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黒澤明・スピルバーグ他研究会コミュの「時計じかけのオレンジ」を観ました。

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今月は予告通り、スタンリーキューブリック監督の「時計じかけのオレンジ」を紹介します。
やっぱりキューブリックも良いですね。スピルバーグも黒澤も良いですけど。
もうこの作品は、7、8回は観てるので、最初の方は覚えてたんでけど、10分すると、その独特の近未来文化を構築した世界観にグングン引き寄せられ、137分間あっと言う間に最後まで観てしまいました。
この映画をどこから紹介すれば良いのか、あまりに色々な要素が凝縮されてて、また長くなりそうですが、是非この映画を観て欲しいという観点から魅力を紹介したいと思います。
まずは、冒頭の主人公アレックスのアップからしてもうキューブリック独自の映像でしたね。すごい画面がクリアーなんですよ。DVDとかブルーレイとかの再生の機械のレベルじゃなくて、そういう意味ではなくて。秘密は撮影カメラのレンズなんですよ。ちなみに今回は普通のDVDで観ました。
キューブリックは元々雑誌「ルック」のカメラマンなんですよ、だからカメラのこと、特にレンズには詳しくて、その強みはスピルバーグも黒澤も多少はあるのでしょうが、キューブリックほどには持ってません。そこら辺は二人はカメラマンにゆだねていたのでしょう。黒澤の映像は「絵」になるとしたら、キューブリックは「写真」になるですね。
この作品では、キューブリックはF0.95という明るいレンズを使用したそうです。それなので大掛かりな照明を必要とせずに、人物の背後にある豆電球なんかだけで撮影されていたのでしょう。その豆電球の灯りが、すごく存在感があって美しいのですよ。
ちょっと話題はそれますが、キューブリックはこの作品の次の「バリーリンドン」という映画では、中世貴族の生活そのままに、照明がロウソクの光だけという映画を成立させたりしてます。その当時最高の明るいレンズを使ったそうです。
この作品の前の「2001年宇宙の旅」から「シャイニング」「フルメタルジャケット」と、まずはその映像美に酔いしれますね。一度観て、その映像美に酔いしれることができるなら、あなたはキューブリックフリークになれます。
スピルバーグも黒澤も、そのレンズへのこだわりという点では彼には負けます。
そして更に、かつ9.8ミリの超広角レンズも使用し、狭い室内撮影でもわざとロングショットにし、そうすると独特の歪みが生じるらしくて、それをこの映画のスタイルにして効果的に使っています。まずは全画面に呑まれますよ。
さて、内容に踏み込みたいと思います。
まずは、この近未来を描こうとした狙いに独特の言葉使いがあります。女のことをデボチカ、賛成や正しいという意味はライトライトライト、セックスのことをインアウト、仲間のことをドルーギー、とても良いという意味で、リアルホラーショー、超暴力をアルトラ、他にも沢山あります。それが仲間内だけの言葉ではなくて、広く世間的に使っていて、独自の近未来世界観を出しています。その言葉のリズム感が、とても僕は気持ち良くて、アンソニーバージェスの原作も以前、読みました。これらの言葉を「ナッドサット言葉」と言うそうです。
脚本は完璧です。伏線に無駄がなくて、すごいです。
作品の2/3程度は、犯罪者のルドビゴ矯正法を描いてます。
これもこの作品独自です。簡単に説明すると、4人組の非行グループとして、強姦、強盗、暴力を繰り返していた主人公のアレックスが、ついに殺人を犯してしまいます。それと同時に仲間の裏切りで、警察に捕まり14年の懲役になります。その監獄生活の中で、暴力とセックスに対しては拒絶感を持ち、吐き気がし、ついには死にたくなるというルドビゴ矯正法の噂を聞きつけ、すぐに出獄できるということで、その矯正法の実験台に立候補します。
その後、それまでのアレックス達の被害者に仕返しをされ、ついには自殺未遂を起こして、何とか命だけは助かります。後、ラストなど細かいところは言いませんよ。是非観て下さい。内務大臣なんかが、そのルドビゴ矯正法を推奨していて、絡んできます。他にも反体制の作家なんかも絡んできます。これ以上は教えませんよ。
内容は、これくらいにします。
後、この作品の別の大きな魅力、音楽のことを語りたいと思います。最初は全編、ベートーベンの第九がずっと流れている印象を持つかもしれませんが、ロッシーニ作?ウィリアムテル序曲なども入っていて、クラッシックのバージョンも流れますが、それをシンセサイザーで編曲されているのも流れたりします。また、この作品独自の不思議なシンセの曲もあります。
それに魅かれて、この作品のサントラも持っていますが、すごいです。
ずいぶんと過去のことですが、とりつかれたように、何回も聴きました。
以前紹介した「フルメタルジャケット」のサントラも何回も聴きました。
キューブリックは音楽のセンスも抜群です。

さて来月は、スピルバーグ大先生に戻って、「ジョーズ」を紹介します。
そうそう今夜、黒澤さんの「静かなる決闘」、夜にBSで放送ですね。
とても楽しみです。
何か、NHKのBSでは、今年いっぱいかけて、黒澤さんの全30作を放送するそうです。
月に2〜4作程度放送するようですよ、黒澤さんも観て欲しいです。BSに入られている方、是非是非、この機会に。
では、ご意見のある方、書き込みしてくださいね。

コメント(2)

イナウト!リアルホラショー!最高です!
Shotaさん、コメントありがとうございます。
とても嬉しいです。リアルホラショーです。
キューブリック、最高ですよね。

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