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サンノゼ格闘倶楽部コミュのキムラ

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今日はMMA(Mixed Martial Arts=総合格闘技)やグラップリング(レスリングと柔術をあわせたような打撃の無い戦い)でよく使われる“キムラ”ロックについて説明します。

この“キムラ”ロックは柔道で言う“腕がらみ”のことだそうです。伝説的柔道家木村政彦が1951年にブラジルで“グレーシー柔術”の創始者エリオ・グレーシーを倒した際に使われた技ということでグレーシー柔術の世界で“キムラ”と呼ばれていたのがMMAでも使われるようになりました。

このキムラ、色々な体勢から仕掛けられる技で、英語ではチキンウィングアームロックとかキーロックとかアメリカーナとか呼ばれたりすることもあるようです。

1)サイドマウント(横四方固め)からのキムラ

写真一枚目は2004年6月のPrideヘビー級トーナメント準々決勝で、現Prideヘビー級チャンピオンエメリヤエンコ・ヒョードルがケビン・ランドルマンをタップさせた瞬間です。

ケビン(下)の左手首をヒョードル(上)が右手でつかみ、ケビンの左腕をVの字に曲げ、Vの字のとがった方がケビンの頭の方を向くようにするや否や、ヒョードルは左腕をケビンの左腕の下から通し自分の右手首をつかみます。そしてVの字のとがっている部分(ケビンの左肘)を天井に向かってひねりあげます。このとき横四方固めの状態から足を下の人間の頭の方へ持って行き、左足で頭にかぶせるとまず下の人間は逃げられません。写真では分かりにくいかもしれませんが、ヒョードルの左足がレフリーの後ろ側まで来てるのが見えます。

同じサイドマウントの体勢から、Vの字のとがった方を足の方に向けて極めるパターンもあります。この場合はヒョードルは左手でケビンの左手首をつかみケビンの肘を足の方へ向けて曲げ、右腕をケビンの腕の下から通し自分の左手首をつかみ、肘を天井に向けてひねりあげます。この時ケビンの左手をケビンの体に近づければ近づけるほど(言い換えれば肘を曲げれば曲げるほど)技が極まりやすくなります。

2)ガードポジションからのキムラ

写真二枚目は2001年9月のPride16でのアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラとマーク・コールマンの一戦からのひとコマ。下でフルガードポジションのノゲイラが、上のコールマンの右手首を左手でつかみ、上体を起して右腕をコールマンの右腕の上から回して自分の左手首をつかみます。その後、下のノゲイラが上のコールマンの右腕を引っこ抜き自分のおしりを左側にずらしつつ、コールマンの右腕を彼の背骨に近づけながら肘を天井に向けるようにひねり上げるとタップさせることが出来ます。

この技しかけるのが比較的簡単なのと同時に、防ぐのも簡単なので最近の総合の試合では余りこのパターンが極まる所を観た記憶がありません。この写真でコールマンがやっているように、絡められた自分の腕をひっこぬかれないように自分のももの内側に手を入れて腿をつかんでいればいいのです。

この防御は僕とTim位の力の差があっても有効なので、下にいる人間があまりにも長く引っこ抜こうとうんうんやっていると逆に体力を消耗する羽目になります。

もっとも下の人間はこの技をやると見せかけて、上の人間が腿の内側に意識を置き過ぎた所で上の人間の右腿を外側から自分の左足で引っ掛けると同時に右足で上の人間の胴体を左側へなぎ倒して自分が上になる(スイープ)という技も出来ます。(僕は以前これでよくTimにスイープされてました 涙)

そしてこの技は簡単に防がれる上に、下の人間は自分の足で上の人間の体をがっちりロックしていないと、絡めていたはずの腕を逆に取られ、ガードからするっと抜け出してアームバー(腕ひしぎ十字)で極められるという危険もあります。マット・ヒューズがジョージ・セント・ピエールに2004年10月のUFC50で極めた技は今でも鮮烈に記憶に残っています。

3)スタンドからのキムラ

実は個人的にはこれが一番お気に入りのパターン。三枚目の写真は2000年8月のPride10で当時“グレーシーハンター”として世界中に名を轟かせていた“サクちゃん”こと桜庭和志がヘンゾ・グレーシーを倒した時のもの。“キムラ”と言うと僕の中ではすぐこの試合が頭に浮かぶほど強烈なフィニッシュでした。

この技は、立った状態で相手に後ろから体を両腕でロックされ、後ろへ投げられたり前や横に倒されたりしそうな時に、相手の腕を絡みとってロックをはずすのによく使う技ですが、サクちゃんはこの時目にも留まらぬスピードで腕を絡めたまま一回転半してヘンゾをマットに組み敷きレフリーストップに追い込みました。

写真枚数に限りがあるのでコメント欄に載せますが、ヘンゾの肘があらぬ方向へ曲がってしまって戦闘不能になっているのが分かります。(あれでタップしないところは凄いと言えば凄いですが)

写真のように後ろから組み付いてきた相手の左腕を絡め取るときは、右手で相手の左手首をつかむと同時に、自分の左腕を相手の左腕と脇の間を腕の後ろからくぐり抜けさせて自分の右手首をつかみます。このようにロックしたら思いっきりロックした両手を斜め左下に向けてがっと動かして相手の両手のロックをはずします。あとは野となれ山となれ(爆)。ただしこのロックをする際は自分の重心をぐっと下げ、自分のヒップポジションが相手のヒップポジションより低くしていることが肝要です。(でないと後ろに投げられます ガタブル)

後ろから組み付く人間はこのようにロックされないようにするには、相手のボディーに回した両腕をぴったり相手の体に密着させて、相手が腕を自分の腕と相手の体の脇との間にすり入れられないようにすることが大事です。

コメント二番目に写真を載せますが、この防御を実践したのが最初に出てきたケビン・ランデルマンです。後ろから組み付いたランデルマンの左腕と自分の体の脇との間にヒョードルは左腕を入れようとしますが、ランデルマンの腕が密着していて入れられません。そこへアマレス出身で物凄い瞬発力を持っているランデルマンはいきなりヒョードルを引っこ抜きバックドロップを極めます。

リアルタイムでこの試合を観てた時は、ヒョードルが頭からぐしゃっと着地したため『まさか失神KO?』と思った人も多かったと思いますが、何のダメージも見せずさくっとファイトを続行して観客の度肝を抜きました。

スローで観ると分かるのですが、体を引っこ抜かれたヒョードル、空中の一番高い地点ではまだ両手をロックしてるのですが、着地寸前にロックをはずして右腕でしっかり受身を取っているのです。

これは口で説明すれば簡単に聞こえますが、いきなり後ろにブン投げられて『あ、しまった!』なんて0.1秒でも思っていたら絶対出来ないことです。「投げられてしまったら次にどうするかを着地する前に決めて着地したら爆発的な勢いで動け!」といつもTimに叱咤されてますが、なかなかどうして・・・

結局この後ケビンは最初に説明したサイドマウントからのキムラで負けてしまうのですが、これもダイナミックでエキサイティングな好試合でした。

それにしてもこのヒョードル、昔の剣聖と言われていた人たちは多分こんなだったのだろうと思うほどの冷静さ。よく日本のホテルで本人見かけましたが、普段はいつもジャージ着たただのロシアのおっさんって感じ(笑)。いっつも穏やかな笑みをたたえてるし。で、彼の一番怖い所はファイト中でも目が普段と殆ど変わらないところ。あんな冷静な目であんなすさまじいパウンドされたら僕ならパンチが当たらなくてもそれだけでちびりそうです。

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