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Toshi 鳥居コミュの塗装について

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 衣裳性を高め、木材を湿度から守る目的が楽器の塗装の役目です。擦弦楽器(バイオリン属)とギターは塗装に求められる性能は多少異なります。
湿気から守ると言っても楽器をディップ塗装(ドボ付け塗装)は不可ですから、未塗装部分は存在しそこからかなり吸湿してしまいます。木口とネジ穴要注意!日に因って音が違うのはこの辺りの影響が在るのかも?

 アコースティックギター(箱モノ)とエレキギター(ソリッド)では振動発音原理が根本的に異なり“鳴る”条件は学術的視点から考察すると全く異なります。
“ホルムヘルツ共鳴体”に分類される箱モノと“両持ち梁構造”のソリッドと言う大まかな分類と成ります。今回はソリッド系塗装に付いての記載です。

 ソリッドギターをフォログラム解析すると“たわみ振動”が観察されます。少々大げさに書けば弓矢の弓の様に弦が振動するとボディーが“たわむ”訳です。勿論、実際の弦振動力はギターボディーを曲げる程の力ではないので、ボディー表面を弦振動が行き来すると思ってください。
 この振動が表面を行き来する状況と塗装の関係が厄介で解析困難な問題でした。
乱暴に書けば塗膜の“硬さ”は木材の硬さと同等から3倍程度くらいが良好な結果でした。最後は頭に来てパリレンでギターコーティングした事有ります!(馬鹿でしょう)

 “厚さ”はある程度までは余り関係有りません!厚さ増加に伴う“重量増加”の方が影響は大きかったです。
勿論、中立軸の距離の三乗で影響しますよ!
でも、塗料の種類は当初抱いて居たほど音に影響を及ぼしません、上記2点の要素が先ず重要です。

 しかし、これでは研究したと言えません! 結論として言える事は…。

 重要な要素は木地と塗料の密着です。

 木地に浸透する塗料は基本的に“たわみ振動”を阻害する傾向が強かったですね。(オイルフィニッシュ系) ポリウレタンはラッカーよりは硬度が低い点と比重が大きいので出来上がった楽器を比較した際はラッカー系の物に軍配を上げる人が多かったです。
しかし、ウレタン自体の問題と言うより“ウレタンサンディングシーラー”が音を悪くしています。(振動吸収する)
シーラーとは中塗り(下塗り)用で木材の“目止め”に塗る塗料です。これが“重くて”、“柔らかい”タイプの塗剤が多く、表面を行き来する振動を激しくダンピングしてしまいます。シーラーを塗らないとクリアー塗装作業が大変な手間になりますし、木種に寄ってはクリアーがのりません!
(念のため、箱モノは塗装工程違いますよ!)

 因みに高圧スプレーで塗装しても、低圧スプレーで塗装しても“木地への密着”に大きな差は出ませんでした。(作業に一抹の不安あり)
霧化は影響有ります!(スプレーで吹き付けた時の粒子の細かさ)但し、細かい程良好ではありませんでした。木材表面の面粗度と塗料の粘度そしてスプレー塗料時の粒子の細かさが非常に密接、且つ複雑な相関関係として存在します。塗料業者さんやスプレー機器業者さんの指示値は決して良好な結果では無かった事を記憶しています。

 この様に無限的な要素の組み合わせに悪戦苦闘の日々が続きます。
だんだん思い込みが出て来て、結果を客観的に考察出来ていない自分に気付きながらも延々と実験を繰り返していました。

 塗装した木片や楽器を石川県林業試験センターや京都大学 農学部に持ち込み、様々な試験と解析を繰り返す日々が続きました。

 最終的には“塗料の密着度は塗装技術や塗料の問題では無い”と言う結論に辿り着きました!
信じて頂けないと思いますが“塗装技術”や“塗料”なんて殆ど音に影響ないと言う結論ですよ!!!

 そして、その結果を公表したら多くの楽器製作従事者から“嵐のような批判”を受ける羽目に成りました!

 皆さんの良識を信じて書きますが塗装する前の木材表面状態が最終的に最も完成した楽器(ソリッド)の生音に影響します。
詳しく書きたい処ですがここから先は“企業秘密”です。(メシのタネですから…)

P.S. この記載には科学的に立証出来ていない問題も含まれている関係上ご質問にはお答え出来ない事項が多々有ります。ご容赦願います。

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