global不動産ｺﾝｻﾙﾃｨﾝｸﾞ塾コミュの構造Ｑ＆Ａ＜10＞

Ｑ
超高層マンションは地震に大丈夫？

Ａ
何事にも「絶対」という言葉は使えませんが、こと地震に対する安全性は比較的に高いと言えます。さらに、最近の超高層マンションの足元にゴムなどの緩衝材を履かせた物件が増えております。建物に伝わる地震のエネルギーを少なくする、いわゆる「免震構造」です。大きな揺れはこれで軽減されます。建物の高さが60ｍを越えると（ほぼ20階建て以上の高さに相当します）一般の建築確認とは異なる扱いになって、個別の構造審査を受けなければなりません。入念な構造計算をし、特別なチェックを経てから建築確認を受けるので、それだけ安全といえます。

超高層マンションに関して私には答えづらい大きな問題があります。それは、「停電と断水対策」です。その時、エレベーターは使えません。あふれるばかりの水を入れたバケツをかついで、30～50階までの階段を上っていくのでしょうか？非常用電源や非常用エレベーターは、たとえ健全な状態であってもバッテリーによるもので、長時間の運転が出来ないのです。

＜停電+断水+超高層+高齢者＞という組合せは考えるだけで気が滅入ってしまいます。超高層マンションに住む人達は、普段は素晴らしい眺望を楽しむことができます。しかし、いったん震災が発生した時には、空中高くに生活の場があって、ライフラインの欠落とどのように向き合っていけばよいのか・・・これは、難しい課題です。

六稜71期　竹中工務店　顧問　宗田奎二氏からレポート

※写真は、神奈川県庁本庁舎