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仏像とSF部コミュの機動戦士は真如より来たり

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鎌倉や奈良の大仏といったら、小中学生の遠足コースとして定番
なので、その昔、担任の先生に連れられてぞろぞろと行った覚えの
ある人も多いことだろう。
しかしまぁ、大仏見学とは言っても、目の前の巨大な物体が何で
あるのか小学生には分かるはずもなく、
「うわー! すげー! ガンダムみたい!」
とかなんとか言っている様子などが目に浮かぶ。
何を隠そう、この僕が小学校の遠足で目の当たりにした鎌倉大仏の
第一印象というものが、まさに"ガンダム"だったのである。

しかし、子供の勘というのは、あながちバカにできるものでもない。
大の大人が説く情報の群を集めても、子供がふいに発する一言に
勝てないこともあるのである。
如来=ガンダム。この図式は、案外的を射たものであるのでは
ないかと今さらになって僕は思うのだ。


そもそも、大仏とは何か。日本ではとりわけメジャーなものとして、
鎌倉と奈良に大仏と言われるものがあるが、この二つは、どちらも
如来像である。ちなみに、鎌倉の大仏は建立されている高徳院が
そもそも浄土宗の寺院であるから、阿弥陀如来像であり、
奈良の大仏に関しては建てられている東大寺が華厳宗であるから、
毘盧舎那如来像である。この二つの大仏は、それぞれ宗教は
違うものの、どちらも如来像という点で一致している。

それでは、"如来"とは何なのか。この概念を説明するのは、非常に
難しいのだが、まぁ一言でいうなら「真如より来たりし者」という
ことになる。真如というのは、「あるがまま」という意味であり、
真実そのもののことであるから、つまりは、
「真理からやってきた存在」というのが如来の解釈であるといえる。
ちなみにここで重要なのは、「やってきた」というニュアンスだ。
如来というのは、実は「やってきている」まさにその"状態"のこと
なのである。つまりは、如来は留まっていないのだ。
まさにこちら側に「やってきている状態」でないと如来とは
いえない。つまりは、我々が如来を如来であると認識してしまった
時点で、すでに情報として固定化されてしまっているから、
それは如来ではないのだ。如来とは、常に動的"状態"でなくては
ならない。まるで不確定性原理である。

つまりは、「グワーっ!!!」とか、「ズゴーっ!!!」
というのが如来であり、大仏なのだ。もの凄いスピードで遠方より
やって来て、我々を各々の浄土に導いてくださるのである。笑
つまり、小学生が「うわー! すげー! でけー!」とか言って
いるのは、大仏の正しい鑑賞法なのかもしれない。

ところで、「でけー!」というのは、小学生が大仏を目前にして、
まず最初に放つ言葉であるが、それにしても大仏というのは、
それほどまでに"デカ"いものなのだろうか。
まず、答えから先に言ってしまうと、大仏は"デカ"いものである。
ただし、普通の"デカ"さじゃない、ありえないほどの"デカ"さなのだ。
大阪人的にいうなれば、「ありえへん!」ということだ。

大仏は"デカ"い、ちなみに、ここで"デカ"いと言っているのは、
実際的な大きさというよりも、概念としての大きさである。
例えば、阿弥陀如来(鎌倉大仏)の場合、浄土宗の基本教典である
観無量寿経によると、その実際の身長は、
「六十万億 × ガンジス河の砂の数 × 帝王一日の行程里数」であると
定義している。つまりは、こんな超巨大な阿弥陀如来が住んでいる
西方の極楽浄土は、まさに無限に広がる壮麗なスケールをもっている
ということを暗示しているのだ。(ニャー!!!)


大乗仏教の信仰の理想をまさに象徴するような、この大仏という存在。
結局、悟りを開き、浄土を築いた偉大なる"仏"を実体物として
現象世界に表現している時点で、もはや矛盾が生じているのだ。
ヴァーチャルな世界を、現実的なスケールで表現しきることなど、
できるはずもない。東大寺の毘盧舎那仏の周囲には、それを取り囲む
仏殿が建てられているが、これは、実は毘盧舎那の住む宮殿の
メタファーなのである。

大仏を訪れて、そういったメタフォリカルな暗示を愉しむような
"ゆとり"こそ、現代人に欲しいものだ。だが、残念ながら、
多くの人は大仏の前で記念撮影をして以上、終わりである。
まだまだ小学生の子供達が素直に発した鑑賞の驚きの方が、
大乗仏教の理想と教えに近いのではないか。

そう、大仏を大仏であると捉えるよりも、大仏がガンダムのような
存在であると考える方がむしろ、不足なく、その概念性に近づいて
いるような、そんな気がするのである。
「ズゴーっ!」と背中から火を吹きながら凄まじいスピードで
動いているまさにその"状態"が如来なのである。右側の画像からも
わかるように、背中のパーツがパカッと開くようなところもまた
何とも機動戦士っぽい。大仏、それは古のガンダムなのだ。

(´・ω・`)



 

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