春猫コミュの【コラム不定期】名前の話

よく聞かれます。

「なんで、春猫っていうんですか」

あと、海猫、山猫と間違われます。

なんでもいいですよ。

春猫は、勢いで生まれた。

たいがいの音楽やる人は、音楽が好きで、
自分で作詞作曲をこっそり書き溜めてて、
それでもって、きっかけや時がきて、ステージに立つ。
という人があらかただと思うけんど。

私は、逆だった。

とりあえず、来月のこの日は、
自分が好きなバンドが長野に来る日だから、うちもなんかやるわ！やらせて！

勢い以外の何者でもなく、ライブ予定だけ決めた。

さて、何をやろう。
曲ってのを作らなくちゃいけないね。
しかもオリジナルじゃないとね（変なこだわり）
詩？メロディ？楽器は？ピアノ？

…とまあ、この話はいずれ。

で、バンド名（一人だけど）をつけなきゃなあ。って
まず、曲より先に考えた。

英語だと、フライアーとかで読み流されるから
絶対ひらがなか、カタカナか、漢字にしよう。

でも、
ひらがなだと、まにまにろまん
カタカナだと、ボスダブ
（いずれも、地元で好きだったバンド）とかぶるから

漢字にしよう。

季節は春。

うーん、春だなあ。
なんとなく、目指す雰囲気は　春っぽくて
猫がこたつから出てきて、背伸びしてる感じがいいなあ。

お！「春猫」にしよう。造語（=オリジナルの言葉）だし。

当時、私は一日一句、俳句を作って携帯で配信していた。
言葉にこだわって、言葉と暮らしていた頃。

春猫を思いついて決めたのは、当時たむろしていた
長野市西長野の、猫がいた路地。

「春猫」という名前を意識的に想い浮かべると、
今でも　あの西長野の風景が必ず、出てくる。

家賃一万円、風呂無しトイレ共同のぼろアパート。
（自分は住んでないよ）
その向かいの、桜がきれいな児童公園。
アイスクリームも模型がある、モンマート。
大学の裏側の、民家の柿木。
火事で焼けた、跡地。
ボロくて赤い、アルトが停まっていた狭い駐車場。

春猫です。と歌い続ける限り、あの風景はずっと変わらず
自分のそばにおって、歌っているんだと思う。

ちなみに
「春猫」とは造語ではなく、俳句では春の季語だそうです。
意味は…発情猫　つまり発情　色気　の意味ですね。

そんなんで、
友達の恩師の父には、
「そんな名前はうら若い子がやめたまえ。」と諭されました。
エンドウミチロウには、
「春猫、ふふ、へえ～」といい感じにニッコリされました。

ダブルミーニングでもなんでもいいです。

でもまあ、もう春猫ってすっかりなじんだな。