのこうのとか、流れがどうのこうのとか。だから全然気にしない。
逆に気にするのなんて馬鹿みたい。」

----しかしそうやって他人の作品を細かくチェックしてるということは
詩のスタイルを一応気にしてる証明みたいなもんじゃない?

Y「うん。」

----そうやって比較検討してみた結果、YOSHIKIの中で書いた詩とかは
こんな作風なんだ」的なものは見えましたか?

Y「んー、最近の『JEALOUSY』の中で書いた詩とかは、凄い好きです。最
初に言っておくけど。まずねぇ、直接的に言いたいものは直接的な言葉
でいってしまうんだけど、例えば『愛』って言葉があるでしょ。みんな
それを言おうとするでしょ?でも絶対、僕の『愛』は普通に言われる
『愛』じゃないんですよね。例えば『好きだ』って言おうとするでしょ?
『アイラブユー』と言うとしたならば、俺の場合それは『キルミー、ラ
ブ、僕を殺してくれ』ってなっちゃうんですよね。『好きだ』と言うか
わりに『立ち去る前に殺してくれ』とかって表現になるんですよね。」

----そうした表現スタイルというか表現アプローチの違いに、凄くネガ
ティブな印象をうけるんだけれども。姿勢自体が。

Y「うん。ネガティブな表現の方が僕は怖いし、ぐっとくるし、そのほう
が強い愛って思えちゃう。」

----がけっぷちじゃないけれど、自分がギリギリの状況まで追い込まれ
ないと、自分の価値観は伝えられない的な発想なんですかねぇ。

Y「んー、そうですねぇ。でもまぁ、『愛』っていうもの自体が俺には分
からないしね。どこまでが愛と呼ばれるかもわからないし――結婚にし
てもそうだけどね、何故結婚するんだろうっていう。だってさぁ――ま
ぁ僕はあまりそういう経験ないですけど――今、一般的にね、まず男女
が交際しはじめると月何回か映画に行ったりとか食事に行ったりとかし
てデートを重ねると、結果的にそういうことを繰り返して別れたりと
か、『結婚しよう』って籍入れたりとかするわけですよ。それが愛なん
ですかねぇ?俺には分からない。何か一般的に言われるシナリオがある
でしょう、もう社会の中で。」

----じゃあYOSHIKIの考える愛ってどういうものになるんですかねぇ。

Y「ちょっとわかんないんだけど、皆でも結局、その2人の愛というより
も――周りがあっての、周りの中での2人の愛っていうですか?第3者達
の存在があって、彼らに認めさせた上での2人の愛っていうか。だから結
婚してもその手続きに過ぎないというかね。」




----ここ3年間、ドラマは恋愛とか純愛のキーワードになってて。例えば
漫画だと『同級生』や『東京ラブストーリー』の紫門ふみであり、音楽
で言うとユーミン。松任谷由実の純愛3部作ですっかりすれきった若者の
間で「純愛」に対する憧れが膨れ上がって。でも「純愛とは何かって皆
わからないわけよ。わかんないから、とりあえず純愛のスタイルだけを
真似る、みたいなさ――さっきの手続きに似てるんだけれども
――そう
した実の伴わないスタイルを重宝するのが、今の主流なんだよね。そこ
で「立ち去る前に殺してくれ」なんぞと、真っ向から全く違う破天荒な
ものを出してるのが不気味な個性ですな。

Y「僕の詩の世界みたいな愛が流行ってしまったら、それこそ世の中怖い
ですけどね。」

----世の中死人だらけ、ですな。

Y「(笑)そっちで自殺したぞ!こっちじゃ刺された!みたいな。」

----自分の詩にそうした恋愛観はかなり出てると思いますか。

Y「結局僕は、そこに生き方を求めてしまうんですよね。だから愛ってい
うのは、結構僕の中ではあまり見えないで。ただ、“愛”って言葉に人
は引っかかるから――自分でも引っかかるんで使ってるけど――愛の中
にやっぱり、恋愛だけじゃなくて自分の生き方とか友情とかも全部含ま
れてるからなぁ。」

● ●

----じゃあ詩を書く際に、「俺はこれを一番書き込みたい」っていう素
材になるのはなんですか?

Y「まず自分の混乱ですね。市川さん『アートオブライフ』の詩はよく知
ってるでしょ?結局あれで言いたいのは、いろんなことを振り返ったり
自分をいろんな風に叩き潰してみたり、また逃げ出したりとか。そんな
感じで自分を追及してるんだけど、結局わかんないで終わっちゃうんで
すよね。『ふん、結局また何もわかんないままで終わったか、この馬鹿
は』って思ったでしょ?詩を読んで(笑)。結局いろんな風に考えてみ
る。壁を作ってみたり壊してみたり逃げたり立ち向かったり。」

----要は、自分を痛めつけてる歴史みたいなもんじゃん、「アートオブ
ライフ」に限らずYOSHIKIの詩というのは。

Y「そうですねぇ。『アートオブライフ』の中には『全てが夢なら俺を起
こして/全てが現実なら俺を殺して』という被害妄想の自分がいて、それ
を客観的に眺めてる自分もいて、また被害妄想に向かってる彼に破壊を
薦める自分もいて、更に狂気状態と化した被害妄想の自分をビビりなが
ら見つめてる自分もいるわけですよ。」

----分裂を通り越して、異常繁殖してますなぁ。赤潮みたく(笑)。

Y「(笑)でもねぇ、それだけ混乱と破壊と狂気が同居していながら、そ
れでも『俺はずっと生き続けたい』と客観的な自分は根本的に願ってる
わけです。」

----つまり死に急ぐ自分と生き続けたい自分が同居してるわけじゃな
い?その対比が一番分かりやすいと思うんだけどね。

Y「そうですね。でもそんな程度じゃ割り切れない混沌状態ですから。と
りあえずの『アートオブライフ』の定義としては、『永遠に血を流しつ
づける心の旅』みたいな。それは決して終わらないけど、っていうそん
な感じなんですよ。」

----今の「アートオブライフ」の超概略を聞いて思うのは、YOSHIKIな
り五十嵐美由姫なり白鳥瞳なりの三者が、各々1人1人の自分として登場
してる観があるんですが。

Y「そうですね、ありえるかもしれないですね。」

----その場限りのぶち壊し破壊衝動の自分が五十嵐美由姫であり、「も
っと壊しちゃえばいいんだ」と煽動する自分が白鳥瞳であったりする?

Y「そうですねぇ。でもこの詩って、1人を主人公に置いて読むときっと
理解できないと思います。“おまえ”とか“彼”とか人称代名詞がいっ
ぱい出てくるし。でも実は、“彼”も”おまえ”も”俺”も全部自分な
んですよね。だけど自分の中では、“あなた”とか”彼”になっていっ
ちゃうんですよね。」
----しかしそうしたキャラクターが、今までは作品別にバラバラに出て
たわけで。それが実は根元は1本だったことを今回の「アートオブライ
フ」が実証した観もあるなぁ。

Y「あり得ますね。でも、分離するでしょ?その分離した同士でここまで
言い合うか、みたいなのありますけどね。喧嘩が始まっちゃいますよ
ね、本当に。昔は核なる自分がいて、その中にいろいろな自分が同居し
てた感じだったんだけど、各々が存在感を持ち始めたし、各々が大きく
なって対等になってきたっていう。」




----以前はそこまで完全に分かれてなかった?

Y「分かれてなかった。『こういう面も持ってるんだな』程度はあったけ
ど、確実に何人か別人がいるっていうか――絶対違うもん、自分でも不
思議だと思う。」

----別人格を意識し始めたのはいつ頃からになるの?

Y「んー、デビューしてからですね。デビュー前も混乱はずっとしてた
し、昔から『何の為に生きるの?何故生きてるの?』が口癖だったんだ
けど。友達に訊いても『YOSHIKIちょっとヤバいんじゃないの?』って言
われて、『いや、ちょっと疑問に思ってさ』と喋ってたんだけど。」

----でもね、基本的にYOSHIKIの分裂現象の核となってるのは「何の為
に生きるのか」だと思うね。やっぱりそれが未だに最大の命題でさぁ。

Y「そうですね。わかんないです未だに。お金が欲しいのか?そうでも
ない。名声が欲しいのか?そうでもない。何が欲しいんだ?みたいな。」

----その答えが欲しい、が表現衝動の核じゃない?

Y「凄い欲望が強い人間なのかもしれないです。だから、普通のものを与
えられて、『ああ、幸せだ』って思わないですよね。もし思ったとした
ら、人間なんだから当然その幸せをキープしようとするんだろうけど、
未だに『これが幸せなんだ、生きてるんだ』ってことを本当に感じたこ
とは無い。一瞬感じても、すぐ過去のものになってしまって。」




----詩の韻を踏むのが嫌なのも、全て同次元で語れますなぁ。

Y「うん。だってさぁ――だから俺はね、やっぱり作曲者でもあるからメ
ロディーを重視するでしょ?でまぁ、言葉の響きは凄い気にするわけ。1
コーラス目と2コーラス目で例えば韻を踏んだとしても、それによって同
じように聴こえるのが絶対嫌なのね。どっかちょっと違わないと嫌なの
ね。で、これは譜面上の話だけど、7〜8分以上の長い曲はダルセーニョ
なりコーダなりを使わないと、譜面って凄く長くなっちゃうんですよ
ね。だけど俺の場合、必ずそんな単なる繰り返しで終わらせないで、ド
ラムソロでも何でも全部書くんですよ。」

----同じパートでもあえてもう一回書くみたいな?

Y「そう、書くんですよ。それはドラムのフレーズにも現れてるんだけど
――基本的には似てるんだけど――同じサビが出てきても僕の場合全部
違うんですよ。同じオカズは叩かないんですよ。何故なのか理由はわか
らないんだけど、絶対繰り返さない。」

----だから詩の韻にしてもさ、韻を踏むと違う言葉でも同じに聴こえち
ゃうから、その言葉を使う意味がない。パッと聴いて印象が違えば療法
の言葉とも聴いてもらえるから的な欲の発露なんじゃないですかねぇ。

Y「あるなぁ。あとねぇ、例えば『立ち去る前に殺して』みた
いな危険な
詩、心にザクっと来るような詩を明るいメロディーに乗せるのが好きな
んですよ。明るい詩は狂気を見せるメロディーに乗せてみたりとか。」

----あえて逆を行くみたいな。

Y「が好き。それはまあ、美しいメロディーを破壊的なドラムで演ってる
のと共通する部分があるかもしれないけど。」

----逆に悲惨な詩に悲惨なメロディーをくっつける臭さが照れくさくも
あったりするんじゃないの?

Y「そうそう。俺はその臭さが嫌なんですよ。でもねぇ、白鳥瞳は『臭く
て何が悪い』みたいな、『青春だ!』みたいなことも言える奴なんです
よね。凄いストレートで俺に無い面を持ってる。俺はあんな臭いのは嫌
なの。」




Y「誰が読んでもわかるような詩は書きたくない。」

----自分の詩はわかりにくい的な自覚はありますか。

Y「うん、詩によるんだけど。分かりやすい表面は持ってると思うんです
よね。でも、肌はわかるけど心臓はわからないだろうっていう。『何処
に行けば苦しみを愛せる』という詩に、インタビュアーの人が『つまり
苦しみが好きなんですか?』って訊くけど、そうじゃないじゃない?最
近はその表面すら混乱してるけど、昔はもっとわかりやすい表面で、内
側でニヤニヤしてたみたいな(笑)。」

----確かに「紅」「エンドレスレイン」「ウィークエンド」と最初3枚の
シングルとかは分かりやすかったよねえ。完結したドラマしてて。

Y「分かりやすいですね。でも『ざわめきを殺し続けて』とか急に出て来
ると、結局もがいてる状態を意味してるんだけどなかなかわからないみ
たいで。」

----そうしたYOSHIKI特有の屈折表現に代表される詩人YOSHIKIを自分で
客観的に見るとどうですか。能力的にとか。

Y「んー、自己評価ってできない人ですから。結局自分で自分を評価する
ときには、いつもけなしてしまうからわかんないですね。結構煮詰める
方で、日本語の可能性も調べたし、僕はそういう辞典を自分で作って持
ってるんですよ。自分のための辞典なんだけど。外来語を全て書き出し
たバインダー、フランス語で響きのいい言葉を書き出したバインダー、
英語のスラングのバインダー、日本語の古い言い回しのバインダー、本
読んで心に残ったフレーズのバインダー――――いろんな詩を読むだけ
あって、実は凄い研究家で。」
----そのバインダー群を詩を書くときに参照にしてるわけですか。

Y「まああくまでも参考であって、ぜったい同じ表現は使いたくない。自
分なりに絶対アレンジする。今やりたいのは、英語の詩を書くときに、
ただ単純に日本語から英語に転換するんじゃなくて、英語でもっといろ
んな意味を出したいっていう。」

----英語で先に書く、みたいな?
「“スタンディングセックス”はそうです。あれは英語だけでイメージ
して書いちゃったから、日本語の訳はつけようないと思うし、誰かが下
手は訳をつけたら怒るぞ、みたいな(笑)。」

----あれを訳すと滅茶苦茶な内容だぜ(笑)。
「(笑)そうでしょ?単なるドラッグの詩になっちゃうでしょ?セック
ス・ドラッグ・ロックンロールみたいな感じだけど・・・・・・それでいいん
ですよね、五十嵐美由姫の詩は。でも本当は少しは意味が引っかかる言
葉があるの、“ライフ”なんですけど。するとやっぱり歌入れのときに
TOSHIも分かりにくいわけですよ、何歌ってるのか。で、『実はこのライ
フって言葉に一つ意味があるんだ・・・でも気にしなくていい、これは五十
嵐美由姫の詩なんだから』といったりするんですよ。」

----その持って回ったアドバイスが余計、TOSHIを混乱させてないか?
「(笑)たまに可哀相だけど――でも“サイレントジェラシー”のとき
もねぇ、詩を読んで彼は『狂気っぽく歌えばいいんだ』と思って、凄く
狂気っぽく歌うわけですよ。そのとき俺が言うのは、『違うんだ、30%だ
け狂気を入れてくれ』と。だから、狂気的な詩なりメロディーを狂気っ
ぽく歌ったら本当の怖さは出ないんですよ。例えば、『人に殺してくれ
ぇ!』と言っても怖くないでしょ?普通に『殺して』と何気なくポッと
言われたらビクッとするでしょ?そういうニュアンスなんですよね。」




Y「いつもねぇ・・・・・・TOSHIはTOSHIなりの素晴らしい魅力があるから、
結構妥協があったんだけど――50%の妥協と50%のOKできたんだけど、
『JEALOUSY』のときは70、80までこだわってみようと思ったんですよ。
でも難しいですねぇ。やっぱり喉って生きてるものだし、そのために殺
しちゃうわけにはいかないし。だから歌録りのときとか僕のほうがエキ
サイトしちゃいますよね。コンソール・ルームで凄いエキサイトしちゃ
ってる、『違うんだぁー!』とかって(笑)。」

----しかしそれだけ言葉にこだわっていながら、曲の全編英詩という日
本人にとっては不利な表現手段が目立つんですけれども。

Y「たまたま『JEALOUSY』のレコーディングでLAにいて気付いたことな
んだけど、日本語の素晴らしさを――“サイレントジェラシー”なんて
最初Aメロ全部英語だったんですよ。実際全部英語でイメージして作った
わけですよ、最初に。で、英詩でやってみたんだけど、日本詩の素晴ら
しさに気付いてしまったんですよね。日本語じゃなきゃ言えない言葉っ
ていうのが――まだ英語勉強中だからそんな偉そうに言えないけど――
日本語って細かいんですよ。細分化というか、一つのことに対していろ
んな表現の方法があるし。まぁ、26ぐらいの音節と50音じゃ全然違いま
すからね。」

----それもあるし、真の意味での表音文字だしね。だから日本語って世
界で一番、感情から何から全てを表現できる言葉だもんね。

Y「うん、素晴らしい。だからそれで途中からどんどん日本語を取り入れ
ていったんですよ。本当に素晴らしいですよね、英語勉強してて気付き
ました。」

----例えば「紅」はインディーズ盤収録バージョンだと英詩だったの
に、『BLUE BLOOD』では日本詩に改作されてたけれども、あれも似たよ
うな動機だったのかしら。

Y「やっぱりねぇ、『紅に染まったこの俺を』って部分は日本語で言いた
いと思ってしまったんですよね。」

----これは確認なんだけれど、高校時代に詩を書き始めたときから元々
英語で書いてたんですか。

Y「その時期はまだ英語は片言しかわかんなかったですけどね。」

----でも『VANISHING VISION』は、英詩の曲が滅茶苦茶多いじゃない?

Y「まあだから、友達に手伝ってもらって訳したり、ある程度の知識で訳
したりみたいなところで。だから詩自体は日本語で考えてたんですね。
で、そのときは響きばかり気にしてたんですよね。でも僕は、英詩でも
結構わかりにくいものは使ってないというか、なんとなく日本人でも響
いてきちゃうような――日本人って半分英語教育受けてるしね。ドリー
ムって言えば夢だってわかるし、ライフって言えば生活だってわかる
し。だからそういう言葉たちをメインに使ってるけど。」




----何故そこまで日本語の重要性がわかってるのに、自らの半生を表現
した大切な「アートオブライフ」が全編英詩になっちゃったんですかね。

Y「だってインタビューですら話せないんだよ?日本語にしちゃうと直接
的過ぎて逆に自分が耐えられないんですよ、絶対。」

----自己防御本能による英詩ですか、要は。

Y「その通りですね。」

----でも日本のロックって部分使用にせよ全編完全使用にせよ、昔から
安直な英語の導入というのが取り沙汰されてて。そうした誤解を気にし
たことはない?
「でも“スタンディングセックス”とかは、さっきも言ったけど日本語
では逆に表現できないですよね。英語でスラング盛り込んで、あれはあ
れで面白いと思うんですよ。だから日本語で言うと、『馬鹿野郎!ふざ
けるんじゃねぇ!』みたいなことを、英語で表現してるみたいな。でも
英語だとそれなりに聴けるってことですよね。」

----確かに日本語にしちゃったら、レコ倫や会社の教育的指導で10ヶ所
は訂正させられる気がするなぁ。

Y「ああ。もうそうですね。」

----しかしこうして改めて詩人YOSHIKIの話を聞いてみると、世間では
誤解されてるけれども、YOSHIKIにとって詩とは非常に重要な表現手段だ
ってことを再確認したねぇ。

Y「結構皆が僕を捉えてくれるのって、メロディーとか作曲のことばかり
で、あまり作詞のこと訊いてくれないんですよ。質問されないから喋ら
ないだけで、実はデカイんですよね(笑)。デカイし、作曲と同じ、も
しくはそれ以上の時間を僕は割いてるっていうか。ポリシー持ってます
からね。」

----自分の人生を具体的に語ることを完全拒否してる以上は、詩で出す
しかないって気もするんだけど(笑)。

Y「はははは。そうですよね。詩はデカイな。詩から作品が出来ちゃう場
合もあるしなぁ。“ウィークエンド”の詩なんて好きだなぁ。」

----突然自分に酔っております。

Y「(笑)やめてよー。でも詩を書いて、それにメロディーつけちゃった
こともあるんですよ。その“ウィークエンド”で。」

----あれは詩が先なんだ?
「サビのね、『手首を流れる血をおまえの体に/絡みつけると一瞬のうち
に更みがえる記憶に視界を/閉ざされ笑いながら逃げていくおまえの姿
を/見つめる傷ついた俺が立っている』って部分。」

----詩が先にあってつけるメロディーと、メロディーが先で詩がくる場
合とでメロディーに差とか出る?

Y「うん、出るんですよ。だから“セイエニシング”もそうだけど、もっ
と単純なメロディーだったのに詩でちょっとメロディーが動いたりする
こととかあるから。」

----メロディーに詩を無理矢理当てはめてりしない、と。

Y「そう。『傷つけ合う言葉でも〜』のとことかそうですね。」

----それだけ詩を重視して、大切にしてるわけだ。

Y「そうです。さっきの『手首を流れる血を〜』なんて、あんなの一瞬詩
だけ見たら暗いメロディーが浮かんでくるでしょ?でも実は結構明るめ
なノリなんですよね。」

----前向きなメロディーだから変なんだよなぁ。

Y「そうですよね。それがでも刺さってくるんだなぁと思うけどね、僕
は。しかも自分に。」

コメント(1)

ちょっと質問なのですが、YOSHIKIが作った工藤静香の曲(真紅の花)は作曲がYOSHIKIで作詞が誰だったか別の人になってましたよね。
上記のインタビューにでてこない、YOSHIKIの別名じゃなくって全くYOSHIKIと別の人間の名前でしたよね。
でもどこかであの詩は実はYOSHIKIが作った物だという書き込みを見たのですが(ファンの書き込みでしたが)ほんとのところ誰か知ってる人いませんか?
そしてそれが真実ならYOSHIKIはどこかでその事を語っているのでしょうか?
そしてその理由は何なのでしょうか?
すごく気になってしまってるのでどなたか知っていたら教えてください

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