Toshi 鳥居コミュのＭ社ＡＭＰの修理

Ｊ○Ｍ６０の修理を以前した。コンデンサーの半田クラックでノイズが出ていたので半田付けを修正し軽く音出しチェックした。少しヒーター電圧が低く感じたが負荷端末で測定したので余り気にしなかった。暫く電源を投入し様子を伺いＯ．Ｋ．と判断し返送した。

　今回、同じＡＭＰが再び修理で送られてきました。症状はノイズとパワー不足と言う内容、前回修理してから一度も使われていないと言う先方の話です。修理品が届いたら面倒でも直ぐに動作をチェックして欲しいですね。重量の在るギターＡＭＰ等は運送中の故障発生が多いですから！一度も使わないで再修理依頼と言う事は輸送中の不具合が考えられます。ＡＭＰは使わないだけでも故障の原因に成るから厄介です。

　気乗りしない状況でイヤイヤ分解し測定すると特にノイズは問題になるレベルではない。出力も５，６分程度通電したが正常だった。そして、ＡＭＰを組み上げるとノイズが増える？？？チェックのため分解するとノイズは減少、２０分位通電すると確かに出力が下がる？？？
分解、チェック、組み上げを４，５回繰り返す有様。はっきりした原因を見付けられないまま時間が過ぎて行った。こんな事を繰り返して居るうちにＡＭＰを壊してしまうことも良く有ります。

　情けない話ですが、遂には“Ｓ社時代の師匠”に送付して徹底的に診て貰う以外方法が思い当たらない処まで…。
しかし、往年のゴッドハンドは未だ健在で三日後に下記の診断、対処の指示が出ました。

１）コンデンサー取り付けリード部分に異常有、リークしコンデンサ発熱
２）発熱に伴い電源回路部セメント抵抗の電圧降下、リップル電圧増大
３）各出力管のプレート電流に大きな相違あり、プッシュプル動作異常
４）出力管２本中１本は新品不良で熱暴走状態、交換後バイアス調整しプレート電流安定
５）出力管の上にコンデンサーが配置されており電磁結合してノイズ発生、コンデンサー移動！！！
６）ヒーター電圧１００Ｖに対し５．９Ｖで設計不良！

　うーん！コンデンサーの異常は発見していましたが、これ程重症とは…。
何よりコンデンサーを思い切って移動してノイズ対策する勇気と経験は当方には無いです。更にＹ社の銘版を信じていた為、まさか１００Ｖで使用時にヒーター電圧が５．９Ｖしか掛からない点を見落としていました。因みに１２０Ｖで使うと７．１Ｖで高過ぎです。Ｙ社もいい加減な製品を輸入販売していますね。当方自身の無能さを、このＡＭＰ修理を通し思い知る事と成りました。

　余りに悔しくてネットでこのＡＭＰの情報を集めましたが、この様な設計不良の指摘は一切なし。
“マーシ○ルらしくて素晴らしい”、“クリーンが最高”とか“８０年代のＨＲ、ＭＲに最適”と言った記載ばかりでした。このＡＭＰどう考えてもまともに動作して音が出ている筈ないのですが…。